ソードアート・オンライン~十一番目のユニークスキル~
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唯一無二の不確定因子
第十四話 戦乙女
前書き
すいません。また更新が遅れました。
更新遅くて本当に申し訳ないです。
俺は、オーラで小太刀を作るのと同時に床ぎりぎりの高さを一瞬にして駆け抜け、真正面からライトの懐まで踏み込むと、右手の剣をふるった。ライトはその剣の軌道の反対を沿うように黒い刀をふるって迎撃する。あたりに甲高い金属音が響いた。
俺はそのまま燃え上がるような激しい剣戟にもつれ込むが、ライトは笑みを浮かべたまま、見事な剣捌きで俺の激しい斬撃の全てを防ぐ。
はたから見れば、今の状態でも目が追いつけないほどに激しい斬撃を放っているのだが、俺はさらに加速するようにその激しさを増していった。
しかし、それでもライトのHPを減らすことはできない。それどころかライトの表情は笑みから余裕の表情に変わっていた。まるであざ笑うかのような態度に俺は歯ぎしりする。
(こんくらいは余裕ってか。上等だ、じゃあこれならどうだ!?)
俺は短剣から槍、槍から片手斧、片手斧から両手剣、両手剣から刀へと、間合い、威力が全く異なる武器に次から次へと変化させ、再び剣戟の嵐を起こした。ようやく目の前の男の顔から余裕の表情が消えた。が、それは余裕が消えただけであったのか、俺の斬撃は全て先ほど同じように捌かれた。俺は舌打ちをすると、無理やり鍔迫り合いに持って行った。
ギギギと、刃同士が引っ掻き合う音が鳴る。
「てめぇ、なんで反撃をしてこない!?」
「アハハ!! する必要がないからだよ。果たしてその攻撃いつまで続けていられるのかな?」
ライトの顔には面白いものを見つけた子供のような笑みが浮かべられていた。
(こいつ・・・・・・このスキルがHPを使って発動してることに気付いてやがる! さっきから必要以上に深追いしてこないのは効果が切れるまでの時間かせぎか!!)
HPバーをみると、すでに赤く染まっていた。まもなくこのスキルは強制解除される。そうなれば俺の負けだ。HPが減少するのと、結晶が使えなくなる以外に、このスキルには長時間発動した時のみ、起こるもう一つの副作用があるからだ。
そして俺は、すでにその副作用の条件をクリアするくらい長時間スキルを発動している。
俺はスキルが切れる前に蹴りをつけるべく、鍔迫り合いをしながら、右手の小太刀を大鎌に変化させる。
形状が全く違うものに変えることで予想外のところから攻撃加える。変化とともにライトの顔横に大鎌の切っ先が現れる。それと同時に大鎌の取っ手を両手で握り、右から左に振るった。しかし、ライトはそれに一瞬驚きの顔見せただけで、すぐさま上体を後ろに傾けそれを躱す。
そのまま後方へ倒れながら地面に手を着き、バク天を二、三転繰り返して距離を取った。
「逃すか!!」
俺は大鎌の形状から持ち手のついた巨大な円形の刃、圏に変化させて、投げつけた。同時にそれを追って走る。狙うは、圏を弾くか防ぐをした後にできるであろう一瞬の隙。
最速で追撃を加えるべく、右手にオーラを集め、レイピアを作り出す。
だが、ライトはそれを見て大きなため息をつくと、彼は投げられた武器を弾くでも防ぐでもなく掴んだ。そして呆れた声で一言。
「武器を投げるなんて愚の骨頂だよ」
ライトはそのまま俺に向かって投げ返した。それを見た俺は内心少し驚いた。
(予測の内だが、本当に高速で回転する圏の持ち手を正確に掴むとはな。まあ関係ねえな・・・・・・)
俺は口許に笑みを浮かべ、そのまま迫ってくる圏に向かって突っ込んだ。そして、圏が俺に当たる直前、それを消し去った。
「なっ・・・・・・!!」
ライトは円形の刃が俺と接触する直前に音もなく消えたことに今度こそ驚きの声を漏らす。その一瞬で俺はライトとの距離を詰め、ソードスキルを発動させる。
(これで終わらせる!!)
「うおおおおお!!」
叫びとともにレイピアがまばゆい赤に発光し、同時に右手がシステムの見えざる手に後押しされた。
ライトの体をまず縦に、次いで横に貫いた。両肩、胸、喉、腹、計六か所。
細剣六連撃技<クルーシフィクション>
しかし、六撃目を放った瞬間、俺の腹に衝撃が走るのと同時に全身の力が抜けて、地に伏せた。直後、カランと乾いた音が響く。視界の右隅にある自分のHPバーに目を向けると。そこには風前の灯火ほどしかないHPと、普段は存在しないグリーンに点滅する枠に囲まれていた。
間違いない。麻痺毒だ。
そう。ライトは俺が六撃目を入れる瞬間、後ろに飛んで衝撃を弱めるのと同時に俺に向けて毒ナイフを投げつけたのだ。
「ハハ、危なかったよ。もし僕が毒ナイフを投げていなかったら確実に殺られていたよ。最後の攻撃の後、君も毒ナイフを使うつもりだったんだろう?」
ライトは俺の脚の横に落ちてるナイフを見ながら言った。
(まじか・・・・・・くそ・・・・・・もうお手上げだ)
ライトの言う通り、俺は麻痺毒付きのナイフを最後の一撃を放つとともに足元に作り出し、体術の足技で蹴りあげるつもりだった。が、麻痺させる目論見は相手に先にやられてしまった。
今の俺の体は肘から下の左手がかろうじて動くだけ。もう逆転はない、そう思った。が、まだ勝利の女神はリオンのことを見捨てていなかった。
俺の耳に涙と悲鳴が混じった声が届いた。
「リオン!!」
視界の端に、ふわりと宙を舞う金色の髪が映った。それを見た俺は無理やり首を動かし、なんとか視界の中心にその髪の主を納める。
そこには俺のすぐそばに片膝をつけながら、山吹色に輝く剣をライトに向けているアリスがいた。
後書き
十五話目です! 本当に申し訳ありません。あまりにイベントごとやらなにやらで時間が全然取れませんでした。どうにか合間を見つけて、書き上げました。毎回書いた後の修正をしているんですが、今回はその修正の時間があまり取れなかったので、話がつまらないかもしれません。そしたらごめんなさい・・・・・・
こんな更新めちゃくちゃ遅い駄作者ですがこれからもよろしくお願いします!!
※追記
手違いで前の話の元?みたいなのも出してしまいました。申し訳ありませんでした><
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