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作者:奏波
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制裁のスタート


翌日

俺はずっと西原の言葉が離れなかった。

「偽善者」


そうなのかもしれない。いつだって俺はいい方へと向いてきた。
反発とか、そういうのが嫌だった。
いや・・・・・・・怖かったんだ。


「おいって!!!!」

ハッとした。一哉の声で俺は我に返った。

「晃どーした?調子でも悪いのか?」


「いや・・んなことねえよ。」



気にしないようにしよう。



そう思った。









教室に入ると、隣のクラスが騒がしいことに気付いた。

”竹内が死んだ”って
そう聞こえてきた。


竹内とは静かな子で、割と孤立していることが多かった。

学校は一時その話でおさまりが尽きなかった。
先生たちも、生徒もざわめくばかり
自殺なのか、原因は不明らしかった。



そしてどこからか聞こえてきた

”生きる意味を持たない者は制裁を受けるのです。”


・・・・・・・え?


俺がハッと振り向いてもそこには誰もいなかった。
神が?制裁をする?まさか。あの夢が?

そう頭をよぎったけれど、なわけないって思いこんだ。




放課後、帰ろうとすると一哉が

「おい、晃!」
と廊下を走って向かってきた。

「なんだよ」

「すげー情報手に入れた!!」
一哉は息を切らせながら言った。

「竹内のやつ、誰かに殺されたらしいぜ」

「え、殺された?」
そのときまたふっと聞こえてきた

”生きる意味を持たなければ、制裁を受けるのです。”



「・・・・制裁」
俺はその言葉が頭から離れなくなっていた。





これは神からの・・・





だがこれはまだ、ほんのスタートにしか過ぎなかった。
 
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