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魔法少女リリカルなのは~召喚銃持つ転生者~

作者:雪狼
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魔銃……解凍……

 
前書き
ようやく出ますよ召喚!
 

 

海鳴市の海。普段は心地のいい風を吹かせ気持ちのいい波の音を立てているそこは今、大嵐をふかしたていた。

「これは一体どういうことなのさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

話はこれから一時間ほど前に遡る。


~一時間前~
転入まであと三日となり、僕と雪菜はデパートに来ていた。

「もう少しで入学だね、雪菜」

「そうですね。私は勉強についていけるといいんですけど」

僕は青いジーンズに紺のシャツ、雪菜は青いワンピースである。

「今日は食材と文具を買いに来たのに、どうして“それ”を持ってきたんですか?」

「なんだか嫌な予感がしてね。それで持ってきたんだ」

そう、ジーンズに差し込みそしてシャツで隠した魔銃の待機形態である黄金の銃とジーンズのベルトを差し込む場所にはソ

イルが収められたガンベルト。完全装備なのである。

「嫌な予感、ですか?」

雪菜が鉛筆を買い物籠に入れながら聞いてくる。

「うん。なんだか朝からぞわぞわするんだ」

朝から感じている気持ち悪い感覚。まるで何かが悪いことが起こると告げているようなものだった。

「杞憂で終わったらいいんだけど、もし天災みたいなことが起こったらそれこそ使わないといけないし、何より他の転生者

が来たとき対抗できないから」

「けど、魔銃を使えば確実に」

「脅しにはなるよ」

そして僕は消しゴムとボールペンを入れ、雪菜と共にレジに向かった。








デパートを出て家に帰るために海岸に近い道を通っていた時のことである。

「っ!?遥斗!何か起こります!」

雪菜が海の方を向いて僕に注意を促したその時。

ドゴオォォォォォォォォォォォォォォォン!!!

海の方から巨大な雷が落ち、そして海が荒れ、嵐が起こり始めたのだ。

「これは一体どういうことさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

僕と雪菜はデパートで買った物が入ったエコバック(アテナ特製どんなに濡れても絶対に中身は濡れないエコバック)を近く

に置き、波荒れる海岸に向かった。

「おそらく、原作の一部の影響じゃないかと」

「こ、これで一部って…」

もし全開で発動したらどうなるんだ!?

「私の仮説ですけど、多分世界が消滅するんじゃないかと思います」

雪菜が顔を青くしながら冷静に推測している。

「しょ、消滅って冗談じゃない!」

原作、なんてひどいんだ。こんな世界消滅の危機に動いてる気配がない。

「雪菜、魔力反応は?」

僕は魔力を探ることはできないけれど、代わりに雪菜はかなりの精度で距離と反応を知ることができる。

「ここから約十キロに弱っている魔力反応が二つ、そしてこの原因と思われる魔力の塊が六つあります」

雪菜が目を瞑って感じてくれている。

十キロか…いけるね。

「対象物をみないとね」

僕はそう言って魔法を発動する。

自分の脳内に見たい物を見せることのできる魔法、“遠見”を。

この遠見は短時間の間だけ見ることのできる魔法。

使う魔力もごくわずかだからとても便利だ。

そしてこの遠見の魔法で原因であるものを見る。

竜巻と雷か。そして弱ってる女の子と狼が見える。

原因はあの竜巻の中か。

それなら…。

「…使う時みたいだね、魔銃を」

ジーンズに挟まっていた銃を右手で抜く。

そして紡いだ。この銃の封印を解くための言葉を。

「ソイル……我が力!」

銃の右横に填められた青い推奨が格納され、代わりにドリルとそれに付属した刃のようなプロペラが展開し、回転を始める



廻る廻る廻る。

渦を巻いて発生される膨大な魔力が螺旋を描き収束していく。

そして銃が輝き光を放つと、金色の粒子となり分解し、再構成されていく。

螺旋を描くように黄金の粒子が銃を持っていた右腕に絡まり真の姿を形成していく。

構成された物は黄金の銃だった。

3つの銃口、遥斗と連動するように腕に器具が絡みついている。そして特筆すべきは銃の後部に取り付けられた黒い心臓、

ドクンドクンと脈動し、銃に力を送っていた。側面のドリルは唸りを上げて回転している。

それは銃とはとても呼べないものだった。

異型の黄金の銃、“魔銃”。それが遥斗の呼びかけに答え、ここに真の姿を取り戻した。

「魔銃……解凍……!」

初めて見る魔銃の真の姿に雪菜は目を見開いている。

初めて発動したにも関わらず、僕はそれが躰の一部のように感じられた。

そして魔銃の銃口を竜巻がある場所に向ける。

魔銃の装填部が展開した。

そして原因である竜巻がある場所を左手で指を刺した。

「お前に相応しい、ソイルは決まった!」

これ以上被害を出さず、尚且つこれ以上被害を出さないために原因ごと吹き飛ばす力を持つものを呼び出す。

原因を取り除くに相応しいソイルを。

その条件に当てはまるソイルを一つ、ベルトから抜き取る。

「"大空を越える無限" スカイブルー」

取り出されるは水色のソイルが充填された弾丸。

大空を超え、その先の無限を示す色。

空を飛び、思いを馳せた者達の命の結晶。

それを指で弾くと弾丸は魔銃に吸い込まれるように装填される。

これで一つ。

更にもう一つ弾丸を取り出す。

「"大地を貫く完全" グランドブラウン」

取り出されるは黄土色のソイルが充填された弾丸。

始まりの母、そして全ての源を貫く色。

大地を走り、貫いて行った者たちの命の結晶。

それもまた魔銃に吸い込まれるように装填される。

これで2つ目。

そして最後に取り出される弾丸は…。

「そして……"次元をえぐり出すまやかし" マジックバイオレット」

宙を舞うように全てを惑わすような紫色のソイルが充填された弾丸が姿を現す。

次元すらも惑わし、そして魅せる色。

えぐり出され、そして惑わされた者たちの命の結晶。

最後の弾丸が魔銃に装填される。

3色の命の結晶、ソイルが揃った。

ドクンドクンと心臓の鼓動が早くなる。そしてドリルも唸るように回転していた。

銃は竜巻がある方向に向けられたまま。

魔力が充填され、空、大地、次元の風が螺旋を描き交わろうとしている。

召喚するは、最も小さき召喚獣。

風と共に有り、空間と共に消滅する者。

今ここに姿を現す。




その名は……………




















「出よ……!召喚獣!テュポーン!」

















||||||||||||||||||||||||||||||||||||


「私たちは、常に最善の選択をしないといけないわ。残酷に見えるかもしれないけど、これが現実」

「でも」

「これはあんまりだろうが!」

「こんなの見て納得できるわけがないじゃない!」

現地の協力者の子たちが次々に声を上げる。

どんなに凄い魔法の素質を持っていてもまだ九歳の子供。こちらの事情を納得しろというのが難しいわ。それに

(このままだと、私たちが悪者よね)

心の中で苦笑する。

そこに鳴り響く甲高い音。

「艦長!竜巻に向かって行く高魔力反応が三つ!」

「なんですって!?」

まさか彼女の応援!?こんな時に!

「こんな速さで動くなんて体が持つはずが…あれ?これ、生き物じゃない!?」

「それはどういうこと!?」

私が詳しく説明を聞こうとした時、水色、黄土色、紫色の光がジュエルシードのある竜巻にあたり、強烈な光を発した。

「い、一体何が起こったんだ!」

視界が回復して見えた映像には特撮などでよく出てくるようなUFOに似た小さな何かだった。

「あれは一体?」

そのUFOが突然光りだし、四散したと思ったら竜巻全てを取り囲む巨大な正方形の立体を作り出したと思ったらどんどん小

さくなり、小さくなっていった場所から黒い空間が生まれ、立体はどんどん小さくなっていき、消滅した。

そして黒くなった場所はすぐに元の風景へ戻っていった。

モニターに映る黒い子も何が起こったのかわからないような表情をしている。

「じゅ、ジュエルシード、完全消滅しました」

管制室のエイミィが報告してくる。

「ロストロギアを消滅させるなんて一体何が起こったというの…?」

これから書く始末書をどうしようかと本気で思い始めた。


||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

「よし、これで事態は鎮圧終了だね」

「テュポーンで消滅させたんですか?」

テュポーン。それは空間を圧縮消滅させる召喚獣。今回みたいなことにはもってこいの召喚獣だ。

「終わったことだし、帰ろっか」

僕は魔銃を待機形態に戻し、ズボンに突っ込む。

「はい」

雪菜が微笑んで一緒に笑ってくれた。

そのあとエコバックを持って自宅に帰りながら今日の晩御飯は一緒に作ろうということにきまった。 
 

 
後書き
という訳で今回出てきた召喚獣はテュポーンでした。
思いっきり原作ブレイクしてるから原作ブレイクタグ追加しなきゃ 
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