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高校生エレクトローター

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十九話 測定(テスティング)

 
前書き
最近はやはり受験勉強などで投稿が遅れてしまいました。
楽しく見てもらえたら光栄です。よろしくお願い申し上げます。



、 

 
・・・・・

彼女は倒れこんだ。意識は無い。
ざわざわとしていた空気が一瞬で消えさっていた。

彼女は頭の額の辺りから出血していて、心配という空気が走っていた。




だが、貝木の表情は変わらなかった…

まだやってやろうかという脅しの様に。
広翔の目には十分に通じた。



ー!?ー



「誰だよ、お前。」

バッと貝木の前に出てきたのは彼女だった。

「・・・あなたこの騒動は停学レベルですよ?」


彼女は恐ることなくそう言った。

ここで前に出たのは海波だった。しかも黒い腕章をつけ、貝木を睨む様に凝視していた。



「は? だから誰だよお前。」

「誰だっていいでしょ? あなたを連行するために、出たんだから。」


「ちっ、知らねー女に連行されるほど甘くねーんだよっ!!」

一瞬のスキを狙って、貝木はまた手を突き出した。
怒りを含めた速攻の能力行使だった。



・・・・

しかし、海波の体は飛ばない。



ーボンッ!!ー


爆発しながら飛んだのは台式測定器だった。一番奥にあるもの。
おそらく10万円以上はするものだったのだろう。

周りは呆然として見ている。


「くっ!!」

貝木の目は変わっていない。まるで猛獣の目の様に。

「しねっ!!」

と冷静さのかけらも無い声だけが響き渡った。

そしてもう一度強く手を突き出した。さっきよりも強く。




・・・




海波は振り払うように右手を左に逸らしただけだった。


ーボン!!ー

また爆音を立てて散ったのは台式測定器だった。一番手前にあったやつだった。
これで20万円分の被害。




『止めなさい、貝木。 本当に停学処分を受けますよ?』

今度は声をかけたのは教師だった。流石にまずいと思ったのだろう。



Aクラスのカウンセラーの清水 真琴だ。
女子生徒は意識を失ったまま保険室に運ばれ、台式測定器2台破損したにもかかわらず、冷静な表情な雰囲気。

対して変わらない攻撃的な目つきの貝木だった。

「・・・なんだよ停学にしろよ! こんな・・・」

強弱のある貝木の言葉は詰まった。そして攻撃的な目も、下に背けてしまった。

それ以上に強い、清水 真琴には歯向かえなかったようだ。
まるで子供の様に。すでに彼は壊れていた。


『一緒に保険室まで来なさい。彼女の顔を見にいきます。』


貝木は無言になり、完全に黙ってしまった…

そのままルームを出て、静々と行ってしまった。


無音の空間が元に戻り始めた。
測定器が2台も壊れながらも残りの3台でテストは続いた。

待ち時間が恐ろしく伸びていた。
ただでも長いと言うのに、倍くらいの時間だ。


「まだかよ〜 暇だ〜 広翔〜 なんか面白い話しろ〜」

蓮が列から離れてここまで来た。


「確かに長いようだね。 そういえば海波、けがはなかったか?」

「そういえばって… まあ大丈夫だけど…」

「なんだ、もっと深刻にして欲しかったのか?」

「いや、そういう訳じゃ無いけど…」

「口で貝木を止められなかった自分を、ダメ女とか、でしゃばったのにも関わらず、なにも出来なかったバカ女、とか思っているのか?」

「なんかさりげなく、傷つくわ…」

海波は苦笑を浮かべながら、そう言った。

「これが終わったら、貝木に会いにいくか?」

「そうだね。 いろいろ話したいことも山済みだし。」

多分貝木は保険室に謝りに行ってから、生徒指導を受ける。
これだけやらかしたんだから、停学にはなるだろう。
入学二日目だってゆうのに、まったくかわいそうである。

『次の人〜』

話してるうちに順番がやって来ていた。

海波の番だ。

「がんばれよ。」

と測定に向かう海波に声をかけた。

「ありがと。」

海波はいつもとは違って可愛らしく、笑ってみせて測定に向かった。



測定は台式測定器に手を置いて念力を込めるだけ、それで評価するというとても簡単な作業だ。

海波が台に手を置いて測定を始めた。






・・・


台式測定器が結果を発表した。


ー 測定結果、桐生 海波。 念力濃度、63、ランク…A+ ー


周りから、「おー」というどす声が上がる。


ー分解速度、110キロ毎秒、ランク…AA(ダブルエー) ー


ー密湿度、誤差5センチ、ランク…A+ 。 以上。ー


また周りからどす声があがった。
注目は海波に向いている。

確かにすごい結果だった。平均A+以上は学園内でもなかなかいないからだ。
測定内では学年トップ5に入るだろう。
 
 

 
後書き




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