転生とらぶる
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マクロスF
0668話
「さて、そうだな。まずはこれを見て貰おうか」
予想外の事態に黙り込んだ俺を観察するように見ていたオズマが、壁に掛けられているモニタへと視線を向け何らかの操作をする。それでも右手に構えた銃口が俺から外れる事がないのはさすがと言うべきだろう。
すると次の瞬間には、何らかの録画と思われる映像が映し出される。
ちなみに録画と判断したのは、俺の横にいるオズマの姿がモニタの中に映し出されていたからだ。まさかそっくりの双子がいる訳でもあるまいし。
もっとも、物理攻撃の効果が無い混沌精霊の俺に銃口を向けても意味は無いんだけどな。まぁ、今の状況が良く分からないから当然そんな事は口には出さないが。そんな風に思いつつ、モニタへと視線を向ける。
意図的に音声はカットしているのだろう。どこかの部屋の中でオズマと向かい合って話をしている中年……というよりは初老の男。鼻の辺りに残っている傷跡が特徴的なその相手と何らかの話をしているように見える。
「……ここだ。良く見ておけよ」
オズマの口からその言葉が漏れた次の瞬間、唐突に部屋の中に光り輝く繭のような存在が姿を現す。咄嗟に懐から抜いた銃を光の繭へと向けるオズマだが、初老の男がその動きを制止するように手を動かし、次の瞬間には光の繭が姿を消す。そして、光の繭が消えた後に残っていたのは床へと倒れている俺の姿だった。……それも素っ裸で。更に言えばいつもの20代の俺では無く、10代半ばの容姿だ。
なるほど、確かにこの年齢の俺が寝言で女の名前を4人も呼べば、オズマに呆れられるのは当然だろう。
だが……何が起きたんだ? 俺に怪我をしている様子は無い。いや、それは俺が混沌精霊である以上当然だろうが、それでも何故裸で……しかも10代半ばの容姿になっている?
もちろんこれがネギま世界に行った時のように強制的に縮んだ訳ではないというのは分かる。今でも実感として幼児や20代、混沌精霊としての姿になるのも出来るというのが分かるからだ。
そんな風に考えていると、画面の中でも素っ裸で現れた俺に向かって慎重に近付いたオズマが足の爪先で俺の脇腹を軽く蹴る。そして意識を失っていると判断したのだろう。どこかに連絡をして、数人の軍人らしき人物がやって来たところで映像は途切れる。
「さて、今のがお前がこのマクロス・クォーターにフォールドしてきた時の様子だが……感想はどうだ? 大体、素っ裸でフォールドしてくるなんて、何を考えてやがる? それも、情事の後の体液やら何やらをそのままで」
……オズマの言葉から考えると、恐らく俺は酔っ払っていつものようにレモン達と一夜を過ごしたのだろう。その後、何らかの理由で……待て。酔っ払った? もしかしてそれが原因なのか? 酔っ払って、レモン達とやる事をやった後でフラフラとゲートまで来て転移した? ……正直、あり得ないと思う。思うんだが……何故か今の出来事を考えた瞬間、ストンと納得する事が出来た。それに画面に映し出されていた光の繭は、間違い無くシステムXNを使った時に出来る転移フィールドであるのは間違い無い。
これも念動力のお導きか? まぁ、そう思っておいた方がいいだろう。そもそもホワイトスターで俺に敵対するような相手がいるとも思えないし、以前のブルーコスモスのテロ以降警備は厳重になっている。そんな中でゲートを起動するとしたら、やはり混沌精霊のような特殊な力を持つ俺が怪しいだろう。それに、量産型Wなら俺の命令に逆らう事は出来無いというのもある。
となると、色々な意味で現状はピンチだと言うしか無い。これまでにも転移直後に色々とトラブルに巻き込まれはしたものの、今回は飛びっきりだな。何よりも最悪なのは……
脳裏に空間倉庫のリストを展開。そこに映し出されている無数の名前を眺めていくが、表示されている名前にはニーズヘッグの名前は存在していない。それも当然だろう。何しろ、ニーズヘッグはロイドがエナジーウイングに関しての微調整をする為に魔法球に中に置いてあったのだから。それだけではない。ニーズヘッグを俺が使用しているという影響で、他の機動兵器は殆ど存在していないのだ。あるのは、ギアス世界で移動用に使っていたソルプレッサくらいだ。ここがマクロスの世界だとしたら、どう考えてもVFに対抗は出来ないだろう。ASRSのおかげでステルス性に関しては上だろうが。
後は、機動兵器というかSEED世界で入手した大型VTOL輸送機だけ……か。どう考えても最悪以外の何物でも無い。
せめてもの救いはネギま世界の時とは違ってマーカーやらゲートシステムが空間倉庫に入っている事だが、それにしたってここがマクロス7船団と同じく移民者達の船団だとしたら周囲は宇宙だという事になる。つまり、以前レモンから聞いたようにゲートは設置出来ない訳だ。
……ニーズヘッグがあればアギュイエウスでホワイトスターに戻る事も簡単だったんだが……残る可能性としては、どこかの惑星に到着するのを待つだけしかないか。
「おい、どうした? この映像のフォールドについて知ってる事を聞かせて貰おうか。そもそも個人単位でフォールド可能になったという話は聞いた事が無いしな」
沈黙を保っている俺に痺れを切らしたのだろう。オズマが銃口をこれ見よがしに見せながら俺へと向かって口を開く。
……さて。俺が転移した理由云々はともかくこの状況をどうしたものかな? 確かに今の俺はオズマが言ってる通り、個人でフォールドしてきたというあからさまに怪しい存在なのは確かだ。だが、どうにかして誤魔化すわけにもいかないのも事実だ。何しろ俺はシャドウミラーの名前を口に出しているし、このままだと収監されるという未来が一番あり得る。もちろん何処かに軟禁、あるいは監禁されたとしても混沌精霊である俺なら問題無く脱出は可能だろうが、そんな真似をすれば間違い無く指名手配がかかるだろう。少佐、と自分の階級を口にしていた以上、恐らく何らかの部隊に所属しているんだろうし。ああ、それがS.M.Sとかいう部隊なのか。オズマの身のこなしを見る限りでは特殊部隊か何かか?
とにかくゲート装置を設置出来る場所も無く、ニーズヘッグも存在しない。こちらから転移出来ない以上唯一の頼みはマーカーだが、このマーカーにしてもレモンに聞いた話によると地球上程度での移動はともかく、それを越えるような動きをするとマーカーの位置がずれてリュケイオス側で認識出来ないという話だしな。それらの事情を考えれば、現状はこの世界の勢力と迂闊に敵対するわけにはいかない、か。しょうがない。
意を決し、こちらへと銃口を向けているオズマへと向かって口を開く。
「さっきのはお前の言うフォールドじゃない」
「……フォールドではない、だと?」
「ああ。そもそもフォールドをする時に先程の映像に出て来たような光の繭が生成されるか?」
「今までのフォールドでそれは無いが、個人で使用出来るフォールドシステムが開発されたのなら……」
「外れだ。今も言ったように、俺がやったのはフォールドじゃない」
「なら聞かせろ。フォールドじゃないとしたら何だ?」
銃口をこれ見よがしに突きつけてくるオズマだが、元々効果が無いのを知っている俺は、それをスルーしつつ再び口を開く。
「さっきの映像に出て来た、お前以外のもう1人。あの男がここの責任者か?」
「……それがどうした?」
「そいつもどうせ映像か何かでここの様子を見ているんだろう? 直接話したいからここに呼んでくれ」
「得体の知れない相手の前に姿を現せってのか? そんな無駄なリスクを負う必要がどこにある?」
「そうしなければ何も教えない。そう言ってもか?」
「はっ、おい、ガキ。お前自分の立場ってものが分かって無いんじゃないか?」
銃口を俺の頭部へと突きつけるオズマ。
確かに普通なら驚くし、あるいは怖がるのだろう。だが、その行為は俺にとっては全く意味の無いものでしかない。
「撃てるなら撃ってみるんだな。だが、その場合お前達は貴重な情報源を失う事になるかもしれないがな」
「……本気か?」
「勿論。さぁ、どうする? 既に俺の要望はそっちに伝えた。それに応えるかどうかはお前次第だ。……聞こえているか! 俺から事情を聞きたいのなら、責任者であるお前が俺の前に姿を現せ! そうすれば俺の事を教えてやろう!」
先程の映像に映っている男は、必ずここの様子を見ている。そう確信していた俺は、大声で叫ぶ。
そして数秒。やがて外からここの様子を窺っていた者の連絡が来たのだろう。ヘッドセットを押さえたオズマが盛大に眉を顰める。
「ったく、艦長も人が良いぜ。こんな不審人物の言葉をほいほい聞くんだからな」
なるほど。艦長……ね。となると、マクロス7で新統合軍から派遣されていたマックスのように、戦闘担当部署の艦長って感じなんだろうな。
そんな風に考えていると、オズマは不機嫌そうな表情を浮かべつつも俺のベッドの隣にある椅子へと腰を下ろす。……ただし、当然俺からは視線を離さないままだが。
「いいか、これからお前の希望通りに艦長がこの部屋に来る。だが、決して妙な真似をするなよ。何かしようとしたら、すぐにお前の脳天に風穴を開けるからな」
「分かっている。こっちもまだ良く事情を理解している訳じゃないんだ。迂闊な真似はしないよ」
「それは事情が分かったら迂闊な真似をすると聞こえるが?」
「さて、どうだろうな。それはそっちの態度次第……とだけ言っておこうか」
「ふんっ、もしお前が何かしようとしても行動に起こす前にさっきも言ったように脳天に風穴を開けてやるよ」
鼻で笑いつつも、俺から視線を外さないところを見る限り、やはりそれなりに高度な訓練を受けているんだろうな。椅子に座りつつ、何かあったらすぐに行動に移せるような体勢だし。
そんな様子をみながら、ふと気になっていた事を尋ねる。
「そう言えば、さっきS.M.Sとか何とか言っていたが、何だ? 特殊部隊の名前か?」
例えば俺の知ってる限りだと、マクロス7でエメラルドフォースとか、ダイヤモンドフォースとかその辺なんだが……だが、そんな俺の疑問とは裏腹に、戻って来たのはこいつ正気か? ともいえるような視線だった。
「何を言ってるんだ、お前。S.M.Sって言ったら民間軍事プロバイダー、いわゆるPMCの大手だろ。それを知らないのか? 余程の世間知らずだな」
民間軍事プロバイダー? それは要するに民間軍事会社。ぶっちゃけると傭兵だ。
だが、マクロスの世界にそんな設定があったか? 少なくてもこれもマクロス7の時には存在しなかったと思うが……いや、待てよ?
「なぁ、今年って何年だ?」
「は? お前、今度は何を……まさかフォールド断層でタイプスリップしたとか言うんじゃないんだろうな?」
呆れた様な表情を浮かべているオズマだが、やがて溜息を吐きながら呟く。
「2059年だよ」
「……なるほど」
決まりだ。マクロス7の年代が確か2040年代だった筈だから、プロトデビルンとの騒ぎから10~20年近くが経っている事になる。
そうなると、やはり予想通りにこの世界は俺の知らないマクロスの新作の世界なのだろう。ネギま世界とは違って何も分からない状態ではないだけマシだろうが、それでも色々な意味で拙いのは事実だ。
「どうした? 何か気になったのか?」
俺が頭を悩ませているのに気が付いたのか、オズマがそう尋ねてくる。とは言ってもそれは俺を心配しての問い掛けでは無く、こちらの考えを探って情報を引き出そうとする為の問い掛けだろう。それ故に答える訳にもいかず、無言で首を横に振る。
そんな俺の様子に鼻を鳴らして黙り込むオズマ。相変わらず銃口を俺へと向けたままだが、特にそれ以上は何を言うでもなく部屋は静寂に包まれ、お互いに何をするでもなく身動きも殆どしないままで時を過ごす。
そのまま約5分程が過ぎ……俺から見えない位置にあるだろうこの部屋の扉が開く音がする。
「失礼するよ」
そう言って姿を現したのは、鼻の頭に傷の付いている初老の男。先程の映像でオズマと話していた人物だった。
どうやら、やはりこの男がこの場の最高責任者であるのは間違い無いらしい。
「初めまして、アクセル・アルマー君。私はこのマクロス・クォーターの艦長を務めているジェフリー・ワイルダーだ」
渋い声でそう言いながらオズマの隣に座りつつも、俺に向けられている視線には当然鋭い光が宿っている。いやまぁ、あの映像を見たんなら無理も無いが。
「それで、直接私にそちらの事情を説明したいという事だったが?」
「ああ。この場の最高責任者だろうあんたに、な」
「……良かろう。では、聞かせて貰えるかな?」
ジェフリーの言葉に頷き、口を開く。
さあ、俺の半身とも言えるニーズヘッグが無く、更には宇宙空間である以上ゲートシステムも使えないこの世界で俺が過ごす為の交渉を始めよう。
特にこのマクロス世界では得られる技術も多いと考えれば、PMCであるS.M.Sと友好的な関係を築くのに越した事は無いのだから。
「俺はこの世界の人間じゃない。異世界の人間だ」
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:255
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:560
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