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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜Ex【,Us】〜

作者:白金
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Prologue

 
前書き
 
にじふぁん時代に連載していたので、このタイトルに見覚えのあるユーザー様もおられると思いますが、この度、一部要素を除き構成を1から書き直し完全新作として連載するこ
とになりました。
 
プライベートの多忙から1年以上執筆活動そのものが停止していましたが、とある転機により執筆活動を再開することになりました。

現在、小説家になろうでは葦夜詩阿で活動中です。もしよければオリジナル作品のほうも読んでいただければと思います。

長々となりましたが、この度執筆活動の再開を促してくださった皆様ありがとうございます。

感想、評価など絶賛お待ちしています。
 
 

 
「ーー?ーー?ーーー!」

 これは夢、なんだ。極稀にではあるが、人は夢を夢だと認識できる時がある。

「ーー?ーー?ーーー!?」

 例え今この瞬間、自分が謎の自立系中型機械兵器のような代物の伸縮性アームに身体ごと持ち上げられていたとしても、これが夢だとわかるからこそ、妙に落ち着いていられる。

「ーー!ーー!ーーーー!」

 なんだか声が聞こえる……叫び声のような?

 紫が入った青色のショートカットで、えらくボーイッシュというか……えらく活動的な服装にローラーブレード履いてるとか、夢にしてはえらくチグハグだよな。

「ーー!!ーーーー!!ーー!!」

 俺の第六感だけど、これは……うん、ブチギレてる感ハンパないですね。こっちもこっちで妙に露出が多いけど、仕様なのか?戦闘服にしては……いやいやアリ、なのか?

 まあ、右手に銃らしきモノがある時点で十中八九そうだと思う。

 印象的な鮮やかなオレンジ色のツインテール、こちらもまだ意識がハッキリしないせいで顔がイマイチよく見えない。

 ーー……チョットマテ。今、俺はなんて言った?意識がハッキリ?いやいやコレは夢だろ?

 あれ?なんだ?この伸縮性のアーム急に向きなんか変え……。

「……え?」

 なにこのイヤな浮遊感……景色が変わって空?岩?ーー……河?

 ーーもしかして俺

「落ちてるうううううぅっ!?」

 意識が、五感が、完全に覚醒した。

 スカイダイビングというよりは、ノーロープバンジーのほうが正しいだろう。見事な景色が眼前に広がり、焦りというよりは諦めの境地に至ったのか、静かに目を閉じてしまう。

(でもまあ、河は深そうだから死ぬことはないよなぁ……)

 衝撃の大きさに備えようとしたときだった。

「?」

 声が聞こえた。そう脳が認識した刹那だった。

「まにあええぇえええ!!」

 咆哮と共に一瞬、金色の閃光が視界に広がりーー……

 再び意識は闇に沈んた。



◆◇◆◇


「騎士カリム……」

 聖王教会カリム・グラシアといえば管理局内でも殊更に名の通った人物である。

 それはなにも彼女の容姿に限ったことではない。

 聖王教会という組織を導く騎士団長、魑魅魍魎蔓延る管理局内での政治的手腕もしかり。

 管理局内において一部上層部は彼女のレアスキル【預言者の著書プロフェーティン・シュリフテン】を一つの重要な意見として重宝しているということもあり、上層部過激派の一派は過去に数回彼女の暗殺を企てたという噂もある。 

「言いたいことはわかっているわ。でも、私や貴女、この聖王教会の専門家ですらこの【預言者の著書】を正確に解釈するには膨大な労力と時間がかかります。いまはそう……ひとまず様子を見ましょう」

「騎士はやてには話しておいたほうが良いのでは?」

 カリムの補佐を務めるシャッハ・ヌエラはつい先ほどまでいた者の席に視線を移す。

 温かかった紅茶の湯気は少しだけ弱くなっている気がした。

「私たちの解釈で正解ならば、まだ始まってすらいません。焦りは全てを狂わせます。今はただ、見守りましょう」

「…………騎士カリムの仰せのままに」

 口から出かけた言葉をシャッハは留める。テーブルに纏められた【預言者の著書】の隣に裏返しで置かれた一枚の【預言者の著書】はこの日、最後までそれが表になることはなかった。
 
 
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