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リメイク版FF3・短編集

作者:風亜
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禁断の3兄弟?

 小人状態のまま"トーザスの抜け道"にて、突然落盤に遭い岩石に阻まれ、二手に分かれてしまった─────


「おぉ~いレフィア、アルクゥ! そっち大丈夫かぁ~?」

「あたしもアルクゥも平気よ~、そっちはぁ?」

「ルーネスにイングズ、俺も問題ないぜ~。……しっかし、どうしたもんかねこりゃ?」

 お手上げと云わんばかりに肩を竦めるデッシュだが、イングズは至って冷静。

「別ルートを探すしかないな、こちら側にも他に道はあるようだ」

「そうするしかないかぁ……。レフィアとアルクゥはそのまま進んでくれぇ~! 先に出口着いたら待っててくれよ~?」

「うん、分かった~。ルーネス達も気をつけてね~!」

「お~う、そっちもなぁ!」

 積み重なった岩やら土の塊を隔ててお互い返事をするアルクゥとルーネス。





「 ────出口まだかよぉ? いつもよりデカいモンスターから"とんずら"し過ぎて疲れてきた……っ」

「何だルーネス、俺がおぶってやるか? お前はまだ成長途中で背が低いから軽いだろうしな! ……ほれ、来い、ガバッと!!」

「い、いいよデッシュ、遠慮しとくっ。……小人のシェルコ先生が云うには、トーザスの抜け道は基本真っ直ぐ進んでりゃ出口はすぐだって話だったけど、落盤のせいで脇道逸れちゃったしなぁ。ってか、一生こっから出らんなかったりして………」

「あぁ、そしたらアレだな? 俺ら3人ずぅ~っと仲良くやってくしかないな!」

「ん? おれ達、"家族"になるって事かっ??」

「 ────下らない事を云ってないで、さっさと行くぞ」

「何でイングズはそんなに落ち着いてられるんだよっ」

「お前は日頃から落ち着きがないだけだろう」


「ううっ、デッシュ~、イングズがいじめるぅ」

「イングズくんは厳しいねぇ? もうちょいルーネスに優しくしてやってもいいんじゃないか~?」

「そうした所で、付け上がるだけだ」

「甘やかすより突き放した方が強くなるってか? そりゃお前さんの願望だろうにぃ」

「別にそうは云ってないだろう」

「え~、おれホめられて伸びるタイプだぜ? イングズに冷たくされるたび、おれコワい思いしてんだからなっ……!」

「お~よしよしルーネス、俺が慰めてやろう!」

「わっ、デッシュ! 頭わしゃわしゃすんな……?!」

「 ────付き合ってられんな」


「まぁそう云うなイングズ、ルーネスのように手の掛かる弟分ほどカワイイもんじゃあないか!」

「 ………どこがだ 」

「へっ? じゃあおれデッシュの事、兄キって呼んでいい?」

「おう、そりゃいいな! 今から俺はルーネスの兄キだ!」

「ひゃっほ~い、兄キ~♪」


「馬鹿兄弟だな、ただの」

「何だとお!? イングズは兄キにしちゃ出来過ぎなんだよっ! もう少し優しくしてくれるとか、気楽にしてくれりゃあさ……!」

「兄というのは、弟に示しがつくような行動を取るべきだ。一緒になって馬鹿をやるようでは話にならん」

「くあ~、お城の兵士やってたからって生真面目にも程がある!! それだからルーネスから事前に聞いていたお姫さんと行くとこまで行けんのだよ!?」

「ひ……、姫様の事は今関係ないだろう」

「はぁ、これだから堅物野郎は……! いいだろう、お前は姫さんと変わらぬ立場でいるがいい! 俺はルーネスと禁断の兄弟仲にでもなってやろうじゃないか……!!」

「へ? 何だよ、キンダンの……って??」

「おいデッシュ…、ルーネスを不純な方向に陥れようとするな」

「んん? 何もそんなつもりで云った覚えはないぞ! 気にしすぎじゃあないのか?」

「だよなぁ、おれ別にデッシュとキンダンの仲ってのになっても──── 」

「 却下だ 」

「へ? じゃあイングズとならいいのか??」

「 …………… 」


「なぬ?! 自分とは良くて俺とはダメってどういう了見だ!」

「デッシュに渡るくらいなら────いや、……何でもない」

「かぁ~、煮え切らん奴だ! そうこうしてる内に俺が先んじてこうしちゃうぞ!!」

「わ、ちょ、何すんだデッシュ! 放せっ」

 ルーネスは不意に背後からデッシュの両腕に抱き竦められる。

「う~ん、我が弟はかあいいな……! まだ汚れを知らないその身に、俺が────あッちゅあァ?!」

 デッシュの頭が炎上した。イングズが、単体ファイラをかましたらしくデッシュは思わずルーネスから離れる。

「全く……、目を離した隙に何をやらかすか判らんな。お前もあれくらいで動きを封じられてないで、すぐ抜け出せるくらいの力を身に付けろ」

「う~……、今みたいにイングズが助けてくれりゃいいじゃん」

「 ────私がお前から目を離すな、と?」

「そう! 見ててくれよ、ずっと。そしたらおれ、強くもなれるしさっ」

「 ………フ、仕方のない奴だ。さぁ、こんな所で道草を食っている場合じゃないぞ。アルクゥとレフィアを待たせているかもしれない……行こう、ルーネス」

「 おう、イングズ! 」



「 ────あれ、デッシュ様、放置??」





END 
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