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生物語

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四話

 
前書き
前回の続きです 

 
「ガジ、ガジ、バキバキ」

それが俺の目の前で不自然に起きている光景の音だった。
俺の目の前ではカロリーメイトフルーツ味は空中に漂っており奇妙な動きをしながら形状が変化していく。

「これは美味いぜ相棒」

そう言ってカロリーメイトフルーツ味は更に形を変えながら喰らい続ける。

「そうかならもう少しゆっくり食え」

此処は学校の裏側に有る墓場
学校の隣に墓場が有ると言うのは中々、シュールな状況なのだがこれはこれで面白いので俺は気に入っている。

「この歯応えとこの感触、悪くねぇ」

カロリーメイトは俺的には一つ一つゆっくりとちまちま食べて行くスタイルなのだが猫の場合
ガッツリと後先、考えず食らっている。
ま、猫がそれで満足しているのなら俺は何も言えないけどな。

「余計な物まで食ってるけどな」

目の前の猫、と言っても姿は見えないのでどんな食べ方をしているのかは把握出来ないがこれだけは言える。
ちゃんと箱から取り出して袋から取り出してゆっくりと焦らず食べような。
猫はカロリーメイトの箱ごと食らっているのは明らかだが一体全体どうやってカロリーメイトを食べているのやら
そのまま口でボリボリ食っているのか或いは実はカロリーメイトはもう猫の胃袋に入っていてそれが透けて俺には見えているのだうか?
疑問は様々だが見ているだけで面白いとても新鮮な光景で俺はそれを見て知らず知らず笑っていた。

「そんなに猫にとってはカロリーメイトは美味いのか?」

「初めて食ったが半端じゃねぇよ。
この食感、歯応え、匂いと言い俺の舌にマッチしやがる!」

まるでトリコみたいな感想だな。

「ま、好みなら良かった。
なんならもう一個食うか?」

「え、いいのか相棒!?」

それは驚きの言葉だった。
俺はそんなに変な事を言ったかなと一瞬、考えるが特に思いつかないので思考を閉じた。

「そりゃあ、そんなに美味そうに食ってるからな相当、腹が減ってたんだろ?
ならもう少し食わせても良いかなと」

「サンキュー相棒!」

ドシンと俺の身体に何かもたれ掛かった。
猫は俺の身体、魂と直結しているので実際の所、存在は存在しない。
俺と言う存在が存在する限り、猫も存在する事が出来、猫がいるから俺、真実 子風も存在している。
言うなら運命共同、魂のソールメイト
言いようは幾らでも存在するが説明するとなると難しくなのるでこの位、中途半端な方が分かり易いだろう。

「なら早くカロリーメイトを喰って行くぞ」

此処から学校までの距離は大した事はない。
徒歩で約、3分と掛からない便利なスポットだ。
俺みたいな厄介な猫を身体、魂に宿した人間には打って付けのエリアなのだ。

「オウ、早く行こうぜ相棒!」

「ハイハイ」

ゆっくりと何時もと何ら変わらぬスピードで俺は前に進む。
が、それは急に止まった。

「ん?」

異変が起きた。
何かが変わった何かを感じた何かがこの空間を満たした。

「猫、これって」

「ああ、怪異だな。
それも超特大の大物、こりゃあレアだぜ相棒」

感じる猫の言う通りデカイ何かがこの空間に現れこの一体を何かで覆わせる。

「ヤバイのか?」

「今の相棒ならヤバイかもな」

それを聞いて俺は安心した。
猫の言った言葉、今の俺ならヤバイと
それは今の俺の状態なら勝ち目がないが少し俺が変わればヤバイから楽勝に変わるのだ。
だが、

「逃げるぞ猫!!」

俺は走った。
猫に逃げるぞと言ったが猫と俺は魂が直結されているので俺が動くと猫も自動的に俺に付いて来る。

「相棒、俺は今の状態ならって言ったんだぜ?」

「そんな事は解ってるよ!」

俺は走ったジャンプした飛び降りた。
そこら辺に有る墓を足場に使ったり墓に使われていた線香や木の棒みたいのも踏み壊しぶち壊し前に進んだ。
恐らく急に現れた怪異は俺を狙っている。
それは先程からの足音で解る。
ドシン、バキ、ドシンドシンと重々しい中にかが俺に向かって走って来る。

「なんで逃げんだよ相棒、少し俺に力を分けてくれたら多分
あんな怪異、余裕だぜ?」

「それが困るって言ってんだよ猫!!」

猫、俺は猫と呼んでいる怪異は実際は猫ではない。
実際は口では表せない程のこの世界には存在しない様な形をした生物のような怪異なのだ。
その力は少し動いただけでこの辺り一面を壊しかねない。
此処が何もない更地なら問答無用で猫に力を分け与えこの状況を打開するが此処は墓場
そんな所で猫の力を使えば墓場は荒地に成り変わり一大事となる。
それだけは絶対避けたい。俺はそう思いながら走った墓を足場にしながら。

「あの怪異は人の残りカスだな」

「残りカス?」

俺は息が切れながらも気になる猫の子供に対して反応する。

「あれは人間の負のエネルギーを掻き集めた残りカスだ。
成程、これ程の大きさなら理解出来る」

「解説ありがとう!!
でもこの状況を打開出来る方法をくれたら俺は嬉しいな!!」

息が切れても足が縺れても俺は走りながら猫に問い掛けた。
が、猫の答えは変わらなかった。

「だから俺を使えよ相棒
俺を使ったら一瞬でアイツを黙らせる事が出来るのによ」

「だ・か・ら!!
それは駄目だって言ってんだろ耳あんのか!?」

「耳はあるぜ。
ただ相棒も生易しい奴だな」

「生易しい!?
俺がまるで腐った魚みたいな言い方だな!」

疲れがピークにまで来ているが俺は猫と話す。
普通、この状況なら走って猫の力が使える安全圏まで行って力を分け与えれば問題ないが奴、怪異にも何か理由が有るかも知れない。
そう考えるだけで俺の心は逃げに徹し足も逃げに徹している。

「相棒、まさか相棒は奴に何か事情が有ると思って攻撃しねぇのか?」

「そうだよ怪異だって一応、生きてんだ。
なら此処は逃げて逃げて逃げまくって最終的に逃げきればそれで終わりだ!」

「相変わらず甘いな相棒は」

「そりゃなだって俺は甘党だからな!!」

自分でも何を言っているか途中理解出来なかった。
が、その言葉は俺にとっては何か安らぎに感じられ少し安心出来たを

「相棒、一ついい事を教えてやるよ。
カロリーメイトのお礼だ」

「なんだよ疲れてんだ早く言えよ。
手短に完結にわかり易く丁寧にな!」

「奴は人間の負のエネルギーで動いてると俺が言ったのを覚えてるか?」

「さっき言ってたから覚えてるよ!」

ドシンドシンドシンドシンドシンドシン、更に音は近づいて来る。
姿は猫と同じで透けていてよく見えないが多分、姿は多分、犬?

「人間の負のエネルギーが此処に集まるのは当然と言っていい事は理解出来るよな相棒?」

「理解、出来る訳、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、」

俺は猫との会話を辞め少し頭をフル稼働させた。
そもそも走りながら会話をする事自体、体力の消耗が激しいが俺はその事もそれ以前の事も忘れ考えたを

「此処が墓場だから?」

それは俺の頭をフル稼働させ不意に口に出た言葉だった。

「流石が相棒、その通り百点満点だ」

「とどのつまり此処か墓場だから負のエネルギーが集まるってのか?」

人間が死に行き着く場所は墓場
魂は天に帰り身体は骨となり朽ちるが

「偶にいるんだよ人間で死にきれねぇ奴がよ」

俺はそこで完全にいや、完璧に理解した。
俺達を追ってきている怪異は人間の負のエネルギーを具現化した怪異
人間は安らかに死ぬタイプと苦しみながら死にたくないが死んでしまったタイプが存在する。
安らかに死ぬタイプは安らかに文字通りに安らかに天に帰り新たに転生のチャンスを与えられる。
が偶にはいるタイプ、苦しみながら死にたくないが死んでしまったタイプは違う。
天に帰る事が出来ずこの世界で苦しみながら存在を固定している。
それが集まって出来た怪異が俺達を襲っている怪異の正体

「相棒、このままだとふんじゃり貧だ。
そろそろ俺を使え、そうすればこの状況を打開出来る」

「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、」


 
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