転生とらぶる
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コードギアスR2
0664話
「アクセル君、来てくれたのね!」
麻帆良の中にあるパーティ会場に入った途端、そう声を掛けられる。
会場の上には『卒業記念パーティ』の看板が掛かっている。そう、このパーティは3-Aの生徒達が中学校を卒業したパーティなのだ。
「ね、ね。アクセル君。どうかな、これ?」
そう言い、パーティ会場へと入った俺を一番最初に見つけた円が、パーティドレスを着たままクルリと一回転する。
薄い青のパーティドレスは、いつもは可愛いというよりは格好良いと表現すべき円を、間違い無く女として彩っていた。
「アクセル君、来て下さったんですのね! 私、私……嬉しいですわぁっ!」
円の声で俺を見つけたあやかが白いドレスを着てこっちへと近づいて来て、そのすぐ後ろには緑色のドレスを着た千鶴の姿もある。
「あらあら、うふふ。アクセル君の為に着飾ってみたんだけど、どうかしら?」
「そうね。私もアクセル君の感想を聞きたいな。どう、これ? 結構高かったんだから」
円の薄い青と対を為すかのような、薄い赤のドレス。
俺の従者である4人が4人共、かなり派手なドレスを身につけていた。
「確かに4人とも良く似合ってるが……ちょっと露出が派手じゃないか?」
特に千鶴のドレスは胸元が大きく開いており、レモン達に負けない程に深い谷間を見せつけている。かと言って、あやか達もそれに負けず劣らず背中や胸元が開いており、その魅力的な肌を露出していた。
「えへへ。もう1ヶ月もしないうちに女子高生になるんだから、これくらい当然よ」
笑顔を浮かべながらそう告げ、俺の右腕に抱き付いてくる円。
大きさは確かにレモン達や、あるいは千鶴に負けるが、それでも平均より大きめの柔らかな感触が俺の腕を挟み込む。
「ちょっと、円さん! ずるいですわよ!」
負けじと左腕を抱え込むあやか。そして笑みを浮かべつつ眺めている千鶴に、自分も負けていられないとばかりに背中から抱き付いてくる美砂。
「ええいっ、お前達。色惚けは大概にしろ! 折角の料理を味わう暇も無いだろう!」
テーブルの上に広がっている料理を楽しんでいたエヴァの叫び声がパーティ会場に響き渡るが、皆が皆それぞれにパーティを楽しんでいる為かそれ程目立ってはいない。
そう言えばエヴァの呪いに関してだが、実は既に解除されていたりする。……より正確に言えば、解除されたのではなく正常化されたと言うべきか。
……呪いの正常化というのもまた、妙な話だが。
とにかく、延々と中学生をやらなければいけなくなったのではなく、普通に進学出来るようになった訳だ。なので、このまま高校を卒業すればきちんと登校地獄の呪いは解除出来るようになる……筈だ。
今のはエヴァが言っていた事だから、恐らくは本当なのだろう。
ちなみに呪いを正常化させるのに必要だったのは、俺の血、ネギの血、近衛の回復魔法の3点セットだ。中学を卒業するギリギリまで呪いの解除が遅れたのは、純粋に近衛の魔法の腕が上がるのを待っていた為らしい。
尚、ネギに関しては本当に失血死寸前まで血を吸われたとか。俺の血に関しても、本来ならかなり薄めても魔力を全開に出来るからいつもは数滴程度しか持って行かれないのが、相当量……具体的にはコップ1杯分は持っていかれた。
あぁ、基本的に物理攻撃を無効にする俺の身体だが、勿論俺が自分の身体が傷ついてもいいと認めたり、あるいは無意識の状態であれば傷を付けたり血を流したりする事が出来る。
もっとも、ネギは自分が干涸らびるまで血を吸われたのに対して、俺はコップ1杯程度だったので恨めしそうな目をしていたが。
「何だ、中学校を卒業出来るのがそんなに嬉しいのか?」
あやか達3人をぶら下げたまま、寿司に箸を伸ばしているエヴァへと声を掛ける。
にしても、寿司か。3-Aのパーティ料理といえば超包子の中華料理が定番なんだが……まぁ、四葉も卒業生なんだから偶にはいい……のか?
そんな疑問を持ちつつ俺の口から出た言葉に、バンッとテーブルの上に箸を置きながらエヴァは口を開く。
「当然だろう! 今までずっと縛り付けられてきたんだからな! ……それでも麻帆良の外に出られないのは不満があるが、今はオーブがあるからな」
「ちなみにだが、ゲートは麻帆良から動かす気は無いぞ? ここが色々な意味で異世界間貿易の拠点として丁度いいし」
「分かっているよ。ちっ、高校を卒業したら麻帆良から出て行くつもりだったのにそれも出来ないと来ている」
「えーっ!? マスター、麻帆良を出て行くんですか!?」
俺とエヴァの話が聞こえたのだろう。近くまで来ていたネギがそう叫ぶ。
あぁ、そう言えばネギに関しても多少動きがあった。父親の捜索や造物主を探す為といった具合に、これから麻帆良にいられる時間がこれまで以上に短くなるので、正式な担任から臨時教員へとなっている。勿論担当は3-A……もうすぐ高校になるので1-Aとなるのだが。
誰が1-Aの新たな担任になるのかは分からないが、恐らく生徒の特殊性を考えると魔法先生だろう。……ネギや高畑でも苦労したのに、大丈夫なんだろうか。
特にあやかや千鶴なんかは、この前ホワイトスターでレモンが言っていたように、この年齢で既にそれぞれの会社の人員としての活動もしている。
チラリと視線を向けると、潤んだ瞳でこちらを見ているあやかと視線が合う。
「アクセル君、どうしましたの? あぁ、お腹が空いているのなら何かお料理でも……そうですわ! 雪広財閥で雇っている料理人を」
「ええいっ、暴走するなーっ!」
その叫び声と共に、スパーンッとハリセンがあやかの後頭部を直撃する。
誰がやったのかは、顔を見るまでもなく分かっている。あやかに対して突っ込みを入れるその動きは、普通の女子中学生……否、女子高生に出来るものではない。そして当然今の声に関しても聞き覚えがあった。
「ア、ア、ア、ア、アスナさん!? いきなり何するんですの!」
「委員長が暴走してるからでしょうが! 折角の卒業記念パーティなのに、何でわざわざいいんちょの家から料理人を呼ぶのよ。何の為にわざわざ私達がこうして料理を用意したと思ってるの!?」
手に持っていたハリセンを消しながら叫ぶ神楽坂。と言うか、アーティファクトの方だったんだな、あのハリセン。刀とかと渡り合えるハリセンで後頭部を叩かれても平気なあやかもあやかだが。
「その、久しぶりねアクセル。今日は来てくれてアリガト」
俺の視線に気が付いたのだろう。何処か照れくさそうにそう告げてくる神楽坂。
いつもは活発な神楽坂にしても、今日はパーティドレスを着ているせいかどこかお淑やかに見えるな。
「久しぶりというか、結構ホワイトスターで会ってる気もするけど」
「そう? まぁ、そう言えばそうか。……ね、それよりも私にも何か一言無いの?」
そう言い、ドレスを見せつけるようにポーズを取る神楽坂。オレンジ色のドレスが良く似合ってはいる。
「そうだな。確かに良く似合っているけど、出来ればもう少しお淑やかなら文句無かったんだけどな。登場シーンが突っ込みだったし」
「ちょっ、あれは委員長が変な事を言うから」
「誰が変な事ですって!? それにアクセル君にドレスの感想を聞くなんて……はっ!? も、もしかしてアスナさんもアクセル君の事を!? 駄目ですわよ。ただでさえライバルが多いというのに。それに、アスナさんみたいな警戒心が薄い人はアクセル君にすぐに食べられてしまいますわよ? 食べ物の皮を剥くようにしてそのドレスを剥いて……」
「色惚けも大概にしなさい!」
妄想を始めたあやかの後頭部へと、再び振り下ろされるハリセン。
……こんな風なあやかだけど、実際麻帆良の外で活動していると雪広財閥として普通以上に優秀なんだよな。
「はい、アクセル君。お腹減ってるでしょ?」
その言葉と共に皿が差し出される。皿の上にはオードブルとしては定番のローストビーフがあった。
「悪いな。……フォークとか箸は?」
皿を持っている美砂へと尋ねるが、笑みを浮かべつつ自分の手に持っているフォークでローストビーフを刺し……
「はい、あーん」
「シャッターチャーンスッ! ……って、何だ。アクセル君か」
「ラヴ臭の感知来たぁっ! ……って、何だ。アクセル君か」
そんな叫びと共に朝倉と早乙女が飛び込んでくるのだが、何故か俺の姿を見た途端にがっかりとした表情を浮かべる。
「ちょっとちょっと。ハルナはともかく朝倉は待ちなさいよ。私とアクセル君のラヴラヴ写真を撮っていきなさい」
「えー……だってアクセル君とあんた達4人って、もう話題性とか全然無いんだもん。記事にしても売れないし」
パーティドレスを着たままでも、カメラを手放さないのはさすが朝倉と言えるだろう。
嫌々ながらも写真を撮ってくれと頼まれては断るつもりは無いらしく、結局あーんのシーンを撮られる事になるのだった。
……神楽坂との言い争いをしているあやか以外の円と千鶴も同様に写真を撮っていたが。
それ以降もさすが3-Aと言う感じで賑やかにパーティは進み、やがて午後7時を過ぎるとパーティもお開きになる。
って言うか、午前10時くらいからパーティをやってたのを考えると、9時間近くも騒いでいたんだな。確かにこれだけの元気を残しているなら、卒業式当日ではなく翌日に卒業パーティをやるってのは正しかったんだろう。
卒業したという事で午後7時を過ぎてパーティが終了しても当然それだけで終わる筈も無く、仲のいいグループ同士で2次会やら何やらで散っていく。そんな中、俺とあやか達4人は麻帆良にある公園へとやってきていた。
「うわ、夜桜に綺麗な満月とか。計ったように絶景よね。もしかしてアクセル君、何か魔法使った?」
月光に照らされる夜桜を見ながら円が尋ねてくるが、俺は黙って首を振る。
「そもそも天気を変えるような魔法は使えないしな。お前達も知っての通り、俺が使える魔法は基本的には戦闘用だけだ。……もっとも、上手くコントロールすれば色々と便利なのは事実だけどな」
そう言い、その後は全員が黙って夜桜を眺める。
そのまま5分程が過ぎ。
「くしゅんっ!」
ふと、美砂がクシャミをする。春とは言ってもまだ3月の夜にパーティドレスみたいな露出度の高い服を着ているんだからしょうがないか。というか、3-Aの全員がパーティドレスのままで会場から戻っていったから気が付かなかったが、普通は着替えとか持ってくるんじゃないのか?
そんな風に思いつつも、指先から鳥の炎獣を作り出す。
その途端、周囲の温度が数℃程だが上がり、若干涼しく感じても寒くは無い程度の気温になる。
「魔法じゃないけど、こんな風に炎獣で暖を取る事も出来るしな」
「そうね。でも、私はこうしてアクセル君の肌に直接温めて貰う方がいいかも」
パーティ用のスーツ越しに、美砂の温かい体温が伝わってくる。
「ちょっ、美砂さん!」
「残念でした。早い者勝ちだよー」
「そうね、じゃあ私はこっちの腕を貰おうかしら」
千鶴がそう言い、美砂が抱き付いている右腕とは反対の左腕へと抱き付いてくる。
「ムキーッ! 皆さんばかりずるいですわ! 私にもアクセル君の温もりを下さいまし!」
で、結局あやかが前から、円が後ろから抱きついて来てパーティドレスを着た4人をぶら下げているという妙な格好になる俺の姿がそこにはあった。
「ぷっ、あはははは」
その様子を想像したのだろう。不意に円が笑い出し、やがて他の者達も俺を含めて笑い出す。
そのまま夜桜の下で笑い続ける事5分程。ようやく笑いの発作が収まったところで、俺は4人に離れて貰ってから空間倉庫から目当ての物を取り出す。
物としてはそれ程高価ではないネックレスだが、ネックレスの先に付いている石を見た事が無かったのだろう。あやかが首を傾げる。
「アクセル君、この宝石? いえ、石ですか? 何ですの、これは。見た事無い物ですが」
「え? あやかも知らないの?」
首を傾げて尋ねてくるあやかの様子に、美砂が驚く。
まぁ、この4人の中では最も宝石やら何やらに詳しいのはあやかだからな。勿論他の3人が詳しくないという訳では無いが、それでも雪広財閥の息女として本物に触れる機会の多いあやかが詳しいのは事実だ。一応千鶴も詳しいんだけど、比較するとあやかの方が詳しい。
「綺麗なピンク色の石だけど、確かに見た事も無いかな」
触っているネックレスに首を傾げている円に、笑みを浮かべながら口を開く。
「それはサクラダイトという、ギアス世界特有の鉱石を磨き上げた物だ」
精製して流体サクラダイトにすれば強い引火性を持つが、鉱石のままだとその特性は一切無い。そういう意味では珍しい鉱石だよな。
「卒業記念のプレゼントだ、貰ってくれ」
俺の言葉に4人共が笑みを浮かべ、再び抱き付いてくるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:255
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:560
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