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魔法科高校の有能な劣等生

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シャドウダウト

 
前書き
前回の続きです。
 

 
影の使う魔法シャドウダウト
魔法名は影が考えたオリジナル魔法だがこれを魔法と言える人は魔法を使えない者だと俺は考えている。
異質な力、不可解な魔法、それが影の唯一使える魔法で存在している理由
無月家の人間で有りながら重力変化、相殺魔法を使う事が出来なかった影は孤独だった。
そこは俺と少し似ている。
いや、似ていたと言った方が正しいのかも知れない。

「さて自己紹介も程々にして影は少し黙ろうか?」

初めて知らない人に会うと自己紹介が長くなる時があるが影は異常な程、自己紹介が長い。
このまま誰かが止めなければ多分、後、数時間はガミガミガミガミと喋り込むだろうな。


「お、すまんすまん。
又しても自己紹介に時間を掛けてしまったスマン」

「いえ、私的にはここまで自分の事を言えるなんて凄いです尊敬します」

いや一条 風華よ奴はどうでもいい話を永遠とするだけだから尊敬する必要性は無いから安心しろ!
言葉として言いたかったが心の中で呟いた。
目の前に本人がいるのに言うのも少し可哀想だしな。

「それで先程の魔法は影さんの魔法、ですよね?」

「そだよ。
俺の得意魔法シャドウダウト、影を操る魔法さ」

影を操ると影は言ったが実際は影自身も詳しくは解っていない。
ただ小さい時から使えたとしか言いようがないのだ。

「影を操る魔法?
そんな魔法は聞いた事がありませんけど?」

流石の一条家の娘でも影の魔法シャドウダウトは知らなかったようだ。
と言っても知らなくて当然、当たり前なのだが。

「影しか使えないオリジナル魔法シャドウダウト
人間、体の構造は大体同じだけど微妙に何処かが違う。
それと同じ考えで影の使う魔法は影でしか使えない扱えない特殊魔法なんだ」

影の場合は通常の魔法が使えない。
加速、減速、硬化、光と言った所の一般的魔法師が使う魔法が使えないのだ。
魔法が使えるのに一般的、普通の魔法が使えず逆に珍しく希少な魔法しか扱えない。

「影を操るとは具体的にはどう言ったものなんですか?」

「うーん。
それは教えるとしたら結構、難しんだよな」

影は軽く悩み始める。
どうやったら魔法シャドウダウトを説明出来るかを

「一度、詳しく見せたらどうだ影?」

「お、それナイス提案!!」

どうやら実際に見せて説明する事は頭に無かったようだ。
だが俺の提案に影はすんなりと了承し魔法発動の準備に掛かる。

「では、始めます。
私、無月 影の得意魔法シャドウダウトを!」

影から黒いサイオンが溢れ出した。
無月家の人間特有の現象、サイオンザードだ。
影は特別な魔法シャドウダウトしか使えないがそれでも無月家の人間
魔法を使う時は無月家特有の現象を起こし魔法を発動させる。

「あ、」

一条が驚きの声がこぼれ落ちた。
初めて見る無月家特有の現象を見て驚いているのだろう。
通常の魔法師は魔法発動に余ったサイオンは身体から微量に放出され消えるが無月家は違う。
そのサイオンの光を纏うのだ。

「く、黒いサイオンの光?」

黒いサイオン、それも無月家特有の能力だ。
無月家の人間が魔法を使うと身体から黒いサイオンが放出され身体を覆う。
理由、原理は不明だが無月家の魔法発動には欠かせないとジジは言っていた。

「行くよ風華ちゃん!
魔法シャドウダウトを!!」

影の足元に魔法式が構築され魔法が発動した。
すると突然、影の足元が魔法式が形を変換させ黒い光を放ち輝く。
その光は黒い筈なのに黒光りしてとても綺麗で優しい色、俺はそんな色が好きだ。

「へ、変化がありませんけど?」

一条は冷静に影を見て話し掛ける。
だが一条は気付いていない。
もう、影の魔法シャドウダウトは発動されている事を

「ま、見ててよ」

影の手からサイオンの光が放たれる。
その光は少し離れていた木の下に当たり魔法式が描かれた。
そして影、オリジナル魔法シャドウダウトが効力を発揮する。

「ふ、う、か、ちゃん!」

「きゃ!?」

妙に可愛らしい女の子特有の声を出し一条は体を振るわした。

「これが俺の魔法シャドウダウトだ」

一条は恐る恐る後ろを振り返り自分を触って来た何かを確認する。
が、それはちゃんと影の魔法シャドウダウトを教えてからの方が良かったのかも知れない。

「う、腕が!?」

近くに合った木の影から人間の腕が生えていた。
そして一条は前に行き良い良く振り返るが。

「か、影さんのう、腕が無い!?」

今度は影の腕が無い事に気付く一条
そして1人の少女、一条 風華の視界は綺麗に切れた。


 
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