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改正版 後悔先に立たず、後に立つべし

作者:天竜光魔
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33話

 小型機でハガネよりコクチョウに戻ったのですが、やはり、オノデラ大尉がコクチョウに乗り指揮を執る事にリョウ、ユキヤ、アヤノは猛反対しました。
 この3人も含めて、彼らのグループの比較的年長者はどうも内と外に柵を設けているようで他者がその柵を越えようとすることに過敏に反応します。
 そのために、私達も知り合った当初はひどく警戒されたものです。
 今ではある程度打ち解けたように感じますが、それでも壁を感じる時があります。
 そんな彼らに全くの部外者で軍隊に所属しているテツヤ・オノデラは自分たちを監視するためにだけに来た者にしか取れなかったのかもしれません。
 それだけアンダーグラウンドでの生活は酷いものだったのでしょう。
 その場では何とか収めましたが、これからはオノデラ大尉の力に掛かっているのでしょう。
 それに対して、私達は概ね特に反対もなく受け入れることが出来ました。
 自己紹介をリョウ、ユキヤ、アヤノ以外とは行った後にジェイルはウプウアウトの戦闘データの解析に向かいました。
 こちらに戻ったのが、既に日が沈んだ後だったのでこの戦艦の機能は明日に説明しようと思ったのですが、根が真面目なのか直ぐに戦艦のスペックの把握に努めていました。
 その際に、この戦艦のブリッジに案内したのですが、ブリッジで驚いていました。

「な、なんでこんなところに脳みそがあるんだ?」
「よく見ようよ。それって、色が全然違うでしょう。」
「確かに、銀色だ。」
「ロイドさん、誰だって見間違いますよ。すいません、オノデラ大尉。」
「いや、よく確認しなかった私が悪かったんだ。すまない、ロイドさん。」
「君って真面目だねぇ。ここでは苦労するだろうね。ざ~んねんでした。」
「それはどういうことですか。」
「簡単だよ。ここには、常識人はいないんだよ。」
「そうでしょうか?戒君とジェイルさんとは話をしましたが、かなり常識的な対応をしていましたが?」
「間違いなく、ジェイルは擬態したんだろうね。そうじゃないとこれをこのままでここに設置しようと思わないよ。」

 そう言って、ロイドはシナプスを指さします。

「それで、この人工の脳の様なものは何なんだ。」
「ジェイルさんの作品で統率型シナプスといいます。」
「実際の使用方法は違いますが、このコクチョウの制御はこのシナプスによって行われています。」

 その言葉の後に、シナプスが設置されている前に置いてある画面に挨拶の言葉が出てきます。
 
「これは、この人工知能からの挨拶なのか。」
「そのとうりですよ。このシナプスとは製造されてから付き合いですが、色々な知識を学習して成長していっています。正直言って、このコクチョウにとってなくてはならない存在ですね。」
「しかし、複雑な戦艦の制御を行うとはかなり高性能な人工知能AIなのだな。」
「そうですね、ジェイルも同じ物を作れと言われても難しいと言っていましたから。」
「なるほど、もしも量産が可能なら軍にも分けて貰いたいと思ったのだが。しかし、通信したら画面に映りそうな位置だな。」
「ジェイルは自分の作品に誇りを持っています。そして、そんな中でもシナプスは傑作の1つです。とても大事にしています。そのために、見えない様に覆ってしまうなどは考えたくもないそうですよ。」
「それは、何とも言えないな。」
「あとそれとねぇ~。カイは自分と周りとの違いを正しく認識しているから自分に対しての常識と周りに対する常識を使いわっけてるんだけど、最近は慣れちゃってね。自分に対する常識を出す事が多くなってきたんだよ。まぁ、外ではやらないように気を付けてるみたいだけど。」

 そう言って、ロイドは私の方を見てきます。

「そうですね、確かにそういう傾向はありますね。はっきり言ってここは問題児ばかりですよ。」
「そ、そうか、それよりもコクチョウのスペックを確認したい。資料は無いだろうか。」

 オノデラ大尉が言われたので、セシルさんが大量の資料を持って来ます。

「このコクチョウはセシルさんがメインに製造されましたが、ジェイルとロイドも持てる技術を結集して造られています。そのために、全体全てを把握しているのはシナプスだけです。資料だけでわからないところはシナプスに聞いてください。」

 そして、資料を見たオノデラ大尉は呆然としていました。

「こんなにあるのか?ハガネよりも多いぞ。」
「コクチョウは試作で建造された戦艦であり、3人が試したいものをこれでもかと詰め込みました。そのために、ハガネより小型ですがハガネの様に完成していない分まとめ切れていないいんですよ。」
「なるほど、すまないがここで一晩過ごす事になるだろう。部屋の案内などは明日にしてもらえないか。」
「それは、構いませんが一晩で終わりますか?」
「終わらせてみせる!この船を預かった以上、どうしても必要な事だ。」
「わかりました。夕食もこちらにお持ちしましょう。食事を用意してきます。」
「あ、それなら、私が用意してきます。新作のおにぎりを考えたの。とてもおいしかったから是非にごちそうしたいわ。」
「い、いえ、セシルさんはオノデラ大尉に着いていてあげてください。セシルさんがシナプスを除けば一番コクチョウの事を理解しているのですから。」

 そう言って、ロイドを伴ってブリッジより離れます。

「どうして止めたんだい。セシル君の料理の洗礼はこの船に乗っている以上、いつかは受ける事なのに早い方がいいんじゃない。」
「来て早々にあれを食べて貰うのは避けたかったんですよ。明日は止めません。」
「なるほど、明日はざ~んねんでしただね。」
「気の毒ですが、そうなります。」
「じゃあ、僕はいろいろ仕事があるから行くとする。」
「ええ、頑張ってください。」

 そう言って、私から離れて格納庫に向かおうするロイドに聞くか、聞くまいか迷っていた事を聞く事にします。

「ロイド、後悔していませんか。私の誘いに乗った事に。」

 その言葉にロイドは振り返り答えます。

「なんでそんな事を聞くんだい、君は。」
「なんとなくですよ。」
「なるほど、君は僕を誘った事に後ろめたいものを持っているという事か、でもね、そんなの持つ必要ないよ。今すっごく、充実してるから。だから、君は直ぐに何もかも責任を感じる癖をなおすべきだね。僕に対しても他の者に対しても失礼だから。だから、そのざ~んねんなところ直さないとね。」
「そうですね。」

 そう言って、背を向けて歩き出しました。
 私も料理を作りに食堂に行き、簡単な物を作ってブリッジに戻ると頭を抱えているオノデラ大尉いました。
 覗いた限り、資料はまだ初めの方なのですが、その時点でいろいろ問題になる技術が使われている事に気が付いたのでしょう。
 その様子にセシルさんは苦笑していました。
 私はオノデラ大尉に声を掛けて、料理を置くとその場から離れました。
 よくよく考えたら動力から軍人にとって喧嘩を売っているようなものなのですから。
 その辺を後でカザハラ所長と話し合わないといけません。
 そんな事を考えながらジェイルの元に向かったのですが、不意にとんでもなく嫌なイメージが思い浮かびます。
 具体的には朝まで永遠とジェイルの話を聞くというモノです。
 専門的な用語が飛び出し、わけのわからない言葉を聞きながら朝までずっと過ごすのは流石に嫌だったのでそのイメージに従い危険を避けるために自室に戻る事にしました。
 出来れば、ウプウアウトのあの発光現象について聞きたかったのですが止めました。
 先ほどのイメージはあり得る事だったので。

 朝になり自室よりブリッジに行ったのですが、そこにはすべての資料を読み終えたのか、資料がきれいに整理されて置かれており、その横で椅子に座り休んでいるオノデラ大尉がいました。
 食器は既にないのでセシルさんが片付けたのでしょうが、見慣れぬ皿が1つありました。
 取り敢えず、オノデラ大尉を起こす事にしました。

「オノデラ大尉、朝ですよ。」

 そう言って、肩をゆすると目を開いて起きられました。

「ああ、もう朝か。」
「おはようございます。」
「おはよう。この船のスッペクから特殊な操作法まですべて読ませて貰った。それで聞きたい。エンジンについては本当にあのエンジンなのか。」
「ええ、事実ですよ。ブラックホール・エンジンとT・Eエンジンを両方使用しています。」
「そうか。この資料を読ませて貰って、頭を抱える羽目になったぞ。」
「確かにそうですね。」
「このことはすまないが、ダイテツ艦長に報告させてもらう。」
「あなたの立場なら仕方ありませんよ。それよりも、そのお皿は何ですか。」
「それは、セシルさんが夜食に持って来てくれたのだが・・・・。」
「そうですか、彼女は独特な味覚をしていますから。」
「それですまないと思うが、甘かったな、おにぎりが。当分食べたくないな。」
「朝食作りましょうか?」
「頼む。」

 そう言って、食堂に案内して朝食を準備します。
 出来上がり、持っていくとオノデラ大尉は昨晩の夜食の味を忘れる為か味わって食べてます。

「しかし、なかなかうまいな。君の作るモノは。」
「そうでしょうか、私にとっては外食とほとんど変わらないものなのですが。」
「そんな事ないと思うぞ。昨晩の夕食もなんとなく家庭の味を感じた。」
「それこそあり得ませんよ!私は家庭味などだせるわけがない!」

 そう言い放つとオノデラ大尉は罰の悪そうな顔になります。

「すまない、何か悪い事を言ってしまったようだ。」
「こちらこそ、すいません。感傷でしかないんですよ。あなたに当たる事ではなかった。」
「いろいろ訳があるわけだ。」
「そうですね、いろいろありますから生きていると。」
「そうだな。」
「あとそれと、リョウ、ユキヤ、アヤノの事はすいませんでした。多分これからも迷惑を掛けると思いますが、許してやってください。」
「理由を聞いてもいいか。」

 一瞬どうしようか考えましたが、ぼかして話す事にしました。

「あの3人はアンダーグラウンドで生きてきたんですよ。私が彼らに出会うまでは。」
「なるほど、あの年齢で起動兵器に乗ってるだけに訳ありだとは思っていたが・・・・。」
「どこにもある不幸で家族を失い、そんな場所で生きてきたためか、外部から入ろうとするものに過剰に反応します。特に政府などに所属しているものには。」
「そうか、俺は軍人だからな。という事は彼らからすべてのモノを奪ったのは政府という事か。」
「そこらへんの詳しい事情は話せませんが、あなたのご想像に任せます。」

 そう言って、沈黙が訪れます。

「ブリッジに戻りましょうか。」
「そうだな。」

 そして、食器を片付けてブリッジに戻ると全員が揃っています。
 リョウ、ユキヤ、アヤノは少し疲れているようですが、オノデラ大尉を睨み付ける様に見ていますが、他のジェイル以外はぐったりとしています。
 そして、肝心のジェイルなのですが、無駄にテンションが高いようでした。
 それに、不気味なモノを感じましたが、聞かなければならない事が有るので聞く事にします。

「ジェイル、ウプウアウトの発光現象は結局なんなんだったですか?」

 全員がなんてことを聞くんだという顔をしてきたのが、酷く印象的でした。

「ほとんどわからなかったよ。」
「あなたでもわからなかったんですか。」
「あの時のウプウアウトは性能自体が設定されていたものより上昇していたんだよ。その中でも、エネルギー量が異常に高くてね。フルドライブしていない状態だったにもかかわらずにフルドライブ時の2倍だ。」
「それは、どういうことですか。」
「原因はわかっているんだ。ゾル・オリハルコニウム自体からエネルギーが放出されたんだ。」
「Z・Oオーラではないんですか?」
「違うな、エネルギーの性質が違うからね。」
「じゃあ、一体・・・・。」
「ゾル・オリハルコニウムに使われている結晶核の特性だろうね。そこが全くわからないんだよ。どのような特性があるのかがね。」

 本来、わからない事があれば、悔しそうな顔をするはずなんでしょうが、喜々として答えるジェイルを不思議に思っていると突然叫び始めます。

「はははははははは!すばらしい!世界は解らない事であふれている!私の知識欲を満たしてくれたまえ!さあ、これからテストだ!直ぐにウプウアウトを発進させてデータを取るぞ!」
「ちょっと待て、今はそんな事は許可できんぞ。落ち着け。」

 そう言って、オノデラ大尉が後ろから羽交い絞めにしようとするが、そのまま引きずって来ます。
 どうして、彼はこうなのでしょうか。
 諦めて、後が怖いのですが首筋に一撃を加えようとして、ハガネより通信が入ります。

「こちら、ハガネ。コクチョウ、通信お願いします。」
「こちらコクチョウです。どうされましたか。」
「マサキ君がサイバスターでそちらに向かいました。」
「はい。」

 その言葉を聞いて、外を見るとサイバスターがコクチョウに並走して飛んでいます。

「リオ君、私が話そう。マサキ君が君に話があると言って飛び出していった。話をしてやってくれ。」
「なんだと。」

 そう言って、オノデラ大尉は頭を抱えます。

「これから、艦長と話をしないといけないのだが。」
「私が対応しますからダイテツ艦長と話をしてください。」

 そんな中、ジェイルとロイドは瞳をキラキラしてサイバスターを見ています。
 研究意欲が湧いてきたようです。
 
(なんなんですか、まったく。)

 胃がなんとなく痛くなってきました。 
 

 
後書き
名前:天王寺 戒
LV:14
PP:100
格闘:182
射撃:151
技量:156
防御:182
回避:195
命中:197
SP:132
性格:冷静(超強気)
エースボーナス:???
成長タイプ:格闘・特殊
空:A
陸:A
海:B
宇:A
精神:偵察1~  
   幸運
   直感
   ??
   ??
   ??
スキル:※エヴォリュダー(勇者LV9&底力LV9&戦意高揚)
    ※サイコドライバーLV3(念動力LV10&SP回復&予知)
    ※完全記憶能力
     精神耐性
     ???
     ???
GP:156800
秘密基地(197/201)
撃墜数:14
 
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