万華鏡
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第七十六話 節分ライブその六
「あまり品はなくて」
「それでいて親しみがあって」
「そういうチームよね」
「阪神はね」
まさにというのだ。
「そうしたカラーよね」
「そうよね」
こう話すのだった、そしてだった。
そうした話をしてだった、五人はこの日もだった。
帰りにその吉野家に入った、そしてだった。
その牛丼を食べてだ、里香が言った。
「普通よね」
「うん、こうして牛丼食べるのってね」
「女の子がね」
琴乃と彩夏が里香に応える。五人で吉野家のカウンターに並んでそのうえで牛丼の並に卵をかけて食べているのだ。
そのうえでだ、こう話すのだ。
「これ位ね」
「普通よね」
「そうそう、これがね」
「普通よ」
こう里香に言うのだった。
「部活帰りに身体を動かした後で食べる牛丼」
「これがいいのに」
「関東の女の子はこういうことしないって」
「何なのよ」
「私もね」
里香もこう言うのだった、眉を顰めさせたうえで。
「女の子が牛丼食べるのって」
「普通よね」
「皆そうしてるわよね」
「ええ、立ち食いうどんもお好み焼きもね」
そうしたものもというのだ。
「普通だと思うけれど」
「関東って訳わからないわ」
「クレープとかアイスクリームだけって」
「やっぱりがっつりと食べないとね」
「晩御飯の前だから少し抑えてるけれど」
「それでも小腹が空くからね」
「ちょっとだけね」
だから並を食べているのだ、本来なら特盛でそこに味噌汁もつけるところだがあえて並で味噌汁もつけていないのだ。
「こうして牛丼食べるのがよ」
「いいのに」
「それに牛丼ってね」
里香もだ、その牛丼卵だけでなく紅生姜も入れた何処かの正義超人が涎を垂らしそうなそれを食べつつ言うのだった。
「アメリカじゃダイエット食だから」
「へえ、そうなの」
「アメリカだとそうなの」
「だってアメリカの食べものってどれも凄いから」
何が凄いかというと。
「カロリーがね」
「ハンバーガーとかピザとか」
「そういうのがなのね」
「どれも巨大でね」
それに、というのだ。
「しかもね」
「それに加えてよね」
「アメリカの食べものって」
「量が凄いし」
「それでなのね」
「カロリーが凄くて」
「牛丼はね」
そうした国の中に入れば、というのだ。
「もうダイエット料理なのよ」
「だからよね」
「私達もそんな太るもの食べていないしね」
「カロリーならアイスクリームだって凄いし」
「そういうのと比べても」
「むしろこっちの方がいいんじゃないかしら」
甘いものよりもとだ、里香がその牛丼の中の肉と御飯、それに紅生姜を口の中に入れて全てが混ざり合った味を楽しみつつ述べた。
「スイーツよりも」
「牛丼の方がね」
「そうかも知れないわね」
「牛丼はいい食べものよ」
こうまで言う里香だった。
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