MUVLUVにチート転生者あらわる!?
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第十七話
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悠斗side
ソロモン発見から一月がたちました。今、季節は日本なら梅雨だろうな。あれから、先見隊を派遣し調査させたところ、やはりソロモンであることが確認されました。
調査隊の報告によると、中には大量のMSと宇宙艦が死蔵されていることが分かりました。ああ、因みに俺は宙(そら)に来ています。ザンジバル級巡洋艦リリー・マルレーンに乗って、ソロモンから迎えとの合流場所(ランデブー・ポイント)向かっています。
「シーマ様。合流地点まで、あと少しですぜ」
「ああ、了解だよ、コッセル。悠斗、あと少しで合流するよ」
「分かりました。しかし、不思議ですね」
「うん?何がだい?」
シーマ中佐が首を傾げる。まあ、シーマ中佐達みたいに宇宙で暮らしていた人なら、疑問にならないのでしょうけど、俺からすれば地球が見えるのは、バリバリ違和感ありますね。
まあ、ユウ・カジマの肉体のおかげか、恐怖を感じないのは助かりますけど。イルマ中尉は、未だに椅子から立ち上がりませんからね。まだ宇宙の感覚に、戸惑っているのでしょうね。
「いえ、まさか宇宙から、地球を見るはめになるとは思いもしなかったからな」
「そうかい?まあ、悠斗は宇宙で暮らしたことが、ないんだね。まあ、暫くすれば慣れるさ」
椅子に座って艦の指示を出しながら、シーマ中佐が答えてくれる。
「シーマ様。前方に、迎えの部隊を確認しました。しかし、見たことのない船のようです」
「なんだい?この、赤色の船は?」
中央モニターに、合流地点に来ている、4隻の船が映しだされる。
「ああ、ムサカ級巡洋艦だ。あの大きいのは、レウルーラ級戦艦レウルーラだ。まさか、あんな物まで死蔵されているなんてな」
まさか、迎えにきた艦隊が、第二次ネオ・ジオン抗争の時に活躍した、ムサカやレウルーラが来るなんて思わないよ!
まあ、コッセル大尉やシーマ中佐が知らないのは当たり前ですね。
「へえ~、悠斗は知っているって事は、少なくとも後継機艦か」
「そうだ。まあ、ソロモンに行けば、もっと情報が手に入るだろう」
「シーマ様。前方の艦から、通信が入りました」
「よし。通信を繋ぎな」
中央モニターに、トワニング准将が映しだされた。どうやら彼は、レウルーラに乗っているようだ。まあ、一様グワジンからの派生艦だから、ザビ家縁の彼が乗っていても不思議じゃないが、やはり個人的にはシャア・アズナブル大佐に乗ってもらいたいな。彼の方が、似合うしな。
「お久しぶりです。不動准将。お迎えに来ました」
トワニング准将が頭を下げながら、出迎えてくれる。
「ああ、お久しぶりですね。先見隊しての任務ご苦労です。して、ソロモンの状態は?」
「はい。ソロモンの状態は、ソーラー・システムで、焼かれる前のソロモンの状態です。また、我々が調べている途中なのですが内部にはまだ、沢山の宇宙戦艦やMS等が有ると思うのですが、何分人材不足でして、遅々として進んでおりません」
「そうか。ならば、まだ完全に稼働出来る訳ではないのだな」
「はい。残念ながら、先発隊だけではとても無理です」
申し訳なさそうに、頭を下げるトワニング准将。まあ、先発隊なんて、2000人位しか送ってないからしょうがない。
「まあ、気にしないでソロモンに向かいましょう」
「はい。かしこまりました。不精、トワニングがエスコートさせて頂きます」
敬礼して、艦隊陣形を指示するトワニング准将。 レウルーラが、先頭に立ちリリー・マルレーンを、ムサカ級が3隻で取り囲む。陣形が整った所で、艦隊が出発した。
悠斗sideout
イルマside
私は今、宇宙に来ています。私の座席から青く輝く星が見えます。そう、私の住む地球です。
何故私が、宇宙に居るのかと言うと、一月程前にあった将官クラス会議が事の発端でした。
何でも、宇宙衛星が発見した巨大な衛星が有ると言う事で、先見隊を送った所、宇宙軍の基地に使えるとの事で、不動准将が自ら視察に赴くとの事で、秘書官の私も一緒に行く事になりました。
しかし、いざ宇宙に来てみると無重力下での移動訓練なんて、受けて居ないので、今は椅子におとなしく座っています。
(はあ~。まさか、宇宙に行くて聞いていたけど、無重力空間が、此処まで動きにくいなんて。しかも、不動准将は立ち上って、シーマ中佐と何か話しているみたいだから、話し相手もいないし、宇宙を眺めるしかないなんて)
少し力加減を間違えたら、立ち上がるための反動で、天井まで行ってしまいそうで怖いので、立ち上がらずに外の景色を、眺めるのだった。
イルマsideout
コッセルside
迎えにきた艦隊に合流してから、2時間位たったな。相変わらず、シーマ様と悠斗の若旦那は、楽しげに話をしている。
まあ、俺は艦の指揮をとりながら、デブリを艦に当てないように、回避行動をとっている。
「コッセル大尉。右舷から、デブリが接近しています」
「あと、何分後に艦に接触する?」
「2分後です。そこそこな大きさです」
シーマ様達をチラッと見る。丁度悠斗の若旦那が、シーマ様の真ん前に立っている。
「よし。回避行動。だだし、少し強めに揺らせ」
操舵手に小さな声で伝える。幸い二人は気付いていないようだ。
俺の意図を理解した操舵手が、小さく頷いた。
(さて、どうなるかな?)
シーマ様がどんな反応をするか、内心楽しんでいた。
コッセルsideout
悠斗side
シーマ中佐と話をしていると、行きなりリリー・マルレーンが、大きく揺れた。
「うわ!」「な!」
行きなり揺れたので、バランスを崩して、前のめりになり、そのまま前に居るシーマ中佐にぶつかってしまった。
「コッセル!!なに下手くそな操作してるんだい!」
「すいません。右舷から、デブリが急速接近したんで、回避行動をとったんです」
どうやら、スペースデブリが、原因らしい。シーマ中佐にぶつかった俺は、今柔らか物に包まれて前が見えない状態だ。 とりあえず、首を左右に動かす。
モゾモゾ
「あ、ゆ、悠斗、動かないでおくれ」
何やら色っぽい声が聞こえるが、とりあえず息ができないため更に首を左右に動かす。
モゾモゾ、モゾモゾ
「あ、や、はぁ、悠斗ちょっと、待っておくれ」
(ヤバい、い、息ができない!)
今の俺には、とてもじゃないが、窒息しそうで、周りの声など聞こえていなかった。
(まてよ?上に顔を上げれば、息できるんじゃないか?)
左右に動かすのを止めて、顔を上にあげると、息ができたので、深呼吸する。
スーハー
「ふう。死ぬかと思った」
「はぁはぁ」
改めて状況確認してみると、顔を赤くし息遣いの荒い、シーマ中佐が居た。どうやら、俺を抱きしめてくれたらしく、頭を確り固定されていた。
「あ!」
どうやら俺は、シーマ中佐の胸に頭を挟まれたらしい。
(やばい?セクハラじゃないか!は、早く謝らなければ!変態て言われてしまう!)
そう。俺は、あくまで変態と言うなの紳士なのだ。ただの、変態ではなく紳士であることが、重要なのだ!
「す、済まないシーマ中佐。女性の胸に頭を埋めて、動かしてしまった。本当に申し訳ない」
「い、いや。いいさ。不慮の事故だからね」
顔を紅くして許してくれるシーマ中佐。
「「・・・」」
互いに見つめあったまま、言葉を発する事ができない。
(何故か、シーマ中佐から目を外せない)
(おや?今考えたら、これはチャンスじゃないか!)
無言のまま、シーマ中佐の顔が近づいてくる。俺の顔を上に持ち上げ、ゆっくり顔を近づけるシーマ中佐。
あと、数センチで唇が、重なってしまう距離だ。シーマ中佐の息遣いが聞こえる。潤んだ瞳から目線を外せない。
紅い唇が重なりそうになる瞬間。
「シーマ中佐。貴女は何をしようと、してるのですか?」
とてつもない黒いプレッシャーが、俺とシーマ中佐を襲う。
「うわ?」
「なに!」
慌てて、俺を放すシーマ中佐。突き飛ばされて、そのまま、コッセル大尉の座席にまで飛ばされてぶつかる。正直痛いです。
「シーマ中佐?ここは、貴女の艦ですが、不埒な行いをする場所ではありませんよ」
声のした方を見ると、とてもとても良い笑顔したイルマ中尉が、黒いオーラを全開にしていた。
他の兵士達は皆震えていた。
「ちっ。良いところだったのに、邪魔するんじゃないよ!」
「なんですって!貴女は不動准将にキスをしようとしたでしょうが!」
「悠斗みたいな、良い男にはイルマみたいな小娘より、私みたいな淑女の方が似合うのさ」
「なんですって!シーマ中佐みたいな、三十路過ぎの方より、私の様な若い女の方が不動准将に相応しいんです!」
「なに!言ってはいけない、事を言ったね!!」
言い争う二人。二人を止める為に、ブリッジに居た他の兵士達が止めに入る。
「シーマ中佐。落ち着いてください!」
「放しな!邪魔するんじゃないよ!」
「イルマ中尉も、落ち着いてください!」
「放してください!シーマ中佐とは、本気でケリをつけたいんです!」
暴れる二人を引き剥がして、それぞれ距離をとらせる。
「悠斗の若旦那?大丈夫ですか?」
「すまんな、コッセル大尉。全く、困ったものだな」
立ち上がり二人の側に歩みよる。
「二人とも止めないか!」
大声を出すと、二人ともビックリして動きが止まる。
「全く。二人とも、美人なんだから、喧嘩なんかするな。綺麗な顔に、シワができるぞ」
まあ、美人の喧嘩ほど怖い喧嘩はないですからね。事実、一部兵士は脅えてますからな。俺は、この時、普段よりも真剣な顔つきをしていた。
「え、は、はい。分かりました」
(やった。不謹慎だけど、不動准将に美人て言われた!しかも、普段なかなかしない凄い真剣な表情が、凄くカッコいいです)
「う、しょうがないね。顔にシワがよるから、止めてやっただけだからね」
(ああ悠斗。出来れば、その真剣な表情で、二人きりのベッドの上で、好きだよて言ってくれないか)
二人とも、喧嘩を止めてくれて一安心だ。
何やら、乙女二人は全く違うことを、考えていたが知るよしもなかった。
「シーマ様。不動の若旦那。ソロモンが、見えましたぜ!」
コッセル大尉に言われて、中央モニターを見ると、ソロモンが映し出されていた。
「よし。ソロモンにつき次第、内部の視察に向かう」
段々とソロモンに近づいていく。
(よし。内部の確認作業の為に、人員を大量に呼ばなければな。あと、アメリカあたりにバレると面倒だから、ミラージュコロイドで隠すか)
そんなことを考えながら、ソロモンに到着するのだった。
悠斗sideout
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