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Angel Beats! the after story

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ご挨拶

野田の居場所を知った俺はそれをゆりたちに話して、日向の家を出ようした時にかなでがやってきた。
「あの、音無さん。えっと、もし、もしですよ。時間が空いてるなら私の家庭教師になってくれませんか?」

家庭教師?恋愛を教えればいいのか?今週は多分、野田対策で手一杯だと思う。だが、野田とかなで………。

「一応、私の家で……するつもりです」

野田<<<<<<<<<<<<<<かなで。はい決まり!

「超暇!いつでもOK」

パアッとヒマワリような笑顔を咲かせるかなで
「ありがとうございます音無さん」

なぜ人が勉強をする意味を俺はこの時知った。






家の前でウロウロするのも危険だから意を決して押そうとインターホンを鳴らす。
心地いい鐘の音が響く。

「はぁ"ぁ"い」

インターホンと同じような心地いい声が聞けると思ったらものすごく野太い声がドアの向こう側で聞こえてしまった。そして、

開けてはならないパンドラの箱が開けられてしまった。

「どちらさんで?」

かなでも見ないうちにものすごく成長したな。身長も俺を超えて、ガタイもムキムキじゃないか。風邪をひいてるのかな?声がいつもより野太いな。お茶目だな〜はっはっはっ……で、この人だれ?

「え〜とここは立華さんのお宅ですよね?」

「そうですが何か文句が?」

「つまんないこと聞いてすいませんでした!」

反射的に謝ってしまった。怖い怖すぎるよ。だって、目の前に立っているのは天使ではなく魔王ですよ。180cmを余裕でこし、圧迫感のある肉体を持つ極道ですよ………。

「で?うちに何か?」

「あ、そのかなでに用がありまして」

殺気のこもった瞳がそこにあった。

「うちのかなでに用とは教えてくれませんかね?」

「いや、その、ね。あれですよ」

「男ならハッキリと言わんかい!!」

「はい!!此度は立華 かなでさんに家庭教師として勉強をご教授するために訪ねてきた所存です!」

俺ってここまで兵隊みたいなことを言えるなんて。また、一つ自分を知れたな。うんうん。

「そうか……。君がかなでの言ってた音無くんか………」

極道のおじさんは一度顔を俯かせるとすぐに顔を上げ

「そうかそうか!君がね!」
フレンドリーな態度になり、バシバシ背中を叩かれる。痛い痛い。超痛い。

「突然で悪いが音無くん」

「は、はい。なんでしょうか?」

ニコッと笑顔になり

「死んでくれないかな?」
「…………ハイ?」

丸太のような腕が俺の関節に次々と蛇のように巻きついてくる。そして、みんなお馴染みのコブラツイストが決まる。
「ちょっといきなりなんなんですか!?」

「かなでが君の話をよくしていてね。その度にかなでが私に向けている以上の笑顔になるんだよ。ほんっと憎たらしいよ」

ここで一つ。どうやらこの方はかなでのお父さんらしい。それも重度の親バカ。
どんどん締め付けが強くなり骨が軋む。
「いい加減にしろ!」

スルッと腕から抜け出す。ふっ、どうやら戦線の頃の訓練がここで役にたつとは。

「見事だな。私の技から抜け出すとは中々」
闘う体制に入り、お互い睨み合いが続く。

「自衛隊の私に勝てると思っているのかね?」
肉体からしてそういう系統の仕事というのは気づいていたが自衛隊とは分が悪い。

「俺は!お義父さん、あなたに勝ってかなでに勉強を教える!!」

「私をお義父さんと呼ぶなーー!!」

熊のように襲いかかってくるところに一人の女神が降臨した。

「お父さん!音無さん!近所迷惑です!!」

こうして俺の勇者気分の闘いの火蓋は切って落とされなかった。





「許してくれ我が愛しの娘よ!!」
流石自衛隊、土下座の質が違いすぎる。無駄な動きがない、一つ一つの動作が洗礼されている。

「何回も音無さんが来ても暴力はダメって言ったよね。約束を守らないお父さんは嫌い」
プイと可愛く顔を背けるかなでに見惚れる。

「うおおおおお!!!かなでーー!!お父さんを嫌いにならないでくれーー!!!お父さんにはお父さんにはかなでが必要なんだ!」

屈強な肉体を持つ大人が大号泣で謝罪している姿はシュールすぎて逆に同情した。

「かなでお義父さんも謝ってるんだし許してあげないか?」
かなでは少し躊躇ったが

「音無さんが言うなら許します」

「ほんとか我が娘よ!」

「次やったらダメだからね」

「サーイエッサー!!」
おー軍人だ。

「じゃあ私、部屋片付けてくるから。あっ、音無さん後で呼びに来ますから」

そう言いかなでは玄関を入ってすぐの階段を上っていった。
えっ!?まさかこの軍人さんと一緒にいろと!?

「おいお前せっかくだ茶でも飲め」

背中でついてこい語っているかなでパパについて行き、リビングのソファーに腰をかける。

「ほれ」

「あ、どうも」

コーヒーの入ったコップを置かれる。
まさか毒とか入ってんじゃないか?直接じゃなくって間接的に俺を殺そうとしてるんじゃねマジで。

「心配すんな毒なんて入ってらんから」

考えいることを読まれるとは流石軍人。
態度が180°変わり気持ち悪いと思いつつ、コーヒーを飲む。普通にうまいな。
コップを元の位置に置くと

「音無!」

「はい!!」
なんなのこれ?ほんと?

「貴様は天使、女神の生まれ変わりの我が娘かなでとはどういう関係だ!」

疑問系になってないから。問いただしてんじゃん!拷問じゃん!
まぁ、かなでが天使、女神の生まれ変わりというのは同感だな。

「ただの友達ですよ」

「嘘をつくな!!」

テーブルを叩き壊す勢いで拳を振り下ろす。

「貴様が我が天使、間違えた。娘にほの字というのは見れば明らかだ!」

これ、どんだけかなでに溺愛してんの?ほの字ってかなでパパが言うと危ない言葉に聞こえるんだけど。

このままじゃ、終わらなそうだ。吹っ切れるかな。

「ええ。好きですとも!愛していますとも!僕の心はかなでにあげましたから(臓器的な意味でも)これは嘘偽りのない愛です!純愛です!お義父さんこそかなでをどう思っているんですか!」

「ふっ、愚問だな。愛してるさ!もしも娘じゃなかったらプロポーズするぐらいな!かなでのために死ねるなら本望!このために自衛隊になったのだからな!!」

くっ……まさかここまで溺愛っぷりとは恐ろしい。

「これまでかなでにちょっかいを出していた若造とは一味違うようだな。面白い。では、貴様に問題を出そう!これのどっちが天使か当てたまえ!」

胸ポケットから取り出された2枚写真。そこには両方天使が写っていた。
特徴をあげてみよう。

左側の写真→羽が生えている、空を飛んでいる、輪っかがある。

右側の写真→無邪気な笑顔、まぶしい笑顔、癒しの笑顔、そして七五三なのだろう、幼く着物を着ている。

この特徴から考えるに……

「天使は右側だ!!」

一瞬の間が空く。その時間は一時間以上に感じられる。時計の音も大きく聞こえる。

「ご名答!!よくぞ分かった!どうやら君は中々の逸材らしいな」

結構神経使ったぜ。こんな難しい問題、大学入試以上だ。

「そう言ってもらえると嬉しいです」

「君はかなでをどう思「天使いや女神以上の存在です。その整えられた容姿は美術品さえ霞んで見えてしまいます。性格も理想的。全てにおいてかなでは可愛すぎる。あの可愛さで世界を制服できるレベルです!!!」

ふぅ、久々に熱く語ってしまった。
「そうか………君にとってかなではそんなに大きな存在なのか………君を勘違いしていたらしいな」

「いえ、俺こそお義父さんを見た目だけで性格を判断してしまってすいません」

「だが!娘はやらんけどな!!」
吐き捨てるような憎たらしい口調で言われた。
(この親バカが……!)

「まぁ、なんだ、私も色々と無礼を働いてしまったからな、仲直りの証として……………」
またしても静寂。

「…………かなでのアルバムでも見るかい?」

「ぜひ!もちろん!喜んで!一生ついて行きます!」

俺は決めた。この人こそ俺の尊敬するべき人なのだと。





「音無さん待たせてすいま……って何してるんですか?」

「音無くん、これが海の時の写真だ」

「生きててよかったです」

はっ!殺気だと!?かなでの方を見ると天使のはずなのに邪気が放たれていた。笑顔なのにまったく目が笑っていないかなで。
「人がいない時に勝手に人のアルバムを見るなんて………反省してくださいね?」

「「サー!イエッサー!」」


かなでの罵倒によって新たな扉を開きつつ、せっかくの『ドキッ☆ラブラブ勉強会』は儚く消え去った。


 
 

 
後書き
どうも!騎士見習いです。今回はかなでのお義父さ、間違えました。お父さんが出てきましたね。かなで信者がまた一人増え、ますます盛り上がってきました!!
それにしても、暑い!暑すぎて書く気力が失われてきましたが!!作品では冬になりつつあります!季節感がおかしぃぃぃのぉぉぉぉぉ!!すいません暑さにやられました。
次回ですが何も考えてません……。ですので感想でいただいたゲームタイトルの番外編とその他番外編を入れていきたいと思います。
では、あらためまして読んでくださってありがとうございます。これからも暑さに負けずにがんばっていきたいと思います。
(意見・感想・評価お待ちしております) 
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