万華鏡
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第七十五話 大雪の後でその八
「やっぱりそれだけは」
「まあね。女の子同士の暴力ってね」
「男の子のよりも陰惨なのよね」
二人の先輩は琴乃の言葉に暗い顔になって述べた。
「もう凄くね」
「いや~~~~っ、な感じのね」
「おトイレで簀巻きとかね」
「後味悪いのになるから」
「ですよね、私もそんなこと聞きます」
琴乃も先輩達の言葉を聞いて言う。
「女の子の方がそういうのは怖いって」
「うちの学校でもいじめってあるから」
「寮でも気をつけてるのよ」
「そうしたことはないようにって」
「暴力も意地悪もね」
「だから先輩達もね」
「そういうことはしないからね」
先輩達はこのことは強調して言った。
「そうしたところは安心してね」
「そこまでおかしなことはないから」
「そういえば一年の娘達からもそうしたことは聞かないです」
「でしょ?まあ最近ネットでもあるけれどね」
「ネットいじめがね」
いじめはリアルの世界だけに留まらない。それはインターネットの世界においても存在しているものなのだ。
「酷いからね、そっちも」
「寄ってたかってってだから」
「ああいうのしたら」
琴乃はネットいじめだけでなくリアルのことからも言った。
「自分の心が卑しくなりますよね」
「なるわよ、いじめは」
「自分自身がね」
その通りだとだ、先輩達も琴乃に答えた。
「心がさもしくなって」
「腐っていくのよ」
「だからいじめばかりしてるとね」
「とことんまで嫌な人間になるから」
「だからね」
「あんたもそうしたことはしないようにね」
「はい、絶対に」
いじめについてだ、琴乃は強い声で先輩達に答えた。
「そうしたことはしないです」
「さもないと自分自身によくないからね」
「いじめはね」
「それで自分にも返ってくるから」
「そうなるから」
「因果応報ですか」
琴乃はkの言葉も出した。
「それは」
「そう、それよ」
「自分に返ってくるのよ」
「それがどんな形になるかはわからないけれど」
「いじめは悪いことだからね」
因果応報はこの世の摂理だ、悪行は必ず自分に返ってくる。そしてそれが来た時にようやく因果応報が事実だとわかるのだ。
「私達もいじめはしたことないけれど」
「返って来たからね」
ここで苦笑いになって言った先輩達だった。
「お掃除怠けてね」
「倍やらされたりとかね」
「あるからね、そういうの」
「お掃除しなかったらそこからゴキブリ出たり」
「そういうのになるから」
「返って来るのよ」
「あの、幾ら何でもゴキブリは」
その虫についてはだ、琴乃は顔を曇らせて言った。
「駄目ですよ」
「私はムカデでね」
宇野先輩はこちらだった、やはり苦笑いでの言葉だ。
「出た時うわっ、って思ったわ」
「というか噛まれたら大変ですよ」
「毒あるからね」
「はい、ゴキブリも大変ですけれど」
「だからすぐにお掃除したわ」
「私もね」
高見先輩もこう言う。
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