竜と龍を司る男が異空間から来るそうですよ?
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YES!ウサギが呼びました!
前書き
説明回です
現在、異世界からやってきた四人組は談笑していた
リュウガはここに来るまでの経緯を、神様関連を除いて話している
「へぇ~。何もない空間で数十年...ねえ」
「すんごい寂しかったんだぞ」
「ヤハハハ!それはそれは何とも貴重な経験だな!!」
「できればこのような事態は今後とも避けたい.....!!」
(やっぱり出ずらいのですヨ!!)
(もう少しパニックとか起こしてくれれば出やすかったのに!!...黒ウサギ...!!一生の不覚です..!!)
黒ウサギと名乗るウサ耳の生えた女性は心の中でひたすら叫ぶ
彼女は黒ウサギ、何を隠そうここにいる四人を異世界から呼び出した張本人である
「──ところで、いい加減説明役とかでてこないかね」
リュウガが突然切り出し、黒ウサギは胃袋がキュッとしまる
「あら、気づいてたの」
飛鳥が続ける
「え?気づいてないとでも?」
「...風上にたたれたら嫌でもわかる」
「へぇ、面白いな、お前」
「そういう十六夜も気づいていたんだろ」
「ヤハハハ、まあな」
四人は冷たい視線を草影に集中する
(ば、バレてましたかぁぁ!!って、今黒ウサギひょっとして凄くまずい状態なのでは?)
黒ウサギはあたふたし、覚悟を決め
「や、やだなあ御四人様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでごさいますヨ?」
「断る」
「却下」
「お断りします」
「諦めろ」
「あっは、取りつくシマもないですね♪」
両手を上げ降参のポーズをとる黒ウサギ。しかし、しっかりとその眼は四人をきっちりと値踏みしている
(肝っ玉は及第点。この状況でNOといえる勝ち気は買いです。まあ、扱いにくいのが難点です──)
黒ウサギの思考はリュウガの行動により中断される
「ふえぁっ!?」
リュウガは黒ウサギのウサ耳をしっかりとにぎっている
その表情は真剣そのものだ
「...」
「あの~、何故貴方様は黒ウサギのウサ耳を握っているのでしょうか?」
リュウガは一呼吸置き
「獣耳キタァァァァァァァァァァ!!!!!!!しかもウサ耳じゃねえかァ!!!」
「きゃっ!!」
リュウガの叫びにあてられた黒ウサギは小さく悲鳴をあげる。最も、叫んだ本人は興奮のあまり気づいていないが、てか変われやコラ、羨まし...(自重
「あの~あ何故貴女まで黒ウサギの耳を...」
なぜか耀までもが黒ウサギのウサ耳を握っている
「...好奇心の為せる技」
「好奇心で黒ウサギのいたいけな耳を 引っ張らないで欲しいです!!それとそちらの殿方もいい加減離してください!!」
「断固として断るっ!!!」
「少しは話を聞いて欲しいのですよ!!」
「なあお嬢様...」
「...何かしら?十六夜君」
「俺達空気みたいだが、どうする?」
十六夜は口元は笑みを浮かべているが、目は笑っておらず、所々に青筋が浮かんでいる
「...好きにしたらいいんじゃないかしら?」
飛鳥は、十六夜の様子に少し引いた様子で我関せずのスタイルを決めた
「ヤハハハ!!お前ら!俺も混ぜろやコラアアアア!!!!」
十六夜はリュウガの懐に一瞬で潜り込み
「──ラアッ!!」
「げふあ!!!」
膝げりを放った。当然、リュウガは慣性に従い五メートル後方へ飛ばされ、ゴロゴロと転んで辛うじて受け身をとる。いきなり膝蹴りを放たれたリュウガは肺から空気を余すことなく吐き出す
「─ケホッ!ケホッ!てめぇ十六夜!!いきなり何すんだ!常人なら肋骨の三本は逝くぞこのやろう!!」
「ウサ耳を占領したお前が悪いッ!!」
十六夜はリュウガに指をさして断言する
普通ならこの理不尽に怒るところだが、相手は
「っ!!すまねえ!!俺は!俺は...!!全人類の共有財産である獣耳の美少女を一人でっ!!」
リュウガだから大丈夫。この短時間で変な信頼関係が十六夜とリュウガには結ばれている
「...顔を上げろ、リュウガ。それだけわかってるならもう大丈夫だろ?」
「ああ、いつまでもしみったれてちゃぁ駄目だよなぁ...。取り敢えず」
ジロリと黒ウサギに十六夜とリュウガが目を向ける。ちなみに、このやり取りの間、黒ウサギはツッコムにツッコめないもどかしさに震えていた。一方耀は黒ウサギの心境など関係なしにひたすらウサ耳を弄んでいた
「「ウサ耳を堪能しねえとな!!」」
「いい加減にしてください!この問題児様方ッ!!!」
伝家の宝刀、ハリセンを二人の問題児に振るう。ハリセン特有の渇いた音が響く
飛鳥は話に入れず終始気にくわない様子であった
~閑話休題~
「──あ、あり得ない。あり得ないのですよ。まさか話を聞いてもらうあめに小一時間も消費してしまうとは。学級崩壊とはきっとこのような状況を言うに違いないのデス」
「「いいからさっさと進めろ」」
「誰のせいだと思っているんですか!!」
結局、一人10分の制限時間ウサ耳を好きにする(黒ウサギの合意はとらず)という条件の元、各々黒ウサギのウサ耳を楽しんだ。ちなみにリュウガはなぜかウサ耳をスケッチしていた。本人曰く『やはり、獣耳との触れあい方は丁重にしませんと。え?先程のやり取りはどうしたかって?ハハッ、なんのことでしょうか」となんとも白々しいことをいっていた
「それではいいですか、御四人様。定例文で言いますよ?言いますよ?さ「早く言え」、はい」
リュウガに台詞を阻まれ、若干涙目の黒ウサギだが、コホンとわざとらしく咳払いをし、気を取り直して
「ようこそ、"箱庭の世界"へ!我々は御四人様にギフトを与えられた者達だけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼンさせていただこうかと召還いたしました!」
「ギフトゲーム?」
「そうです!既に気づいていらっしゃるでしょうが、御四人様は普通の人間ではございません!その特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵でございます。『ギフトゲーム』はその"恩恵 "を用いて競いあう為のゲーム。そしてこの箱庭の世界は強大な力を持つギフト保持者がオモシロオカシク生活できる為に造られたステージなのでございますよ!」
気になったことがあったのか飛鳥が口を挟む
「まず初歩的な質問からしていい?貴女の言う"我々"とは貴女を含めた誰かなの?」
「YES!異世界から呼び出されたギフト保持者は箱庭で生活するにあたって、数多とある"コミュニティ"に属していただきます♪」
「嫌だね(断る)」
十六夜とリュウガがふざけ半分真面目半分で返す
「属していただきます!そして『ギフトゲーム』の勝者はゲームの"主催者"が提示した商品をゲットできるというとってもシンプルな構造となっております」
「......"主催者"って誰?」
「様々ですね。暇を持て余した修羅神仏が人を試すための試練と称して開催されるゲームもあれば、コミュニティの力を誇示するために独自開催するグループもございます。特徴として、前者は自由参加が多いでしょうが"主催者"が修羅神仏なだけあって凶悪かつ難解なものが多く、命の危険もあるでしょう。しかし、見返りは大きいです。"主催者"次第ですが、新たな"恩恵"を手にすることも夢ではありません。後者は参加のためにチップを用意する必要があります。参加者が敗退すればそれらはすべて"主催者"のコミュニティに寄贈されるシステムです」
「後者は結構俗物ね......チップには何を?」
「それも様々ですね。金品・土地・利権・名誉・人間....そしてギフトを賭けあうことも可能です。新たな才能を他人から奪えばより高度なギフトゲームに挑む事も可能でしょう。ただ、ギフトを賭けた勝負では当然───ご自身の才能も失われるのであしからず」
黒ウサギは愛想笑いに黒い笑みを帯びて、挑発する
「そう。なら最後に一つだけ質問させてもらっていいかしら?」
「どうぞどうぞ♪」
「ゲームそのものはどうやったら始められるの?」
「コミュニティ同士のゲームを除けば、それぞれの期日内に登録していただければOK!商品街て商店が小規模のゲームを開催しているのでよかったら参加していってくださいな」
「.....つまり『ギフトゲーム』は世界の法そのもの、と考えてもいいのかしら?」
お?と驚く黒ウサギ
「ふふん?中々鋭いですね。しかしそれは八割正解の二割間違いです。我々の世界でも強盗や窃盗は禁止ですし、金品による物々交換も存在します。ギフトを用いた犯罪などもってのほか!そんな不逞な輩は悉く処罰します───が、しかし!『ギフトゲーム』の本質は全く逆!一方の勝者だけが全てを手にするシステムです。店頭に置かれている商品も、店側が提示したゲームをクリアすればタダで手にすることも可能だということですね」
「そう。中々野蛮ね」
「ごもっとも。しかし"主催者"は全て自己責任でゲームを開催しております。つまり奪われるのが嫌な腰抜けは初めからゲームに参加しなければいいだけの話でございます」
再び挑発する黒ウサギ
黒ウサギは一通りの説明を終えたのか、一枚の封書を取り出した
「さて。皆さんの召還を依頼した黒ウサギには、箱庭の世界における全ての質問に答える義務がございます。が、それら全ての質問に答える少々お時間がかかるでしょう。新たな同士候補である皆さんを何時までも野外に出しておくのは忍びない。ここから先は我らのコミュニティでお話させていただきたいのですが.........よろしいです?」
「待てよ。まだ俺が質問してないだろ」
十六夜が声を上げる
「ああ、俺もだ」
リュウガも声を上げて立ち上がる。その真剣な眼差しは黒ウサギはすこしだけ淀む
「......どういった質問です?ルールですか?ゲームそのものですか?」
「そんなものはどうでもいい。腹の底からどうでもいい」
「ああ、そんな下らないことなんかどうでもいい」
十六夜とリュウガは視線を交わす
───この世界は......面白いか?
───黒ウサギのスリーサイズは......幾つだ?
「─────」
十六夜の言葉への返事に他二人も待つ
「YES。『ギフトゲーム』は人を超えた者たちだけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保証いたします♪」
黒ウサギの返事に、リュウガを除く三人は満足したようだ
「...」
リュウガは呟いた...
俺への返事は?結構重大なのだが
結局、女性のスリーサイズを正確に把握する能力を夢幻の能力で作り、事なきを得た
最も、返事は女性陣からの冷たい視線だったことをリュウガは知らない
後書き
夏休みすることがねぇ...!
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