ドリトル先生と伊予のカワウソ
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第一幕その九
「イギリスにいた時はね」
「それ程、でしたね」
「あまり考えていなかったかな」
「今よりも」
「お腹に入れればいいとかね」
そう思っていたのです、イギリスにいた時の先生は実際に。
「無頓着だったね」
「お野菜や果物も」
「あればいいとかね」
「それで食べて」
「ビタミンの種類も考えないで」
「けれど今は」
日本に来てからはといいますと。
「それがね」
「変わりましたね」
「鉄分とかも考えてね」
「それにカロリーもですね」
「そうしたこともね」
ちゃんとです、考えて食べる様になったというのです。
「考えて食べる様になったね」
「それですけれど」
トミーはメザシを食べながら先生にお話しました。
「日本は色々な食べものやお料理があって」
「そうしたことを考えて作ることもだね」
「楽なんです。しかも楽しいです」
「イギリスにいる時よりも」
「はい、和食だけでなく」
この国の本来のお料理だけではないのです、日本にあるお料理は。
「中華や欧州のお料理もあって」
「色々作られてだね」
「楽しいです、栄養も色々と摂りやすくてカロリーも低めで」
「そうそう、日本人ってあまり太っていないよね」
先生はここでこのことも言いました、お味噌汁を飲みながら。
「イギリス人と比べても」
「お腹が出ている人もいますけれど」
「極端に太っている人はね」
「少ないというか殆どいませんね」
「アメリカみたいなことはないね」
勿論イギリスよりもです。
「太っている人は凄く少ないね」
「カロリーが低めなんです」
お料理にあるそれがです。
「実際に」
「そうなんだね」
「そう、ですから」
「日本人の食事はヘルシーなんだね」
「栄養バランスがいいですね」
実際にそうだというのです。
「和食で朝御飯を作っても」
「こうした感じになって」
「はい、身体にいいですよ」
「そうだね、じゃあ美味しくて身体にいい朝御飯を食べて」
「松山ですね」
「行って来るよ」
先生はにこりと笑ってトミーに答えました。
「楽しくね」
「そうして下さいね。あと松山でもお酒飲まれますよね」
「最近日本酒も美味しくてね」
とても楽しみにしているお顔で答えた先生でした。
「お米で作ったお酒は最高だよ」
「先生どんどん日本的になってきていますね」
「ははは、国籍取ろうかな」
日本のそれをというのです。
「そうしようかな」
「本当に日本人になられるんですか」
「もうイギリスの家も引き払ったし」
「日本に住んでおられて」
「日に日に入ってきているからね」
日本にというのです。
「もうそうしようかなってね」
「思っておられるんですか」
「そうなんだ」
こうお話するのでした。
「どうかな」
「いいんじゃないですか、それも」
トミーは先生のそのお考えに微笑んで答えました。
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