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ハイスクールD×D~舞い踊りし剣舞姫~

作者:レゾナ
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プロローグ

 
前書き
リメイクしました。 

 
ここは冥界……。

「ぐっ!?」

「うおっ!?」

「くっ……」

その荒野で戦っている三人の男性……冥界の魔王サーゼクス・グレモリー、堕天使総督アザゼル、熾天使長ミカエルの三人だ。

しかしそんな彼らは劣勢に立たされている。

それは彼らの目の前の存在のせいだ。

それぞれが地、水、火、風を司る最近確認された精霊王である。

そんな彼らが異種族である悪魔、堕天使、天使を滅さんとやってきたのだ。

「くそ、さすがは王といった所か……」

「どうした、サーゼクス?もうバテたのか?」

「まさか……だが、少しきついというのは否定しきれないね……」

「そうだな……ミカエル、お前ぇはどうだ?」

「私もお二人と同じといった感じです……」

三人は既に満身創痍だ。

それもそうだろう。

彼らはたった三人でこの精霊王四人を抑えているのだ。

他の仲間達は全員彼らの前に倒されてしまった。今はそれぞれの陣地に戻って回復を受けているだろう。

疲れないという方がおかしい。

『控えろ。異種族が』

『お前たちの存在が人間の害悪にしかならないのだ』

「く、ここまで、なのか……?」

そしてサーゼクスは気づく。自分達の後ろに何かがいる事を。

サーゼクスは一瞬後ろを振り返る。

そこにいたのは少年だった。

いや、少年なのだろうか?彼はフードを被り、顔が見えないようになっている。それによって彼が少年か少女かわからない。

その腰には不釣り合いになりそうな大きな剣が二振り下げられている。

「あんたらが精霊王だな?」

その声音から少年である事がサーゼクス達にはわかった。

『汝は何者だ?』

『控えろ。精霊王の前だぞ』

「控えないよ……ただ、あんたらがこうしている間にも人間界では大変な事が起こってる。俺はそれを止めるだけだ」

そう言って少年は腰に下げられている二振りの剣を抜き放つ。

「「「………………」」」

三人はそれらの剣を見て声が出なかった。

……………綺麗、と思ったのだ。

少年の左手にある剣は闇色に輝く漆黒の剣。おそらくは魔剣の類なのだろう。しかし邪な気配は感じない。

右手にある剣は左手の剣とは反対に光り輝く剣だ。その光から聖剣なのだろうという事わかる。

驚くべき事は少年がこれらの剣を同時に持っている事なのだ。

つまり、少年には魔剣と聖剣、二つを同時に扱う事が出来る才能があるのだ。

そしてそれらの剣は少年の背丈に合うような形に変わる。

「俺が望むのは……あんたらの中に存在している闇の死、だ」

そう言って少年はサーゼクス達を一瞬で追い抜き、一人で精霊王に立ち向かった。

「おおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」

この戦いをサーゼクス達は一切公表はしなかった。忘れ去られた戦争「世界終末の日(ハルマゲドン)」としてサーゼクス達、この戦いを戦い抜いた者達だけに伝えられた……。

この出会いから数年後……物語は再び回り始める……。


























































「ふわぁ……懐かしい夢だな……」

俺───兵藤一誠はベッドから起き上がり今朝見た夢を思い出す。

俺の手元には赤色の懐中時計が握られている。

「あの時は本当、俺の意志なんてなかったからな……まあ、今となっては皆、自由気ままに生きてるけど……」

『そうか?まあ、確かに昔の相棒は振り回される感じがあったからな。しかし今の相棒も昔の相棒も俺は好きだぞ?』

「ありがとうな、ドライグ」

ドライグにありがとうと言ってから俺は着替えて懐中時計をポケットに入れる。

俺はリビングに向かっていると、美味しそうな匂いが立ちこめていた。

リビングのドアを開けて台所を見てみると、予想通りの人物が立っていた。

プラチナブロンドの髪にエメラルドの様な瞳を持つ美少女と呼ばれるカテゴリに入るであろう女性だ。

もう一人は艶やかな黒髪に黄昏色の瞳をして闇色のドレスを着た少女だ。

「あ、イッセーさん。おはようございます」

「イッセー、おはよう。今日は早いのね」

「二人には負けるよ。いつもごめんな。リンスレット、レスティア」

「いいですわよ。好きでやってるんですしね」

「私もよ」

そう言って二人は調理を再開する。

俺はまず玄関まで向かい新聞を取り、ソファに座って新聞を読む。

というか……あいつらはまだ起きないのか?夜遅くまで何をやってたんだか……。

そんな事を考えていると

ドタドタドタッ!

と、階段を駆け下りる音が聞こえてきた。

「リンスレット!目覚ましが電池切れてるから起こしてって言ったでしょう!?」

そう叫びながら入ってきたのは炎の如き紅い髪とツーテールに紅玉のような瞳が特徴的な美少女だ。

「普通は自分の力で起きる物ですわよ?クレア」

「ぐぬぬ……!」

「クレア、怒りを抑えろ。他の奴等だってまだ起きてきてないんだからな」

「あら、そうだったの?あ、ホントだ」

どうやらリンスレットに怒りを伝える事に集中していたようで周りが見えていなかったらしい。

「ねぇ、イッセー。スカーレット見なかった?朝起きたらいなかったのよ」

スカーレットというのはクレアの契約精霊で火の力を宿す猫だ。

「ああ、スカーレットだったら……ほら、ここに」

俺はソファの一角を指差す。

そこには丸まって寝息を立てる猫の姿がある。この猫がスカーレットだ。

「ああ、ここにいたのね。ビックリしたわ……」

どうやら本当に抜け出してこのソファで寝ていたらしい。

「イッセーさん。他の子達を起こしてきてくださいませんか?そろそろ朝食が出来上がりますので」

「ああ、わかった。クレア、準備を手伝ってやってくれ。それくらいなら出来るだろ?」

「バカにしないでよ!」

そう言って意気揚々と台所に向かうクレア。

俺はそれを見届けて他の女の子達が寝ている寝室に向かう。

まず、俺の家の構造を説明しておこう。

俺の家は……異様に大きい。何でかは知らないが大きい。他の家などと比べるのもおかがましいほどだ。

それに比例して部屋の数も多い。

まあ、二人で一つの部屋を使っているところもあるが……リンスレットとクレアがいい例だ。

「アーシア。起きてるか?」

『あ、はい。起きてます。今着替えてるんで大丈夫です』

「わかった。じゃあ行ってるな」

アーシアを起こして次の部屋に向かう。

向かった部屋の壁掛けには外出中という木札が立てかけられていた。

「エリスもフィリアももう学園に行ったんだ……まあ、仕方ないか。フィアナとエリスは風紀委員だしな」

俺はそう結論づけて次の部屋に向かう。

この家の中で最大の難関……こいつだ。

ドアの前には「レスティア&エスト」と書かれた木札が立てかけられている。

「エスト~?起きろ~」

『ふわ……』

おそらくは今、起きたのだろう。

「おはようございます、イッセー」

「ああ、おはよう……エスト?何で何も着てないんだ?」

そう、目の前にいる銀髪の少女、エストは何も羽織っていないし何も着ていない。

要するに……裸だ。だがなぜか黒のニーソックスだけは着けている。

「私はいつも寝ている時は何も着ていません」

「起きたんだからちゃんと着ろ。それと朝食が出来たから降りてこい。今日は豆腐のみそ汁があったぞ」

「……!オトーフ、オトーフ……!」

そう言ってドアを閉めて数秒で出てくるエスト。

「準備は出来ました。早く行きましょう」

「お前、本当に豆腐の事になると見境なくなるよな……」

「……闇精霊、早く私にオトーフを献上してください」

「そんな事を言う子にはみそ汁をあげないわよ?」

「……オトーフを人質に取るとは……!」

いや、豆腐を人質ってわけわからんからな?

「ほら、座れ。飯食うぞ?」

「ほら、イッセーもああ言ってる事だし」

「……オトーフ、オトーフ……!」

「聞いてないわね、この子……」

いや、リンスレットのパンケーキを前にしたお前もこんな感じだろ?

「何かしら?今、すごくバカにされた感じがイッセーから感じたんだけど?」

「気のせいだろ?ほら、いただきます」

「「「「いただきます」」」」

兵藤家は今日も平和だ。 
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