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美しき異形達

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第十一話 ハーレーの女その九

「だから落ち着いて冷静にね」
「少しずつか」
「そう、解いていけばいいんだよ」
 その謎を、というのだ。
「焦ることは絶対に駄目だよ」
「だよな、じゃあな」
「落ち着いてね」
「まずは後の四人を探すか」
「一人ずつね」
「一人ずつか」
「探していけばいいよ」
 智和は五人の少女達に穏やかな声で話した。
「誰なのかをね」
「私達を見ていますと」
 ここで言ったのは菖蒲だった、彼女が言うには。
「まず戦えます」
「そうよね、皆ね」
「桜さんはテニス部だけれど」
 菖蒲は裕香に応えながら桜を横目で見てこうも言った。
「レイピアを使えて」
「実はそちらも習いごとで」
 身に着けているとだ、桜も答える。
「していまして」
「そうね、だからね」
「まずは戦えることがあるのね」
 裕香は菖蒲の話を聞いてそして頷いた。
「力を持っている人は」
「そうみたいね、後は」
「後は?」
「八条学園高等部にいること」
 智和が言ったこのことも指摘した。
「そうとも限らないけれど」
「可能性としては」
「かなり高いわ、私達もこれまでそうだったから」
「他の力の持ち主も」
「そう、そして」
 さらにだとだ、菖蒲は話していった。
「バイクね」
「あっ、そうよね」
 裕香は菖蒲のその指摘にだ、目を丸くさせて答えた。
「菖蒲ちゃん達も皆」
「そうね、皆バイクに乗っているわね」
「そうよね、そういえば」
「戦えて八条学園高等部の生徒でバイクに乗っている」
「この三つの条件から考えてみれば」
「そう、限られてくるわ」
「そもそもバイクってね」
 裕香は菖蒲の話を聞いて考える顔で言った。
「うちの学園は許可が必要だから、乗ることにも」
「その手続き結構厄介だったよ」
 薊も乗っているからこそ言った。
「免許を見せてバイクも見せてさ、おかしな改造とかないかとかかなり細かくチェックされてさ」
「それで許可貰ったわよね」
「もう乗らないでおこうかって思った位にさ」 
 厳しいチェックを受けたというのだ。
「まあバイク乗ったら駄目って学校も多いからな」
「それを考えたらね」
「やっぱり嬉しいよ」
 バイクに乗ることを許可してもらえるのは、というのだ。薊はバイク好きとしてそのことを有り難く思っているのだ。
 それでだ、こう言うのだった。
「乗れるのは」
「そうよね、とにかくね」
「バイク乗ってるなんて限られてるな」
「それだけでね」
「けれどバイクもな」
「そうとも限らないわね」
 裕香はこう言った。 
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