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美しき異形達

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第十三話 向日葵の紹介その二

 色々とだ、これまでのことをそれぞれ話した。その中でだった。
 薊は不思議そうな顔でだ、こう言ったのだった。
「とりあえず五人集まったな」
「うん、後は三人よね」
 向日葵がその薊に応えてクッキーを食べながら言う。
「これで」
「だよな。三人か」
「実はね」
 ここでだ、こう言った向日葵だった。
「私に一火魯心当たりがあるの」
「えっ、誰だよそれ」
「うん、私達と同じ孤児だった娘で」
「へえ、その娘もか」
「ほら、一回薙刀の話をしたでしょ」
 このことから言う向日葵だった。
「孤児だった娘で今は薙刀をしてるのよ」
「薙刀か」
「そう、薙刀をしてるの」
 その力の持ち主かも知れない少女は、というのだ。
「この二つの条件があってしかもうちの学園の娘だから」
「二年生かい?」
「ええ、そうよ」
「じゃあすぐに会えるな」
 薊は向日葵のその言葉を聞いて述べた。
「都合がいいな」
「そうでしょ、じゃあその娘とも会ってみる?」
「その娘が力の持ち主だったらいいしな」
「それじゃあよね」
「あたしは賛成だよ」
 薊は微笑み紅茶を飲みつつ向日葵に答えた。
「その娘と会うよ」
「私もそれがいいと思うわ」
 菖蒲もこう向日葵に答えた。
「それでね」
「菖蒲ちゃんもそう思うのね」
「ええ、、力を持っているかも知れない娘なら」
「それならよね」
「会うべきだから」
 そうして確かめるべきだというのだ。
「だからね」
「私もそれでいいと思うわ」
 菊も微笑みその提案に賛成の意を示した。
「まずは会って確かめること、そこからだからね」
「そうですね、その通りです」
 桜は紅茶を飲むその手を止めて優雅な微笑みで答えた。
「会って確かめないとどうにもなりませんから」
「そうそう、まずはどんな娘かこの目で見ないとさ」
 薊は菖蒲達の言葉を受けてその通りだとだ、笑顔で言った。
「それからだからな」
「よし、じゃあね」
 向日葵はその薊の言葉も受けてこうも言った。
「明日にでもその娘と会おうね」
「その娘向日葵ちゃんの友達か」
「親友って言うと言い過ぎかも知れないけれど」
 笑ってだ、向日葵は薊に応えて話す。
「友達よ」
「そうか、じゃあ都合がいいな」
「お互い本当の親がわからない娘同士のせいかね」
「友達になったんだな」
「そうなのよ、ただその娘は普通の家庭にいるから」
「そこは向日葵ちゃんと違うか」
「うん、普通の家っていっても茶道の家でね」
 その少女の家の仕事の話にもなった。
「華道や日舞もしてて」
「?そのお家は」
 桜が向日葵の今の話を聞いて気付いた様な顔になって言った。
「揺光さんといいませんか」
「あっ、桜ちゃんも知ってるの」
「私実はお茶やお花も習っているのですが」
「その揺光さんによね」
「はい、家元さんに」
「あの綺麗な人よね、その人のなのよ」
「娘さんですか」
 桜は向日葵の言葉を聞いて述べた。
「そうだったのですか」
「そうなのよ、桜ちゃんも知ってる人なのね」
「娘さんがおられることは聞いていました」
「その娘さんがなのよ」
「その方ですか」
「私達が今度会うね」
 力を持っているその候補者だというのだ。 
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