東方夢想録
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博麗神社 編
博麗霊夢ルート
第26話 オレと俺(鉛筆とナイフ)
前書き
ーキッチンー
ガサガサ ゴソゴソ ガサゴソ
うp主「ん、あったあった」
ーリビングー
う「原液入れて〜 お水入れて〜 まぜまぜと」
幾斗「なんだそれ?」
う「飲んでみな」
幾「ゴクッ...ん、美味いな」
う「だろだろ〜」
星花「うp主、それ、作っ、て」
う「原液入れて〜 おみz」
幾「っ!?」
星「あまあま〜♪」
うp主が水を入れようとした隙に、星花は原液の入ったコップをとり、とろとろあまあまの白い液体(原液)を飲んだ
星「ペロペロ...あまま〜♪」
星花はとろとろの白い液体をペロペロと舐めている
口元からそのとろとろの白い液体を垂らしながら
幾「うp主...」
う「うむ」
幾「エロ過ぎるだろjk(常考)」
う「けしからんだろjk」
幾、う「え?」
星花「なくなった...ショボン...」
jkとは、常考
常識的に考えて
の略である
ちなみに
原液は、カルピスの原液である
さて...
オレは窓を開けて星を見ながら祭りで買ったりんご飴を星花と食べる
「楓...早く来いよ」
星花「あまあま〜♪(楓とあの話をするのね)」
りんご飴の、シャクシャクと言う音だけが小刻みになり、過ぎる
「星花」
星花「うん?」
「お祭りに戻ってみるか?」
星花「うん」
オレはその場から立ち上がり
食べ終えたりんご飴の棒を捨て
星花を連れて外に出た
飛んで何分位かかっただろうか?
祭りの会場に着いた頃にはすでに片付けに入っていた
「今何時だ?」
オレがそう呟くと
星花「11時」
星花が空を見ながらそう言った
星花「お月様....真ん中にある」
どうやら星花は月の位置で時間を測っているようだ
地面に降りると、永遠亭に行く前に霊夢を寝かせていたベンチに座る
楓「幾斗さん」
ベンチに座って顔を下げていると
楓がオレの名前を読んだ
楓「何そんな顔うずくめて、自分の子供が産まれるのを待つお父さんみたいに」
星花「...(私も思った)」
「説明口調どうも」
オレが顔を上げると薄笑いを浮かべている楓が目の前にいた
楓「それで、単刀直入に言います。見た過去を教えて頂きたい」
本当に単刀直入だな、まぁいい
「お前が人を殺しているところだ。桃色の髪の少女を殺しているところ。でもわからない、殺そうとしていただけかも知れない。どちらにせよ君が何かやらかすところだろう」
詳しくは言わない、言わない、言いたくない
首を掴んで、血だらけで、目がもうすでに死んでいて
もう見たくない、言いたくない
昔のオレはこんなのを目の前で見て、どんな顔をしていたのだろうか?
ヘラヘラ笑っていたのか?
冷たい顔をしていたのだろうか?
楓「はぁ... 幽々子ちゃんですか」
「っ...!」
幽々子...桃色の髪の少女、幽々子
幽々子、亡霊、死を操る、妖力...
楓「...さ....さん.......幾斗さん!!」
「っ!?」
楓「いきなり頭抑えて倒れるんですもん、びっくりしました」
気づいたら倒れていたらしい
オーケー、ある程度なら思い出した
「楓、幽々子は亡霊だ、オレは幽々子に死を操る能力を預けた、妖力を全て何処かに流した。違うか?」
楓「はい。でもその死を操る能力を預けたと言うのは知らなかったです」
「なんでオレは妖力を全て消さなけらばならなかったんだ?」
ここが1番オレの中で疑問なんだ
なんの為に、何があって失くさなければいけなかったのか
楓「それは...」
楓が顔をしかめて沈黙を作る
少し経ってから楓が決意した表情で
楓「幾斗さんが幽々子ちゃんを助ける為に行った行為です」
幽々子を助ける?
楓「幽々子ちゃんは亡霊です、だから成仏しなければいけなかったのです。けど、幾斗さんはそれに反対して人間に戻そうと頑張ったのです」
亡霊を人間に戻す?
楓「幾斗さん、あなたが昔住んでいたところには西行妖と言う桜がありました」
西行妖...
あ、白玉楼だ
オレの住んでいたところは白玉楼だ!
楓「その西行妖は」
「亡霊の精気で封印されている。だから俺はその封印を解く為に必要な妖力を西行妖にブチ込んだ。違うか?」
楓はパチンと指を鳴らし
楓「どんどん思い出してきましたね」
星花「おにぃしゃま...(心なしか口調まで悪く)」
ちょっとまて、それで何故俺はここにいるんだ?
記憶が吹っ飛んで、気がついたら神社にいた
なんでだ?
楓「僕が幽々子ちゃんを殺そうとしていた理由、これでわかりましたか?」
ある程度はわかっている
幽々子を成仏させようとした
だが、何故あそこまで酷い殺りかたをしようとした?
「わかっている、わかっているが酷過ぎやしないか?」
俺がそう言うと楓は俺の目をギラッと睨み
普段と違う紅い、ドス紅い眼を俺に向けて
楓「悪いかよ、なんか悪いかよ」
その発言を聞いた瞬間、俺は悟った
こいつこそが、今の楓こそが本性なんだ
昔は何時もいつもこんな眼をして、こんな怖い顔して...
そんなことを考えていると、次のことが真っ白になりそうな勢いで俺の首にナイフを押し当ててきた、切れるか切れないかギリギリだ
それもまさにこんな風に人に平気でナイフを発てて来るような奴だったんだ
でも今は、現在では、ニコニコして友達思いで優しくて、いい奴...ぶっていられる位の余裕はあるんだ
半分は笑顔で鉛筆とメモ帳を持った張り切っている楓
もう半分は不気味な睨み顏で背中に黒い羽を生やしてナイフと肉塊を持った憎しみしか感じられないような顔の楓
裏と表のような
楓「憎かったんだよ。いっつも何も考えてないような笑顔浮かべて人に優しく明るいあんたがよ。はたから見ても憎いのに、そんな奴が僕に話かけて来るもんだ。あんたが憎くてしょうがねぇんだ!! 今直ぐにでもぶち殺してやりたい、グチャグチャの肉塊にしてやりてぇよ」
楓はナイフをグッと握り締め刺さないように突き立てながら、血の涙を流してこう言った
楓「そんなあんたが、自分の身を滅ぼす覚悟で誰かを助けるなんてことを、僕の目の前でしたんだよ。だからここまで、僕は...黙ってきた、ずっとあんたを探して見ていた、けど我慢していた、黙っていた。憎いのに、憎くてたまらないのに!!」
楓はナイフを下げ、俺から離れた
「昔のお前は、いや本性のお前は、人を殺すことしか考えないようなバカなのか?」
楓「そうだよ、僕にはそれしかなかった」
それを聞いた俺は何を思ったか、ニコッと笑みを浮かべて
「バカ言え、それは嘘だ。本性がどうとかはどうでもいいんだ。だって元に楓は俺をここまで導いてくれたんだろう? 優しくなれたのだろう?ニコニコできたのだろう? 明るくなれたのだろう? どうだ、違うか?」
楓「なんでだよ...なんでだよ!!」
「なんでだよって、楓が元々優しい心の持ち主だったからだよ、幽々子だって、殺せなかったんだろう? 俺が止めたのかもしれないけど、それ以前に殺そうとしたのを萎えたのだろう? 違うか?」
楓はつい先ほどまでの睨み顏が徐々に治り、眼も目に治って行く
楓「あんたさぁ」
「なんだ?」
楓は優しい何時もの笑顔で
楓「ホント、憎いよな」
楓はナイフを投げ捨て、メモ帳、鉛筆を手に取り何時ものように、"本性"の楓に戻った
楓「さて、今、幾斗さんがしなければ行けないことをお話ししましょうかっ!」
まだわからないが、あの楓は消えたのだろう
昔の俺が言った言葉を思い出して言ってみたのは効果的だった見たいだ
俺は一体何者だったんだか
兎に角
今は俺が置かれている状況を理解しなければいけないな
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