アイドル ハイスクール!
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ホラーとアイドル
あなたは私のアイドルよ…3
アイドル…
1偶像
2崇拝される人や物
3あこがれの的
世間一般でのアイドルはまさしく、3だろう。
「アイドルになりなさい」
「なんのこっちゃ」
すでに様々なカタカナが出てきている…
ホラー…ファン…オーディエンス…オトギ…
そこに加わろうってのか、このアイドルとやらは…
「わけがわかんねぇよ…最初っからだけどな、だいたいアイドルって…歌って踊れってのか??」
「違うわよ!
…オーディエンスの力の一つに、B級ホラーを従わせる能力があるの。
まぁ従わせるって言っても、その場しのぎ程度だし、B級ホラーなんて対して戦力にならないし、そんなことしてるくらいなら、さっさと倒した方が効率いいし、
第一従わせるために、いちいち専用の魔法陣を踏ませる必要があるし…
まぁ、とにかく!その従わせたホラーの事を私たちは《アイドル》と呼んでるの」
「奴隷B級ホラー…ってとこか?」
「ま、そうね」
「アホか!!!なんで俺が初対面のわけわからない女子の奴隷にならねえといけないんだよ!!」
「いいじゃない、世の中どれだけの変態が女子高生の奴隷になることを望んでいると思ってるの?」
「一部だろうが!全部じゃねぇよ!!」
「いいから黙ってアイドルになりなさいよ」
「てゆうか俺は…ホラーじゃぁねぇ!!!」
と、南啼が叫んだ瞬間だった。
南啼の感情が高ぶったせいか、今度は一瞬にしてホラーの姿へと変身した。
「どこが「ホラーじゃない」のかしら?」
『マジかよ!?おいどうにかしろよ!!』
「どうにかって…てゆうか、やっぱり理性は残ってるのね?」
『知るか!!もう、わけわかんねぇなぁ!!!』
急に陰媛が南啼に言い放った
「その力…コントロールしなさいよ」
『……は?』
揚々と陰媛は続ける
「ホラーの力を使ってホラーを倒す…うん!主人公っぽい!!」
『なにが主人公だアホ!』
「いいじゃない、主人公いぇい!!」
『うっさいわ!!』
南啼は脅しのつもりで軽くすぐそばに積まれている、使われなくなった椅子を蹴った
その途端…
ドゴオオオオォォォォォオオオオンンン!!!…ガシャアアアアンンン!!
「………!?」
『い………!!??』
椅子は原形を留めない程にぐちゃぐちゃになりながら、
旧校舎と言っても鉄筋コンクリート製の壁を突き破り、廊下を越え、次の壁も突き破り向かいの教室の窓を破り外に落ちた……
「えっと……」
『なんだよこの力ぁぁぁぁぁああああああ!!!!!?????』
「あぁ…ホラーの力、なんだけど…」
『だけど!?だけどなんだよ!まだなんかあるのか!!!」
「……B級にしては異常なまでのパワーよ…それこそA級…いや、下手するとA級以上…
あなた!なおさら私のアイドルになりなさいよ!!」
『いやだわそんなん!!』
なんなんだよこの力!わけがわかんねぇ!!
こうなったら………
逃げる!!
「あ!!!」
決意したときには南啼はすでに動いていた
驚異的なその脚力は、旧校舎の屋根を越えることを容易くやってのけた。
天井を突き破る際、身体の表面を覆う黒い皮膚や白銀や純白、灰色の装甲が傷つくことはなかった。
南啼はそのまま屋根伝いに学校から出来るだけ遠くを目指した
私立天明高校から約30kmほど離れたところにある、既に使われなくなった工場
そこに南啼は身を潜めた…
『ここなら…しばらくは陰媛とかゆうあの女子も来ないだろう…まぁ来てもこんだけ入り組んだ工場…なんとか撒いて、また逃げりゃいいか』
それにしても…この身体…これからどうする…?
『どこぞの仮面●イダーみたいに変身でもすりゃいいのか?』
南啼は、試しにあのバッタの改造人間のように動いてみた
『変…身ッ!!』
…
……
………
『……』
ただ恥ずかしいだけで、何も起きるはずもなく…
南啼は静かに腰かけた
『そりゃそうだよな…』
その時、
ガランガラン!
向こうの方から物音がした
『まさか、もう陰媛が!?』
いや、違う可能性もある…ここはもとは使われてた工場だ…
南啼がゆっくりと音の方向を見てみると…
『ッ!?』
「ぐうううぅぅぅぅうううう!!!」
見た目はさながら…河童のような、しかし南啼が知るような可愛らしいイメージとはかけ離れた
禍々しいイメージを全面に押し出した怪物がいた
『河童ぁ!?』
「ぐあ!?」
『やべ!』
河童の怪物は南啼を見るや否や、頭部の皿を連続で飛ばしてきた
『うわ!!』
かろうじて避けた南啼だったが、地面に刺さっている皿を見て背筋を凍らせた
皿のように見えている物は、円盤状のノコギリだった
『いくらこの装甲が頑丈つっても…あれはマズイんじゃなぁい?』
「ぐうぅぅぅぅ……ぐあぁぁぁああああああ!!!!」
『うわぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!』
南啼は全速力で河童の怪物から逃げだした
「逃げてった方向から考えて…一番怪しいのは、この廃工場よねぇ
戻れ《禁兎雲(きんとうん)》」
スケボーが光の粒となり消えた
「さぁてと…話をつけないとね……
彼なら最強のアイドルになるわよ!」
陰媛は、揚々と工場に入って行った
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