ペルなの
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9.5
前書き
仕事が忙しいので一先ず会話練習を兼ねての繋ぎでも
「そうや朱音ちゃん。一つ聞き忘れとった事があるんやけどな、少し残って貰ってもええかな?」
「聞き忘れた事ですか?いいですよ」
「じゃあ私達は先に行っとくね」
なのはとフェイトが退室し、はやてと彼女だけが残った。
「あんな、朱音ちゃんが使うデバイスに登録する魔法体系とバリアジャケットなんやけど、どんなタイプがええかシャーリーに聞いといて欲しいって言われてな」
「魔法体系って言われてもよく分からないんでちょっと置いときますが、バリアジャケットにも何か種類みたいなのがあるんですか?」
「魔法の方は資料があるから明日にでも聞かせてもろたらええよ。バリアジャケットはそやな、この前朱音ちゃんが着とったバリアジャケットがノーマルなバランス型なら、なのはちゃんのは防御重視のディフェンス型、フェイトちゃんのは速度重視のスピード型って感じや」
「成る程、戦い方に合わせたタイプを選べるんですね」
「そや。でもな、ここだけの話、こういうバリアジャケットのタイプは戦い方だけでなくデザインにも直結するから、そこも含めてよう考えた方がええんやよ」
「え?でも、この前の模擬戦や見学させて貰った訓練とかでも見ましたけど、気にする程の違いは……」
「ちゃうちゃう。あんな朱音ちゃん、その時に目に入った事だけが真実とは限らへんのよ」
ニヤリッとはやては笑うと、声を潜め顔を近付けて来る。
「あのフェイトちゃんのバリアジャケットはスピードがある程度遅んなるのを承知で追加装備しとるんや。本来のはそりゃセクシーやで。本気モードはほぼレオタードやスク水クラスからな」
「レオタードやスク水……!!」
彼女に電流走る。
スピード型と聞いてある程度の軽量や空気抵抗の調整はするだろうと思っていたが、そこまでとは思っていなかった。
「とはいえ、訓練の時とかで今のフェイトちゃんが追加装備を足してるのからも分かる通り、そこまでせえへんでもある程度の速度はキープ出来るんよ。でも、極限まで速さを追及すれば防御面は勿論、バリアジャケットの機能を損なわない可能な限りの軽量化と抵抗を減らす密着が必要。結果があのモロに体型を主張する恐怖の薄着化や」
「それは、重要な問題ですね。その、色々と恥ずかしいですし……」
はやてと一緒に至極真面目な顔で彼女も顔を付き合わせているがタルタロス攻略にリーダー権限を私物化して大盤振る舞いした結果、冬季にも関わらず皆に水着を着せたりサンタコスや執事服とかを着せたりして楽しんでた張本人がそれを言う資格があるのかどうかは甚だ疑問である。
「でもフェイトさん流石ですね。ピッチリ系はスタイルに自信が無いと中々出来ない……」
「まぁフェイトちゃんは見た通りスタイル抜群やからなぁ。ここぞと言う時の必殺フォームやけど、それを出来るのも一重にあのスタイルの良さがあって、こ、そ……」
はやての言葉が尻すぼみで小さくなるのと同時に彼女も背後から満月のシャドウにも負けない威圧感を感じ、彼女は全身から冷や汗が止まらない。
ギッギッキッと動きの悪い首を動かすと、そこには先程外に出たハズのフェイトが『にこやか』に立っていた。
「はやて、朱音ちゃん」
「「はいっ!」」
「何を話してたのかな?」
「やっ!違うんよ!ただ、ちょっと、なんや……」
「はやてさんにバリアジャケットについてお話を聞いてました。ええ、私は聞いてただけです」
「ちょっ!朱音ちゃん!?」
「そう。はやて、少し話そうか」
「あ、あ~……はい……」
「あっ!じゃあ私は邪魔になるでしょうから、この辺で……」
「朱音ちゃんも一緒に話そうか」
「……はい」
因みに彼女とはやてが解放されるまで二時間掛かった。
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