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転生とらぶる

作者:青竹
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マクロスF
  0670話

「……本気かね?」

 俺がS.M.Sに入隊したいと口にした時に返ってきたジェフリーの言葉がそれだった。
 まぁ、今の俺は国の代表という事になっているんだし、それは無理も無いだろう。
 事実、オズマもどこか呆れた様な表情で俺へと視線を向けている。
 ……じゃなくて。こうして近くにいても俺の実力を判別出来ないのか? いやまぁ、ネギま世界と違って基本的には生身で戦うという事が少ないのだから、軍人といっても相手の力量を計れなくてもしょうがないのかもしれないが。
 そんな風に思った時だった。オズマが呆れた視線から鋭い視線へと変えてジェフリーを部屋の隅へと引っ張っていく。

「艦長、この男は確かに何らかの訓練を受けている形跡があります。もしかしたら掘り出し物の可能性も……それに、異世界から来たという怪しい人物だけに、こちらの手元に置いておいた方が監視しやすいかと。それに……コードビクターの件もあります。もし本当に戦力になるとしたら、是非手元に置いておきたいのですが」
「しかし……仮にも国の代表なのだろう?」
「心配するな。国の代表といっても俺は軍の特殊部隊出身だし、更に言えば国の中で最も強いのが俺だ。例え機動兵器に乗ってたり、生身でもな」
『っ!?』

 俺の言葉に驚愕の表情を浮かべる2人。部屋の隅で、しかも小声でやり取りしていたのだから俺に聞こえているとは思ってもみなかったのだろう。
 だが、さすがと言うべきか、すぐに表情を取り繕ってこちらへと戻り何事も無かったかのようにジェフリーが口を開く。

「機動兵器と言っていたが、君達はそれ程の技術を……いや、次元転移装置という物を開発出来る技術レベルを持っているのだ、その程度は無理も無いか」
「ああ、基本的に俺達の機動兵器は人型兵器なんだが……」
「だが?」
「知っての通り、俺は素っ裸でこの世界に転移してしまったからな。しかもいつもなら空間倉庫の中に俺の愛機を入れているんだが、改修とその最終調整で技術班に預けていたから、手元にあるのは移動用に使っている戦闘機と交流のある異世界から入手した輸送機程度だ」
「……へぇ、戦闘機ね。興味あるな。何か特徴は?」

 戦闘機、という言葉が興味を惹いたのかオズマが尋ねてくる。

「そうだな、強力なステルス性能を持っているのが特徴だな。後は地上と宇宙の両方で特に換装も無しに使用可能といったところか」
「……VFと似ているな」
「VF?」

 呟いたオズマに尋ねる。勿論VFというのが何かは知っているが、今の俺はそれを知らない事になっているからな。
 オズマにしても、さっきのジェフリーとの話を聞く限りでは俺がもし本当に戦力になるのなら引き入れようとしているのは事実だ。……まぁ、恐らくは空間倉庫に期待しているんだろうが。だが、コードビクターね。妙に意味ありげな名前だな。

「Variable Fighter。通称VF。戦闘機型のファイター、人型のバトロイド、そしてその中間である戦闘機に手足の生えたガウォークという3タイプに変形する可変戦闘機だ」
「なるほど。そういう意味では俺達の世界と似ているな。俺達の世界にも人型や戦闘機型に変形する機動兵器は存在しているし」
「他にもデストロイドという機種もあるが……まぁ、基本的にはVFがこの世界では主力兵器と言ってもいいだろう」

 ああ、そう言えばデストロイドとかいうのもあったか。マクロス系のアニメだと殆どがVFに乗っていて、デストロイドは出番が少ないからな。すっかり忘れていた。

「こっちの世界の兵器には興味があるが……それよりも、どうする? 俺をそのS.M.Sとやらに入れてくれるのか?」
「……」

 オズマではなくジェフリーへと問い掛けると、微かに眉を顰めて1分程考えた後で頷く。

「よかろう。君の事を上に報告はせず、このままうちで引き取ろう」
「艦長!? いいんですか!?」
「責任は私が持つ。そもそも、オズマ少佐はアクセル君を引き込むのに積極的だっただろう」
「いや、ですが! 上に報告をしないという事は、当然フロンティアの政府にも……」
「それは当然だろう。そもそも、異世界からやってきたというのをまともに信じると思うかね? それに、もし信じたとすれば彼は色々な意味で危険な目に遭うだろう。人体実験やら何やら……な。そして、そんな時にアクセル君の世界の者達がやってきたとしたらどうする? もし自分の国の代表が人体実験に晒されていると知ったり、あるいはそこまで行かなくても軟禁は確実だろう。次元転移装置を作れる程の技術力を持った集団が敵対する。……そんな事は考えたく無いのではないか?」
「それは……」

 オズマにしてもジェフリーの言葉には頷けるものがあるのか、反論せずに黙り込む。
 けど、10代半ばの年齢の俺が国の代表だっていう話を信じたのか。それはそれである意味凄いな。

「ただし。君がS.M.Sに入隊するというのなら、それに相応しい実力を持っていると証明せねばならん。異世界から来たのだからこの世界の兵器に対する習熟度が無いのはしょうがないが、国の中で最強だと言えるだけの自信があるのだ。当然生身での戦闘訓練も受けているのだろう?」
「ああ。それこそ、生身で俺に勝てるのは恐らくこの世界にはいないだろうと思える程度にはな」

 少なくてもフェイトやエヴァクラス。あるいは混沌精霊である俺の天敵の神鳴流剣士辺りを連れてこなければ、俺に対抗するのは不可能なのは間違い無い。
 だが、そんな俺の態度が気に触ったのだろう。オズマが額に血管を浮かび上がらせながら俺を睨みつけてくる。……まぁ、10代半ばのこの姿の俺がこの世界で俺より強い者はいない、つまりオズマよりも強いって言い切ってるんだから無理も無いか。

「けっ、その鼻っ柱を叩き折ってやる。艦長、取りあえずこいつがどれだけの実力を持っているのかを確かめる必要があります。確か今の時間は格闘訓練用の武道場は誰も使っていなかった筈ですから、そこに誰も入らないようにして貰えますか?」
「うむ、そうだな。確かにアクセル君の事を皆に話すのは時期尚早だろう」

 ……ん? 今の話を聞く限りだと。

「俺の事を他の誰にも知らせていないのか?」
「当然だ。秘密というのは知る者が少なければ少ない程いいからな。だからこそ、俺がお前の後片付けやら何やらをやったんだろうが」
「なるほど」

 納得と言えば納得の話だった。

「ほら、武道場に行くぞ。さっさと付いて来い。お前ご自慢の生身での実力とやらを見せて貰うからな」
「そうだな、それが手っ取り早いか」

 そんな風に頷いている俺の横で、ジェフリーは部屋の通信装置を使ってどこかへと連絡をしていた。恐らく先程オズマが言っていたように、誰にも俺の姿を見せないようにする為の手配だろう。
 こうして俺はオズマに連れられて、部屋を出るのだった。





「よし、準備はいいようだな」

 先程の部屋から武道場へと案内され、空手着のような物に着替えさせられて、、俺は同じように道着に着替えたオズマと向かい合っていた。
 オズマの方は既にやる気に満ちており、いつでも俺へと攻撃をしてきそうに鋭い視線でこちらを睨みつけている。
 だが……結局はVFを操縦するのを前提で鍛え上げられた程度でしかない以上、その構えは俺の目から見て隙だらけと言ってもよかった。これで、実は隙を見せて誘ってるんですとかだったら凄いんだがな。
 そしてジェフリーが審判役として口を開く。

「今回見せて貰うのは、アクセル君の生身での実力だ。故に特に反則といったものは取らないが、それでも相手に深刻な傷を負わせるような攻撃は無しにして欲しい。いいかね?」
「色々と制限ありの何でもありってのも面白いが……まぁ、実力を見せるのにそこまでやる必要も無いしな」
「へっ、本当にお前が口にしているだけの実力があるなら、俺が直々にVFの訓練を見てやるよ」
「……艦長、オズマの実力は?」

 自信満々に訓練を見てやると言ってるんだから、まさか単なる一般兵士という訳では無いのだろう。仮にも少佐という階級なんだし。

「うちのエースと言ってもいいだろうな」
「ほう、それは興味深い話だ。確かにエースから教えて貰えるのならVFの操縦に関しても早く習得出来るだろうが」

 俺の知っている限りの最新鋭機はVF-19エクスカリバーだ。マクロスプラスでイサムが乗っていた機体の正式採用版で、マクロス7の主人公でもある熱気バサラが乗っていた機体だな。あぁ、後は特殊部隊のエメラルドフォースも乗っていたか。
 マクロスプラスやマクロス7ではかなりGがキツイような描写があったが、俺の場合はGを無視出来るという特徴がある。
 この世界がマクロス7から10~20年程経っているのを考えても、それ程大きな差は無いだろう。

「アクセル君、準備はいいのかね?」
「ん? ああ、いつでもいいぞ。掛かって来い」

 そんな風に考えていた俺にジェフリーが尋ねてくるのでそう返す。……が、それが気に食わなかったのか、再びオズマの額に血管が浮かび上がった。

「では……始めっ!」

 ジェフリーの言葉と同時に、オズマが畳を蹴って俺との距離を縮める。同時に間合いに入ったと判断したのだろう。右拳をそのまま放つ。
 この時、よくやるように拳を引くという動作をせずに構えた状態のまま一直線に俺の顔面を狙ってくる辺り、さすが本職の軍人というべきだろう。いや、正確には民間軍事会社なので傭兵的な扱いなんだろうが。だが……

「甘いな」

 俺の顔面目掛けて放たれた拳を手の平で受け止め、そのままの勢いを利用して一本背負いの要領で畳へと放り投げる。

「ぐっ!」

 背中が畳に叩きつけられる瞬間に体捌きをコントロールして一瞬上へと引っ張り、叩きつけられる衝撃の殆どを殺す。オズマもオズマで受け身をしっかりとっていた為にすぐに跳ね起きる。……が、今の一連の動作で俺との実力差を理解したのか、先程のように突っ込んでくるのではなく慎重に間合いを詰めてくる。
 ジリジリと少しずつこちらとの距離を縮めて来るが、それを待っている必要も無いか。

「どうした? 来ないなら次はこっちから行くぞ。……いいものを見せてやろう。見逃すなよ? 目で追いかけられたらの話だがな」
「何?」

 オズマが呟いたその瞬間、瞬動を使って畳を蹴り、既に俺の姿はオズマの横にあった。
 そのまま軽く手を伸ばしてオズマの脇腹へと拳を伸ばす。
 ポン、というその感触でようやく俺の姿が自分の真横にあるのに気が付いたのだろう。反射的にこっちを振り向くオズマだが……

「気が付くのが遅い。防御体勢をしっかり取れよ。少しキツイのが行くぞ」

 次の瞬間には拳を触れさせた脇腹へと再び拳を突き刺す。
 ただし、先程の軽いのではなくそれなりに力を入れてだ。そして……

「ぐわああぁぁっ!」

 その一撃で、真横へと5m程吹き飛ぶオズマ。
 ……しまったな。そこまで力を入れたつもりは無かったんだが。
 さすがにその光景は予想外だったのだろう。ジェフリーは唖然と目を見開き、オズマは殴られた脇腹を押さえながら咳き込んでいる。

「あー……大丈夫か? 一応かなり手加減はしたんだが」
「げほっ、えほっ……お、お前、一体どんな身体能力しているんだ!?」

 咳き込んでいたのが収まり、そう告げてくるが……

「そうだな、具体的に言えば……」

 チラリ、と周囲へと視線を向けるも目的の物は無い。というか、あるにはあるが、まさか柱を毟り取る訳にもいかないだろう。

「金属を握力で毟り取る程度の身体能力だな」
『……』

 さすがにそれは予想外だったのだろう。ジェフリーに続き、オズマまでもが目を見開いて俺の方へと視線を向けてくる。

「……マジか?」
「ああ。何か金属を持ってきてくれれば、それこそVFとやらの装甲版でも何でも素手で引き千切ってみせるが?」

 何でも無いかのようにそう返すと、再び絶句するオズマ。
 やがてジェフリーが心底納得したように頷く。

「さすがに異世界人といったところか。それに、確かにこれだけの能力があれば1国の代表に祭り上げられるのも無理は無いな」
「いや、別に祭り上げられた訳じゃないんだけどな」
「では、君自身が望んでその地位に就いたと?」
「正確にはちょっと違うな。俺達シャドウミラーというのは、元々は軍の特殊部隊だった。それが色々あって次元の狭間で漂流している時に拠点となる場所を発見して、そこで暮らし始めたわけだ。で、次元転移装置で他の世界と交流している時に組織じゃ色々と都合が悪いって事で国という形式を当て嵌めただけだよ。ついでとばかりに特殊部隊の隊長だった人物が死んで、実働班を率いていた俺がそのまま代表になった訳だ」
「……君のような歳で、随分と色々な経験をしているようだな」
「ま、それこそ色々とあったからな」

 わざと『色々』という部分を強調して、それ以上聞いてくれるなと質問をシャットアウトする。まぁ、過去のシャドウミラーの行動を知ればいらない疑惑を持たれるだけだろうし。

「生身での近接戦闘の技術は分かった。なら、次は射撃だ」

 ようやく我に返ったオズマだが……

「いいのか? 射撃は格闘よりも得意だぞ?」

 そう言うも、実際にその目で見てみないと信用出来ないとして、着替え終わった後にオズマと共に射撃訓練場へと向かうのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:255
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:560 
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