オズのモジャボロ
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第十一幕その十七
「柿に」
「ええ、そうだけれど」
「ううん、確かに美味しいけれど」
それでもだと言う恵梨香でした。
「そこまで美味しいとはね」
「それは恵梨香ちゃんがいつも食べてるからじゃないかしら」
「だからかしら」
「いつも食べてるとわからないものよ」
幾ら美味しいものでもだというのです。
「だからね」
「私はそうなのね」
「そう、いつも柿を食べてるからね」
「そうなのね」
「恵梨香ちゃんいつも柿食べてるでしょ」
「秋にはね」
柿の季節、あさにその時はとです。恵梨香も答えます。
「毎日みたいに食べてるわ」
「そうよね」
「そう、だからなのよ」
そうだというのです。
「恵梨香ちゃんは実感がないのよ」
「柿の美味しさに」
「そういうものなのよ」
「そうなのね」
「ああ、それじゃあね」
モジャボロは恵梨香とナターシャのお話を聞いてそれならと言うのでした。
「エメラルドの都でのパーティーでも出そうか」
「柿をですね」
「それをですね」
「そう、デザートに出そう」
こう提案するのでした。
「折角だからね」
「じゃあ楽しみにしておきます」
「柿も」
「食べるものは種類も多い方がいいからね」
だからだというのです。
「是非ね」
「勿論林檎もよね」
ここでこう言ってきたのはドロシーでした。
「モジャボロさんの大好物の」
「うん、あれは外せないね」
モジャボロにしてもでした、このことは。
「やっぱり」
「そうよね、じゃあね」
「林檎もね」
「アップルパイも出して」
林檎から作ったお菓子もだというのです。
「食べましょう」
「そうそう、あとは林檎のお酒もね」
それもだというのです。
「飲もう」
「私達は林檎のジュースね」
「他のジュースも用意してね」
「楽しもうね」
飲むこともだというのです。
「是非共ね」
「そうしましょう、皆で楽しみましょう」
「さて、お昼を食べたら」
「明日はまただね」
かかしと木樵は確かに食べても飲んでもいません、しかしです。
二人はジャックと共に笑顔でいます、そうして言うのでした。
「エメラルドの都に向かって歩こう」
「楽しい旅を続けよう」
「あと少しだよ」
ジャックも楽しげに言ってきました。
「あと少しでエメラルドの都だよ」
「今回の旅も楽しかったね」
「そうだったね」
ジョージと神宝はジャックのその言葉に笑顔で応えました。
「楽しい場所に行って楽しい人に会えて」
「凄く楽しかったよ」
「その旅ももう少しで終わるかって思うと」
「残念かな」
「いやいや、まだ楽しいことがあるよ」
トトがここでこう言うのでした。
「パーティーがね」
「あっ、そうだね」
「まだあったね」
「そうだよ、それにまたオズの国に来ればね」
その時はというのです。
「楽しい旅が出来るよ」
「じゃあまたね」
ここで、でした。カルロスも言うのでした。
「オズの国に来て」
「うん、一緒に楽しい旅をしようね」
「そうしようね」
こうしたことをお話してでした、皆でなのでした。
皆はこの日の食事も楽しみました。そうしてでした。
次の日も歩きました、そしてでした。
黄色の草原がぱっと緑に変わりました、モジャボロは緑の世界に入ったところでとても明るい笑顔になりました。
「入ったよ」
「エメラルドの都ですね」
「戻ってきましたね」
「そう、だからね」
それでだというのです。
「あと少しよ」
「少しですね」
「エメラルドの都にですね」
「そう、行こう」
パーティーが開かれるそこにというのです。
「オズマが待ってるわよ」
「はい、それじゃあ」
「今から」
こうしたことをお話してでした、そうして。
遠くにエメラルドの都が見えてきました、いよいよオズマが開くパーティーに皆で行くのでした。
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