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転生とらぶる

作者:青竹
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マクロスF
  0693話

 バジュラとの戦闘が終わった翌日、さすがにすぐまたバジュラが攻めてくる訳でも無く、俺は起きてから午前中一杯を使ってバジュラの死体の近くにいた影響が無いかどうかの検査をカナリアから受け、その後報告書をオズマに提出した後、ルカに呼ばれていると言われて格納庫にやって来たのだが……

「アクセル君……新品の機体で出撃して、1度の戦闘しかしてないのに機体をここまで酷使するってのは……どうなんだろうね」

 俺が昨日使ったVF-25Sの近くにいたルカに声を掛けた途端、疲れきった、どこか死んだような目をしたルカが俺へとそう告げてくる。その身体から感じられる雰囲気は、まさに疲労といった感じだ。この様子から見ると、恐らく昨日簡単な報告を終えて解散した後から殆ど休んでいないんだろう。

「あー……徹夜だったのか? ルカもバジュラとの戦闘に出たんだから、ゆっくり休んだ方が良かったと思うんだが」
「そうだね。アクセル君の機体が僕やミシェル先輩の機体と同程度の消耗具合なら僕も休めたんだけど……ふっ、ふふふふ、ふふふふふふ……」

 どこか遠い場所を見るような視線をあらぬ方向へと向けながら含み笑いを浮かべるルカ。……ちょっとやり過ぎたか? とは言っても、機体の状態を聞いておかないといけないのは事実だしな。
 ポケットから出したように見せかけ、栄養ドリンクを1本取り出す。こういう風になると分かっていればクスハが作った栄養ドリンク、通称クスハ汁でもどうにかして入手しておけば良かったと思いながら。

「取りあえずこれでも飲んでくれ」
「ありがとうございます」

 礼を言いながら、瓶の蓋を開けて一気に飲み干すルカ。

「……うわ、これって結構効きますね。どこの栄養ドリンクですか? 見たこともないメーカーですけど」
「何処だったかな。確か渋谷エリアでシェリルのチケットをギリアムに頼まれて買いに行った時に買ったんだと思うが」

 ギリアム。その言葉が出た瞬間、ルカの視線が悲しそうに曇る。

「ギリアム大尉……」

 ああ、ルカにはこの話はまだしなかった方が良かったな。ルカが徹夜をしたというのは、俺の機体に手を入れていたというのもあるんだろうが、恐らくギリアムの事を思い出したく無い程に忙しくしていたかったというのもあるんだろう。

「アクセル君、ギリアム大尉のお葬式は明日だって。聞いた?」
「ああ」

 S.M.Sで死んだパイロットは事故死の扱いとなり、機密の問題もあって大々的に葬式を上げる事は無い。行われるのは、S.M.Sの社員だけによる非常に質素なものとなる。

「まさか、あのギリアム大尉がバジュラにあっさりやられるなんて……」
「そうだな。純粋なVFの操縦技術という意味ではミハエルやルカよりも上だったしな」

 より正確に言えばVFパイロットとして言えば俺よりも上だったと言えるだろう。VFに乗ってまだ日が浅い俺は、どうしてもVFをニーズヘッグ等のように動かしてしまう事がある。あるいは身体能力に任せて機体を振り回し、目の前にあるように特定のパーツの損耗度を上げてしまう。
 だが、長年VFに乗ってきたギリアムは違う。VFだけを操縦してきたからこそ、機体に負担を掛けない操縦方法をその身に染みこませていたのだ。これに関しては、長期間その機体を操縦しなければどうしても身に付かない事なので、数々の機体を乗りこなしてきた自負のある俺もギリアムに数歩劣る。

「あ、すいません。湿っぽい話になってしまいましたね」

 強がるような笑みを浮かべ、強引に話を元に戻すルカ。そんなルカの言葉に付き合うようにして、視線をS.M.Sの整備員とL.A.Iの技術者が集まっている俺のVF-25Sへと視線を向ける。

「で、俺の機体の様子は?」
「取りあえず消耗しているパーツ……主に関節部ですが、そこを交換すれば何とかなるかと。にしても、アクセル君ってどんな身体をしてるんですか? ISCが蓄積可能なGを越えたGがコックピットブロックには掛かっていたって計器には出てるんですけど」
「元々俺の身体は人並み外れて頑丈だからな。それこそ耐G性能と言えばオズマよりも上だよ」
「……まぁ、その耐G性能の高さと反応速度の高さの2つが原因で機体に大きな負荷が掛かっているのは間違い無いんですから、その辺を出来るだけ気を付けて欲しいんですが」

 溜息と共に吐き出されたルカの愚痴に、小さく肩を竦める。

「そう言われてもな。機体が俺の反応速度に付いてこられないのが悪い……とまでは言わないが、色々な意味で問題が多いのも事実だ。その辺をどうにか出来ないか?」

 ルカの口から再度の溜息。

「あのですね。元々のVF-25Aだとアクセル君の反応に付いていけないからVF-25Sにして、それでもまだ駄目だっていうからジェフリー艦長やオズマ隊長が許可を出してトルネードパックを装備したんですよ? それ以上となったら新規の機体を……いえ、ちょっと待って下さい。1番の原因は機体がアクセル君の反応に付いてこられないことなんですよね? なら……」

 何かを思いついたのか急に考え込むルカだったが、技術者ってのはこんな感じの奴が多いのかね。レモンも時々似たような事をしているし。

「……反応速度、つまり機体の……脳波で……ギャラクシー船団……いや、駄目かな」
「ルカ?」
「あ、すいません。実はVF-25のベース機となったYF-24を提供された船団にギャラクシー船団ってのがあるんですが」
「それって、確かシェリルの出身地だった?」
「はい、そうです。で、そのギャラクシー船団がYF-24をベースに作りあげた機体にはBDIシステムっていう脳波を使って機体を制御するシステムが搭載されているんですが……」
「それをVF-25Sに採用しようと?」
「そう思ったんですけどね。確かあのVF-27のBDIシステムってパイロットの脳と機体側のセントラルコンピュータを光学回路で直結してるんです。つまり、サイボーグのパイロットが操縦する事を前提としている訳で。このフロンティア船団では、その辺違法扱いなのでちょっと無理かなと」
「だろうな。俺にしても脳みそとコンピュータを直結させられるとかはあまり嬉しく無いし」

 苦笑を浮かべつつ技術者や整備員達が集まって作業をしている俺の機体へと視線を向ける。

「取りあえずVF-25Sで反応速度を上げるのはちょっと難しいので、もう暫く何とかやり繰りして下さい。こっちでももう少し改造してみますので。……もっとも、改造とは言っても機体の疲労度を下げる方向に対する改造ですけどね。……あっちの方がもう少し上手く行けば……」
「あっち?」

 ふとルカの呟きが気になり尋ねてみるが、すぐに我に返ったルカが首を左右に振る。

「いえ、何でもありません。とにかく、機体の整備については任せて下さい。次にバジュラがいつ襲ってくるのかは分かりませんが、必ずそれまでには終わらせておきますから」
「……ああ、頼む。後、整備が終わってからでいいから、機体色の塗り替え……いや、何でも無い」

 機体色の塗り替えを頼もうとしたその時、ルカの瞳に虚無が宿ったような色に見え、思わず言葉を途中で止める。

「ふ、ふふふ……まさか僕達の時間を削ってまで機体色の塗り替えをしろとかは言いませんよね?」
「あー、勿論だ」

 まぁ、昨夜から殆ど休み無しで俺の機体を含めた全機の整備をしていたルカに言うべき事じゃなかったな。なら、と。話を逸らすべく言葉を続ける。

「で、俺の機体の整備はいつくらいに終了しそう何だ?」
「今日中に……と言いたいところですが、残念ながらどんなに急いでも明日になるかと。贅沢を言えばもう数日欲しいところですね。アクセル君の機体で損耗したパーツの周辺にある場所のデータ取りとかをすれば、色々と参考になるところが多そうですし」
「さすがにそれは勘弁してくれ。バジュラがまた襲ってこないとも限らないんだから、なるべく早く整備を終えてくれると助かる」

 そう告げた途端、ルカの顔が微かに歪む。それは憤りか、怒りか、憎悪か。
 様々な色の表情を浮かべつつ、口を開く。

「バジュラ、また来ますかね?」
「さて、どうだろうな。何しろ正体不明で何を目的にしてフロンティア船団を襲っているのかも分からないしな」

 昨日の行動を見る限りだと、アルトが何らかの要因を持ってるんじゃないかとも思うが……それにしてもあくまでも昨日の状況から見た予想でしか無いしな。一応報告書にはその辺を書いて提出してあるので、後はそれを読んだ上の者が判断するだろう。

「ああ、そう言えば」

 そんな風に一瞬会話が途切れた後、唐突にルカが俺の方へと何かを差し出してくる。
 その手に握られているのは、見覚えのないイヤリングだ。

「……それは?」

 見覚えが無いだけにそう尋ねるが、何故か驚愕の表情を浮かべるルカ。

「え? アクセル君のじゃないんですか?」
「いや、初めて見るが……」
「だってこのイヤリング、アクセル君の機体のコックピットに落ちてたんですよ? だからてっきりアクセル君のイヤリングだと思ってたんだけど」
「そう言われても身に覚えが無いしな」

 紫色の宝石らしい物を金属で覆うような形をしているそのイヤリングは、どう見ても俺の物じゃないし、それ以前に俺はイヤリングを付けたりはしていない。以前は魔法発動体として腕輪を身につけていたが、混沌精霊になった時に吸収してしまったしな。

「うーん、じゃあどうする? 本当にアクセル君に覚えが無いなら、遺失物係にでも提出しておくけど」
「ああ、そうしてくれ。恐らく整備員かL.A.Iの技術者の誰かの私物だろうし」
「うん、じゃあそういう事で」

 受け取ったイヤリングをルカに預け、その場を去ろうとした時……

「全員、集合しろ!」

 格納庫の中にオズマの声が響き渡った。
 ……何だ? 声のした方を見ると、オズマの他にもアルトの姿がある。

「アルト先輩……」
「そう言えば、アルトはもうお前の事は知ってるんだったよな?」
「え? あ、はい。昨日ランカさんと一緒に保護した時に顔を合わせてますし。その、微妙に不機嫌そうでしたけど」

 それはそうだろう。友人――あるいはライバル――だと思っていた相手が、自分に隠し事をしてS.M.Sなんて会社に就職していたのだから。……いや、この場合は就職というよりもバイト的な扱いになるのか? 守秘義務とかがあったと言われても、理解は出来ても納得出来ないだろう。
 まぁ、俺が最初からS.M.S所属って事を言っておいたのでそれ程違和感無く受け入れたのかもしれないが。

「取りあえず行ってみましょう。アルト先輩に関係することらしいですし」
「そうだな。アルトのこれからにも関係してくるだろうし」

 俺が頷く前に言葉を挟んできたのは、少し離れた場所で自分の機体の調整を行っていたミハエルだった。

「ミハエル、お前の方の機体は問題無いのか?」
「当然だろ。俺は誰かさんみたいに機体に負担を与える操縦なんかしてないしな」
「ま、機体の追従性に収まっている身体能力しか無いんなら、確かに問題は無いか」
「……へぇ、妙に棘のある言葉だな?」
「そうか? 俺は思った事を正直に口に出しただけだが?」

 ジト目で俺を睨んでくるミハエルと、表情1つ変えずに言い返す俺。一触即発……とまではいかないが、それでも微妙に空気の悪い中にルカが割り込んでくる。

「それよりも、早くアルト先輩とオズマ隊長の所にいきましょうよ」

 その言葉と共に、顔に似合わぬ力を発揮してルカは俺とミハエルをオズマとアルトのいる場所まで引っ張っていくのだった。





「アルト先輩、検査の方はもういいんですか?」
「ああ、問題無い。少し時間が掛かったけどな」

 S.M.Sのパイロットや整備員達が集まってきて面食らっているアルトへとルカが声を掛ける。
 そんなアルトのすぐ側にはアルトが昨日乗っていたVF-25F……つまりギリアムの機体が置かれてあり、その時点で何故オズマがここにアルトを連れてきて、俺達を呼び寄せたのかが明らかになった。

「早乙女アルト、お前にはギリアムの最期を俺達に伝える義務がある。奴の最期をその目にしたお前はな。奴が何を助け、どう行動したのか。それを教えろ」
「……分かってるさ。俺とランカが生きていられるのはあの人のおかげなんだから」

 その言葉に満足したのかオズマは小さく頷き、他の者達も黙ってアルトの言葉に耳を傾ける。
 ランカが逃げ遅れてバジュラに襲われそうになっている時に、偶然EX-ギアを身につけていたアルトが通りかかり、何とか救出。そこをバジュラに狙われ、アイランド1に入って来たギリアムが助けたらしい。だが、結局はバジュラに機体を抑え込まれ、EX-ギアで脱出してアルト達を助ける為に銃を撃ってバジュラの注意を引きつけ……そして死んだ。

「これが俺の見た全てだ」
「……奴は立派だったか?」

 アルトの言葉に、オズマがポツリと尋ねる。

「ああ。軍人としてこれ以上ない程に」
「……そうか……」

 静まり返った格納庫内に、オズマのその呟きだけが静かに響き渡り……だが、次の瞬間。格納庫の中にアラームが鳴り響く。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:425
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:594 
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