『自分:第1章』
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『父さんとの思い出』
姉が麻疹の時、父さんと2人になった事があった。
起きると父さんが居て、嬉しくて緊張して何を食べたか覚えていない。
一生に一度の父さんの手料理だったのに...
食べた後、雨の中、傘をさして、手を繋いで、歌をうたい、平尾小学校に向かう途中にある駄菓子屋さんに行った。
初めてのラスクを買って貰った。
凄く泣いた。
悲しくはない。
嬉し過ぎて。
父さんとの外出。
父さんと歩く。
父さんと歌う。
父さんと一緒にいることが嬉し過ぎて。
でも、雨の日は、その思い出が悲しくなり過呼吸になる。
嬉しかった思い出が悲しい思い出になったのは何故か...不明。
後、平尾公園に家出した時、同級生と遊んでた。
皆、帰って行く中で独り残っていたら何故か父さんが居て...
なだめられ、素直に謝って家に帰った。
父さんは家に入らず。
父さんとの思い出、記憶があまりにも無さ過ぎる。
尚更、逢いたい気持ちも増し、執着もする。
優しくて逞しい父さんが大好きだった。
声しか聞くことが出来んかった、布団の中から...
父さんと接することを許されてなかった。
そんな生活の中で、貴重で、僅かな...温かい思い出。
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