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万華鏡

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第七十九話 マラソン大会その二

「というか学校の先生でセクハラ多いのって」
「昔は公にならなかったみたいだけれどね」 
 今もそうだがかつては今よりも遥かにだ、教師の犯罪特に正犯罪は公になりにくいものが存在している。
「昔は相当多かったと思うわ」
「セクハラの素よ」
「確かにそう言ってもいいわね、ブルマは」
「あんなのね」
 彩夏は顔を顰めさせて全力で語る。焼きそばに付いている青海苔が歯に付いてしまっているのはご愛嬌だ。
「着るものじゃないわ」
「そうよね」
「そもそも寒いし」
 ブルマに限らない、このことは。
「半ズボンもスパッツもね」
「やっぱり冬はジャージよね」
「仮装じゃないとね」
「というかさ」
 美優もうどん定食のうどんをすすりつつ言う、ついでにそのうどんで御飯も食べている。やはりうどんはおかずである。
「仮装してもジャージでも完走は目指すから」
「目的は同じなのよね」
 里香もこう美優に返す。
「やっぱり」
「ああ、そうだからな」
「じゃあどうしようかしら」
「プラネッツとしてはな」
「何かどっちでもいい感じよね」
 里香は五人の意見をこう解釈した。
「結局のところ」
「だよな、どうにも」
 美優は里香のその言葉にも応えた。
「どっちかっていうとな」
「一緒よね」
「そうだよな」
「仮装の服はあるわよね」
 琴乃はこのことについてだ、四人に尋ねた。
「演劇部とかが一杯持ってるから」
「腐る程ってレベルでね」
 景子もその琴乃に答える。
「色々な服があるわよ」
「そうよね」
「軍服もあるし」
「軍服もあるわね、そういえば」
「セーラー服とかね」
 景子は軍服の中でも特にこれを出した。
「水兵さんの」
「海自さんの人達が着てる」
「そう、あれがね」
 あるというのだ。
「他には予科練の七つボタンも海軍将校の服も」
「あの白の詰襟の」
「冬用の黒もね」
 そちらもあるというのだ。
「東郷平八郎さんにもなれるわよ」
「本当に色々ある学校ね、服も」
「陸軍さんのもあるし他の国の色々な時代のも」
 あるというのだ。
「とにかく多いわよ」
「そうなのね、セーラー服ねえ」
 琴乃は景子が話に出したこの服に注目した。
「それいいかもね」
「仮装するなら」
「ええ、いいかもね。動きやすそうだし」
 仮装の中では、というのだ。
「歌劇部の欧州の貴婦人の服なんかよりずっと」
「あのベルサイユの薔薇の服だよな」
 美優はその貴婦人の服をこう表現した。
「描くのが大変そうな」
「そう、あれね」
「動くのも大変だよな、あの服って」
「どう見てもそうよね」
「おトイレもしにくそうだしな」
 実際に用足しのことを考慮に入れていない服だった、そうした服だから衛生的にはどうだったかは言うまでもない。 
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