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久遠の神話

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第百六話 決戦の前にその七

「御飯に比べて」
「そんな気がするよね」
「うん、だから僕もね」
「今朝は御飯だったのね」
「それでね」
 それに加えてとだ、上城はスパゲティを食べつつ樹里に話していった。
「晩もね」
「御飯なのね」
「今日はお母さんが親子丼作るって言ってるんだ」
「親子丼はいいわね」
「あれも美味しいよね」
「ええ、その他には」
「野菜炒め作るって言ってるよ」
 これもだというのだ。
「お母さんね」
「お野菜も欠かせないわよね」
「うん、お母さんいつも言ってるよ」
「お野菜食べてたらね」
「栄養はかなり足りてるよね」
「ビタミンに鉄分に繊維に」
 樹里は野菜の中にある具体的な栄養を挙げた。
「そういうのが一杯あるからね」
「だからお母さんお野菜は欠かさないんだ」
「私もでしょ」
「そうだね、村山さんもね」
「例えばスパゲティでもね」
 上城が今実際に食べているこれもだった。
「トマトがね」
「僕が普段食べているトマトのソースのスパゲティがだね」
「あれ栄養の塊だから」
「赤いけれど緑黄色野菜でね」
「そう、身体に凄くいいのよ」
「だから僕がトマトソースのスパゲティを食べることはだね」
「いいのよ」
 樹里は上城に微笑んで答えた。
「とてもね」
「そうだね、それじゃあ」
「これからもね」
「今食べているのはペペロンチーノだけれど」
 トマトを使っていない、パスタの中でとりわけシンプルな種類のものだ。スパゲティだけでなく他のパスタにも使える。
「それでもね」
「トマトは凄くいいから」
「そうだよね」
「あとスパゲティには茄子やほうれん草も使うでしょ」
「茄子は多いね」
「あれでお野菜も使えるから」
 スパゲティのソースの中に入れて、というのだ。
「山菜とかもね」
「茸とか」
「そういうことも考えてね」
「食べていったらいいんだね」
「むしろおうどんとかよりいいのよ」
「いいんだ」
「そう、お野菜とか山菜を沢山入れやすいのよ」
 こう上城に話すのだった。
「パスタはね」
「そういえばおうどんは」
「鍋焼きうどんとか味噌煮込みうどんは別だけれど」
「上に乗せるだけだね」
「具としてね」
 山菜うどんやそうしたものだ、確かに野菜も入れられるがそれでもその多さは決して多くはならないのがうどんなのだ。
「乗せる位でしょ」
「けれどスパゲティはね」
「そのことはだね」
「そう、凄く入れられるから」
 ソースとしてだ、それが出来るというのだ。
「お野菜も一緒に食べたいのならね」
「パスタは工夫次第でだね」
「出来るから」
 だからいいというのだ。
「面白いでしょ」
「成程ね、いい勉強になったよ」
「それなら何よりよ」
「僕トマト大好きだから」
「スパゲティにはトマトでしょ」
「うん、そうだね」
「それならよ」
 樹里は自分の定食を食べながら笑顔で話す。 
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