ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者
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第九十話 交遊
前書き
大変遅くなりました!!投稿を再開します!!大学も今は夏休みに入って大分暇になってきたので更新は頑張れそうです!!ではどうぞ!!
観賞会が終わり数日後の日曜日、この日の小猫は少しソワソワしていた。
それもそうだろう。今日は小猫が待ちに待った闇慈とのデートの日だ。そして小猫一人、鏡と睨み合いながら自分の服装を気にかけていた。
「・・・闇慈先輩とのデート。変に思われたくないから気合を入れないと」
小猫の衣服類は闇慈の家に来る前にお世話になったリアスの家からほとんど持って来ていた。そのため小猫の周りにはワンピースやら可愛いTシャツやらが散らばっていた。
下着姿の小猫は次の服に手を伸ばそうとすると・・・
「小猫ちゃん。そろそろ良いか・・・な・・・」
「っ!?」
闇慈があまりに遅い小猫を気にかけたのか部屋に入ってきた。しかしこの時闇慈の頭の中には二つの事柄が渦巻いていた。
一つは「謝罪」、ノックもなしに女性の、ましてや恋人の下着姿を見てしまった事による謝らなければと思っていること。そしてもう一つは「幸運」、不可抗力とは言え、恋人になってもあまり見ない小猫の下着姿に少し幸運を感じているみたいだったが・・・
「・・・何時まで見てるんですか?闇慈先輩」
小猫の少し殺気が入っている言葉にハッと我に帰ると・・・
「ご、ごめん!小猫ちゃん」
慌てて部屋から出ていった。しかし当の小猫も表情には出さなかったがドキドキしていたみたいだ。
(闇慈先輩って少し大胆になった?でもこんな格好を見られたのは、少し恥ずかしい)
その恥ずかしさが今になって出てきたのか小猫の頬には小さな夕焼けが出てきていた。
一悶着あった数分後、服を着た小猫は闇慈を部屋に入れると彼の意見を聞きながら服装を選んでいった。最終的には白を中心とした服を選び、闇慈は黒を中心とした服を装っていた。
「良し、行こうか?小猫ちゃん」
「はい!」
小猫も先程の闇慈の失態をこのデートで帳消しにしてすることを約束したので、闇慈も小猫に楽しんでもらうために気合を入れたみたいだった。
そして出かける事を優里に言うためにリビングに赴いた。
「それじゃあ母さん、行ってくるよ」
「あら、そう。楽しんでいらっしゃい!」
「行ってきます、お母さん」
「小猫ちゃんも楽しんでいらっしゃい。闇慈、小猫ちゃんをちゃんとエスコートするのよ?」
「エスコートって、ダンスじゃないんだから。でも小猫ちゃんと楽しい時間を過ごしてくるよ」
優里の言葉に闇慈は頬を掻きながらはぐらかしていた。
~~~~~~~~~~~
「あそこのクレープ、中々いけてたでしょ?」
「・・・はい。あんなに美味しいクレープ売ってる所が近くにあったなんて知らなかったです」
デパートでウィンドウショッピングやゲームセンターなどで二人の楽しい時間を過ごし、闇慈の行きつけのクレープ屋に小猫を案内して、二人でクレープを味わっていた。
「ここは小猫ちゃんとどうしても行きたかったからね。誘って良かった」
「・・・私としてはここを知らなかった自分がちょっと悔しいです」
「あはは。小猫ちゃんは甘い物が大好きだからね。それじゃあ、次の所に行こうか?」
「はい!」
小猫は小さい笑顔で答えると座っていたベンチを立ち歩き出そうとすると・・・
「ほっほっほ。今は猫又の娘と交遊中かの?黒衣の死神よ」
「っ!?」
闇慈は【黒衣の死神】という言葉が耳に入ると小猫を自分の背後に回らせ、その音源の方に軽い殺気を放ちながらゆっくりと向き合う。
【黒衣の死神】と言う闇慈の二つ名は知れ渡っているが一誠みたいな親しい人物はほとんどが名前で呼んでくれるためこの二つ名で呼ぶということはカオス・ブリゲードみたいな敵対関係の人物が近くにいると言う事を感じ取り、闇慈は殺気を放っていたが・・・
「そう怖い顔をするでない、儂じゃよ」
そこにはラフな格好していた老人が立っていたがその人物はかつて闇慈達を救ってくれた・・・
「オーディン様!?失礼しました!!」
北欧の最高神オーディンだった。闇慈はオーディンと認識すると慌てて殺気をしまい、謝罪を行った。
「まあ、お主が殺気立つのも分かるわい。カオス・ブリゲードといつ戦争になるか分からんこの時期にお主の二つ名で呼んだ儂にも非はある」
「ありがとうございます。それでオーディン様はどうしてこんな所に?」
「それはな・・・」
オーディンの言葉を遮り、スーツ姿の女性がオーディンの後を追ってきたの少し息を切らし、話に割ってきた。闇慈はその女性に見覚えがあった。
「オ、オーディン様!こんな所にいらっしゃったんですね!!いきなり居なくなるから驚きましたよ!?神様なのですから、少しはキチンとして下さい!!」
「やれやれ。お主がおると一人でノンビリと過ごす事も出来ん。そんなに生真面目ではお前の後ろの奴にも愛想尽かされてしまうかも知れないぞ?」
「時と場所を考えてくださいと言っているのです!それに私は・・・えっ!?」
オーディンと向き合っている女性、ロスヴァイセは闇慈達の存在に全く気づいておらず自分のペースで会話を続けていたがオーディンの言葉で闇慈の存在に気づくと・・・
「ア、ア、ア、アンジさん!?」
「やっぱりロスヴァイセさん!お久しぶりです!」
「お、お、お久しぶりです・・・」
「・・・」
ロスヴァイセは闇慈に以前告白に近い慰めを受けて、それを勘違いしているため闇慈の前では生真面目な戦乙女も一人の乙女になっていた。しかしそんなやりとりを小猫は少し気にくわないのかジト目でそれを見ていた。
「お元気そうでなによりです!でも、愛想尽かされるってどう言う・・・」
「ア、アンジさんは気にしないで下さい!!・・・そんな事よりどうしてハイスクールの二人がこんな所にいるんですか?家に帰って勉強なさい勉強」
ロスヴァイセは自分の気持ちを知ろうとする闇慈の疑問をそらすために別の話題を振ろうとしたが
・・・
「勉強も大切ですけど、こう言った機会も大切だと思いますよ?これは言うなれば『休息』みたいなものですよ、ロスヴァイセさん。貴女も働き詰めなどで体が疲れた時、次の仕事の効率を上げるために休息を取る事と思いますよ?真面目な貴女なら尚更ね」
「せ、正解です。でもどうして分かったんですか?アンジさん」
「僕とロスヴァイセさんは性格が似ていますからね。僕も同じような事をやっているんですよ。『良く学び、良く遊べ』、これが学生の基盤です」
「ほっほっほ。これはこやつに一本取られたの?ロスヴァイセよ」
「うーー。アンジさんのおっしゃる通りです」
ロスヴァイセは闇慈の反論に言葉が思いつかず白旗をあげる。オーディンもその風景を楽しそうに見ていた。
「ならば儂達は赤龍帝の小僧の所に行くとするかのう。お主も後で小僧の家に来ると良い。今はその娘との時間を大切にせよ。往くぞ、ロスヴァイセよ」
「あ、はい!ではアンジさん。また後でお会いしましょう」
そう言うと二人はその場から居なくなり、闇慈はほとんど空気扱いだった小猫と向き合う。
「オーディンさんにロスヴァイセさん、北欧の二人がいきなり来るなんてまた何か起ころうとしてるのかな?小猫ちゃん・・・小猫ちゃん?」
闇慈は小猫に問いかけるが小猫は口を少しとがらせ、ジト目で闇慈を見ていた。
「闇慈先輩。さっきの女の人と仲が良いんですね」
「えっ?・・・もしかして小猫ちゃん・・・嫉妬してるの?」
「っ!?」
ボコッ!!
「ぐはっ!?」
闇慈の小猫の嫉妬かと言う疑問を問いかけると小猫は顔を赤らめ、正拳を闇慈の鳩尾に軽く叩き込んだ。闇慈はいきなりの事で判断が遅れたためモロに入ってしまい、片膝を付き、軽くうずくまった。
「馬鹿な事を聞かないで下さい。それと今まで私を除け者にした罰でさっきのクレープを先輩の奢りで買ってきて下さい!!」
「まあ、それは悪かったよ。了解、買ってくるよ。それと・・・」
闇慈はダメージが回復したのか立ち上がるとクレープ屋に行く前に小猫の耳元で囁く。
「君の嫉妬してる顔・・・中々可愛かったよ?」
「っーーー!?」
闇慈は小猫が飛びかかってくる前に急いでクレープ屋に向かっていた。そしてその後も二人だけの楽しい時間を過ごしたようだ。
後書き
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