転生とらぶる
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マクロスF
0673話
「……お前、一体どんな身体能力をしているんだ?」
S.M.Sの通路を歩きながらオズマが呆れた様に呟く。
本来は俺やオズマと一緒にスカル小隊とやらに合流する予定だったカナリアだが、未だに医務室に残って身体測定や体力測定の結果が書かれた書類と睨み合っている状態で置いてきたのを考えているのだろう。
「どんな状態って言っても、昨日も言ったように生身での戦いに限って言えばこの世界で最強であるくらいの身体能力だな」
「ったく、カナリアが頭を抱えていたのなんか初めて見たぞ」
「一応これでも大分手加減したんだがな」
「どこがだ、どこが! 普通手加減して握力計を振り切ったりはしないぞ」
「そう言ってもな。金属を素手で毟り取れる身としては十分に手加減してるんだが」
俺の言葉に深く溜息を吐くオズマ。
その様子を見ながら、俺は改めて自分が着ている服へと視線を向ける。
体力測定が終わった後でオズマが俺に紙袋を渡したのだが、そこに入っていたのが今着ている服な訳だ。一応適当にサイズを選んできたのか、多少大きめではあるが普通の服装だ。
「なんつーか、艦長と相談して一応お前は俺の小隊に入れる予定になってるんだが……本当にお前を入れていいものかどうか迷うな」
溜息と共にそう呟くオズマだが……そう言えば、士官学校時代から基本的に俺が隊長であって、人の指揮下に入ったのはそう多くなかったな。
ギアス世界でコーネリアの部下だった時はコーネリア直属の傭兵って感じで基本的に自由だったし……そう考えるとSEED世界でアークエンジェルに乗っていた時くらいか?
「オズマの部下か。まぁ、確かにVFに関しては昨日ナイトメアプラスに乗っただけ……しかもシミュレーターだけだしな。そういう意味だとそっちの方がいいかもしれないけど」
「そうだな。お前の機体についてもこっちできちんと用意してあるから、楽しみにしていろ。一応これからのお前の相棒になるんだからな」
ニヤリと笑いながらそう告げてくるオズマだが、相棒……相棒ねぇ。
昨日のナイトメアプラスに乗ってみたので分かったが、VFというのは基本的に俺の反応速度に付いてくる事は出来無い。そんな状態の機体に愛着を持てるかと言えば、正直微妙なんだよな。
そんな俺の気持ちが顔に出ていたのだろう。オズマが笑みを消して再び口を開く。
「何だ、あまり嬉しそうじゃないな」
「そうでも無いさ。VFという機体に興味はあるし」
「だが……と続きそうな感じだな」
分かっているとでも言いたそうな表情で俺へと視線を向けているオズマが言葉を続ける。
「昨日、お前を部屋に送った後で艦長と一緒にシミュレーターの操作ログを見させて貰った」
「艦長と?」
戦艦とVFは別物じゃないのか? そんな風に思っているのを察したのだろう。オズマは小さく肩を竦める。
「艦長はああ見えて、この世界の軍隊でもある新統合軍の歴戦のパイロットだったんだぞ? これまでに新統合軍で採用されてきたVFの殆どを操縦した経験がある。お前が昨日シミュレーターで使ったVF-171に関しても十分以上に操縦しているんだ。それこそ、お前と違って実機の方をな」
「……それは意外だな」
そう呟くが、一概にそうとは言えないのか? 例えばマクロス7に派遣されていた新統合軍のバトル7の艦長はマクシミリアン・ジーナスで天才と言われたパイロットだったんだし。
「あの人はああ見えて叩き上げの軍人なんだよ」
そう告げるオズマの表情はどこか誇らしそうに見える。このS.M.Sで初めて配属された部下と上司という訳じゃ無く、もっと以前から親しかったのかもしれないな。
そんな俺の表情を読み取ったのか、どこか照れくさそうな表情を浮かべつつ慌てて話題を元に戻すオズマ。
「とにかくVF-171なら俺だけじゃなくて艦長も操縦経験があるってのは事実だ。で、俺と艦長がお前の操作ログを見たところ、お前の反応速度がとんでもなく早いんだよな。まさに人間の限界を超えているってくらいに。それに機体の方が付いていけない訳だ。……自覚はあるんだろ?」
通路を歩いていた足を止めて、俺の方へとじっと視線を向けてくるオズマの言葉に、俺もまた足を止めて頷く。
「ああ、機体の反応速度が遅いというのは感じていたよ。回避行動とかに若干の遅れが出るならともかく、まさか攻撃する時にも反応速度の差で命中しないとは思わなかったし。だが、それに関しては元々といってもいいからな。ストレスは溜まるが、ある種予想済みではあったさ」
「予想済み?」
「そうだ。俺の世……いや、俺が元々いた場所でも俺の反応速度に付いてこられる機体は既存の機体では存在していない。専用に開発された機体でようやくってところだったし」
レベルが上がってステータスが伸びたのはともかく、それでグロウセイヴァーまでもが俺の反応速度に付いてこられなくなるというのは予想外だった。……まぁ、そのおかげでニーズヘッグというネオ・グランゾン相手でも1機で対応出来るような機体が開発されたのを思えば、ある意味では幸運だったんだろうが。
「……なるほど。それが本当なら、やっぱりお前の機体はVF-171では無理だというのは確定だな。となると、VF-19か……あるいは」
呟くオズマだが、やっぱりVF-19はエースパイロット機的な扱いの機体なのか? だが、今の言葉を聞く限りではVF-19よりも性能が上の機体があるようにも思える。
昨日のシミュレーターで選べる機種の中にあった最新の機体がVF-19だったのを考えると、もしより上位の機体があったとしても一般に公開されていないか……あるいは、S.M.Sが独自開発した機体ってところか?
「VF-19ってのが最新の機体なんじゃないのか?」
「……それに関しては、後のお楽しみって事にしておくか。何、すぐに分かるさ」
笑みと共にそう告げてくるオズマだが、その時点でもうより上位機種があるというのは明らかだ。だが、VF-19ですらもマクロスプラスではYF-19をイサム・ダイソンが肉体ギリギリでどうにかこうにか乗りこなすといった描写があった筈だ。マクロス7でも主人公のバサラのライバルでもあるガムリンがその辺りの壁をどうこうと言っていた覚えがある。それを考えると、VF-19以上の性能を持つ機体があったとしても、俺のような特別製の身体を持っているのではない限りGに対する耐性で碌に操縦出来ないんじゃないのか?
あるいは、それを覆す為の新技術が開発された可能性も高いけど。
「ほら、とにかく行くぞ。皆お待ちかねだからな」
オズマが俺の腕を引っ張りながらそのまま進み続け、やがて巨大な扉の前へと到着する。
どう見ても格納庫か何かだろう。この中で俺の同僚が待っているって事か。
オズマが入り口にあるセキュリティを操作し、やがて扉が開き……
「へぇ。なるほど」
視線の先にあるのは、大量のVF。いや、それ以外にもVBやクァドランシリーズのようなゼントラーディ用のパワードスーツといった物も多く並べられている。
そして機体の周囲には整備員と思しきツナギを着た大量のS.M.S社員がそれぞれの担当であろう機体を弄っている。
「どうだ? ここがS.M.SのVFやその他の兵器が集まっている格納庫だ。そして……あの機体を見ろ」
オズマの視線の先にあるのは、俺が見た事も無い機体だった。戦闘機の姿をしているのを見れば、間違い無くVFなのだろう。だが、ステルス性を重視したVF-171やVF-19のような特徴的な姿ではなく、どちらかと言えば初代マクロスに出て来たVF-1のような、正統派の戦闘機のフォルムに見える機体だ。
「これは……?」
「VF-25メサイア。現在S.M.Sが評価試験を行っている最新鋭の機体だ」
余程自慢出来る性能を持っているのだろう。オズマの口調からは自信が滲み出ている。
だが、VF-1と似ているという印象を持ってしまったせいか、俺から見ればどことなく頼りないような機体に見えてしまうのはしょうがないだろう。
もっとも、俺自身が性能の尖った機体を好んでいたというのもあるんだが。
そんな思いが顔に出ていたのだろう。オズマは苦笑を浮かべつつ俺の肩を叩いてくる。
「何だ、あまり乗り気じゃないな」
「機体性能は外見で決まらないってのは分かっているが、こうして見る限りだと俺が使ったVF-171の方がそれらしいんでな」
「……まぁ、外見に関しては個人の趣味だから何とも言えないが、性能に関しては折り紙付きだ。ちょっと待ってろ。まずはお前の紹介から始めるから」
そう告げ、そのVF-25の方へと向けて声を出す。
「スカル小隊、集合!」
オズマの声に弾かれるように、2人がこっちへと向かって来る。1人は今の俺よりも背が高く、眼鏡を掛けている男。もう1人は俺と同じくらいの背丈の男。
「オズマ隊長、何ですか? こっちは機体の調整で忙しいんですけど」
「ミシェル、お前なぁ。少しは上官に対する口の利き方ってものをだな」
「ははは、S.M.Sで何を言っているんですか」
「ミシェル先輩、お客さんの前なんだから少しは体裁ってものをですね……」
「んー? ああ、そう言えばルカと同い年くらいの奴がいるが……野郎じゃなぁ」
「ちょっ、ミシェル先輩!? 何いきなりナチュラルに喧嘩売ってるんですか!」
ミシェルと呼ばれた男が、俺へと挑発的な視線を向けてくる。それを感知したルカという少年――年齢的には今の俺と同い年くらいなんだが――が窘めていた。
「はっはっは。元気がいいようで結構だな。さて、まぁ、ここに連れてきた事で薄々予想しているだろうが、改めて自己紹介と行こうか。アクセル」
オズマに促され、1歩前に出て口を開く。
「アクセル・アルマーだ。今日からS.M.Sに所属することになったんだが……オズマ、確かS.M.Sってのは軍隊と同じ階級が導入されているんだよな?」
「ん? ああ、そうだな。俺は少佐だし、ミシェルは少尉、ルカは准尉だしな」
「……なら、俺の場合はどうなるんだ?」
そう問い掛けると、オズマは難しい顔をして眉を顰める。
「うわ、ミシェル先輩。あのアクセルって人オズマ隊長にタメ口ですよ? 僕と同い年くらいなのに」
「どうやら色々と訳ありっぽいのは確かだが……それよりも驚いたのはオズマ隊長がそれを許してるって事だよな。普通なら絶対に拳とかが飛んできそうなものなのに」
「そうですよね。となると、どこかの有力者の子供とか?」
「L.A.Iの息子であるお前みたいにか?」
「やめて下さいよ。でも、あの人にちょっと興味が湧いてきたかな」
「へぇ、お前がアルトやナナセ以外にも興味を持つなんてなぁ」
「ちょっ! ミシェル先輩!」
そんな風に何やら騒いでいるのを横目に、やがてオズマが頷いて口を開く。
「取りあえず、臨時で少尉って事にしておけ。お前の扱いは色々と難しいから階級無しってのがベストなんだろうが……スカル小隊に入るのを考えればそんな訳にはいかないしな。正式な階級については、後で艦長と話して決めておくよ」
「ちょっ、オズマ隊長!? そいつがスカル小隊に入るんですか!?」
オズマの言葉を聞いていたミシェルが慌てたようにそう尋ねる。
「そうだが、何かおかしいか?」
「おかしいも何も、そいつはどう見てもルカと同年代ですよね! 航宙科のパイロット養成コースでも見た事無いってのに、それがいきなりスカル小隊に配属!? 俺は納得出来ませんね」
へぇ。ただのお調子者かと思いきや、意外に鋭い目をするな。
「えっと……ねぇ、君。このS.M.Sってどんなところか知ってるの? その、無理はしない方がいいと思うよ?」
そしてミシェルとかいう男とは裏腹に、心配そうに俺へと声を掛けてくるルカ。その表情からは心底俺を心配しているような色が浮かんでいる。
にしても、ここまで心配されたり舐められたりするとはな。まぁ、俺の今の15歳程の外見が影響しているんだろうが。
「落ち着け、お前等。こいつはこう見えてもかなりの腕利きだ」
「……隊長?」
オズマの言葉に、まるで信じていないような目つきで俺へと視線を向ける。同様にルカもまた驚愕の視線を向けていた。
視線の種類は似ているのに、そこに込められている感情は正反対というのはどうもな。
だがまぁ、ミシェルの気持ちも分からないではない。今の話を聞く限りでは、航宙科とやらがVFのパイロットになる為の学校なんだろう。あるいは俺の年齢がオズマとかと同じように20代だったら、どこか他の船団からやってきたVFパイロットの可能性もあったんだろうが……15歳の身体だもんな。
「ほら、いいからまずは自己紹介をしろ。こいつの実力は後でしっかり見せてやるから」
「まぁ、隊長がそう言うなら。俺はミハエル・ブラン。一応よろしくと言っておくよ」
「ちょっと、先輩! えっと、ごめんね。ミシェル先輩は気難しいところがあるから。僕はルカ・アンジェローニ。多分君と同じくらいの年齢だと思うから、よろしくね」
「よし、これでいいな。本当はもう1人ヘンリー・ギリアムって奴がいるんだけど、あいつは今ちょっと出張中でな。戻って来たら挨拶をさせるから、それまで待ってろ」
こうして、微妙な緊張感を周囲に振りまきつつも取りあえずスカル小隊との自己紹介は終わりを告げる。
にしても、まさか俺がスカル小隊に配属される事になるとは思わなかったな。そう言えばオズマもどことなくロイ・フォッカーに雰囲気が似てるし。……まさかな。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:255
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:560
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