久遠の神話
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最終話 あらたなはじまりその四
それでよしとした、そうして彼も別れたのだった。
上城と樹里はまた二人になった、だがここで。
樹里がだ、上城に笑顔でこう言ってきた。
「ねえ、今はね」
「今は?」
「中田さんとの稽古までかなり時間があるわよね」
「うん、確かにね」
「それならね」
こう話を切り出すのだった。
「私達も喫茶店行かない?」
「あっ、いいね」
「そうでしょ、じゃあ行くのは」
「マジックにしよう」
その店がいいとだ、上城は樹里に笑顔で言った。
「あそこのお店にしよう」
「丁渡近くにあるし」
「そこにしよう、それで何処かで御飯を食べて」
「それでよね」
「中田さんのところに行こう」
「それじゃあね」
二人で話してだ、そしてだった。
実際に二人でそのマジックに入った、すると今度は。
二人用の席に大石とマガバーンがいた、上城達は二人に店に入った瞬間に気付いたがそれは彼等もだった。
大石は自分達のところに来た上城達に微笑んでこう言った。
「奇遇ですね」
「はい、そうですね」
「私達はこうしてです」
「このお店のコーヒーを楽しまれているんですね」
「そしてケーキも」
そちらもだというのだった。
「実はマガバーンさんが甘いものがお好きとのことでs」
「それでなのです」
マガバーンも笑顔でだ、上城に答えた、上城達は二人のすぐ隣の二人用の席に向かい合って座った。そうして話をするのだった。
「私達はこのお店に来ました」
「このお店はケーキも美味しいので」
大石も話す。
「それでなのです」
「そうだったんですか」
「はい」
「では君達も」
大石は上城と樹里に尋ねた、今度は彼が二人にそうしたのだ。
「今からですね」
「はい、二人でコーヒーを飲もうと私が言いまして」
樹里が笑顔で大石に話した。
「それで」
「そうでしたか」
「甘いものまでは考えていないですが」
「ではコーヒーを」
「そうですね、そちらだけを」
飲もうというのだ、そして実際にだった。
上城と樹里はそれぞれコーヒーを頼んで飲みはじめた、それからだった。
大石とマガバーンは晴れ渡った顔でだ、こう二人に言った。
「お疲れ様でした」
「有り難うございます」
こう二人に礼を言うのだった。
「これで長い戦いもです」
「遂に終わりました」
「長い因果が終わりました」
「全てが」
「そうですね、終わりましたね」
お互いにだ、笑顔で言う。
そしてマガバーンはだ、自分からこの話をしたのだった。
「ただ」
「ただ、ですね」
「あの女神は何処かに行ってしまいましたか」
「はい、セレネー女神は」
「そうですね」
「それで銀月さん達は寂しがっておられます」
このことをだ、上城は自分から話した。
「とても」
「そうですね、しかし」
「それでもですか」
「昨日の夜星を見ました」
マガバーンは上城と樹里にそのことからも話した。
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