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万華鏡

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第七十九話 マラソン大会その五

「それでもね」
「ああ、人気はな」
「一番だから」
「阪神の身売りだけはな」
「ないと思うわ」
 里香もそう見ている、流石に。
「あのチームだけは」
「そうだよな、まあとにかくマラソンな」
 美優はこちらに話を戻した。
「どの格好で走るかだよ」
「そのことね」
「軍服なあ」
 美優はその服について食べつつも考える顔で言った。
「セーラーとかか?」
「海軍さんでいくの?」
「あの服可愛いしさ」
「女の子が着てもね」
「いけるしな」
「オスカルは却下ね」
「やっぱりあれはよくないだろ」
 美優もこう言うのだった、その頃の軍服については。
「動きにくいだろうしな」
「だからなのね」
「ああ、マラソンだしさ」
 長距離走であるが故にだ。
「やっぱりな」
「動きやすくね」
「それが一番だからな」
 それ故に、というのだ。
「やっぱりな」
「じゃあ水兵さん?」
 琴乃はこの軍服を言った。
「これがいいかしら」
「だよな、可愛いしな」
「しかも動きやすいから」
「じゃあそれにしようか」
 美優は琴乃以外の三人にも言った。
「それでいいよな、皆も」
「そうね、それじゃあ」
「セーラー服ね」
「それを着るのね」
「ジャージでもいいけれどさ」
 ノーマルでも、とも言う。
「まあ仮装でもいいよな、完走は絶対としtげ」
「ええ、じゃあね」
「それでね」
「じゃあセーラー服で決まりな」
 あらためて言う美優だった、そしてだった。
 五人はマラソン大会はセーラー服で走ることにした、そしてだった。
 その話が終わってからだ、琴乃は四人に言った。
「じゃあ丁度皆食べ終わったし」
「それじゃあね」
「これでね」
「うん、出よう」
 食堂を、というのだ。
「そうしよう」
「よし、じゃあね」
「今からね」
 こう話してだ、そしてだった。
 五人は食堂を後にして今度は図書館に向かった、これは里香の提案だ。
 里香は四人にだ、食堂を出たところでこう言った。
「ねえ、図書館行かない?」
「図書館?」
「図書館に?」
「うん、ちょっと面白いこと調べようって思って」
 だからだというのだ。 
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