アニメにおけるOCGデッキの可能性
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
鉄の竜と駆ける戦乙女
後日、合格通知が届いた。
いや、まあ、あれで落ちてたら学校自体を疑うよね。……おかしいんだけどさ。
立派な戦術であるバーンやロックを嫌う風潮とかね。サイバー流が苦手なのをピンポイントで……。校長がサイバー流だからだろうな。
「まあ……俺には関係ないか」
デュエルアカデミアへむかう船の上でポツリと呟いたが、なんの返答も返ってこない。
なぜなら隣に座っているクーという可愛い寝息をたてながら恵が眠っているから。
ちなみに俺はイエロー。恵はブルーである。……一人で起きられるのか、恵は。
いや、無理だな。
「……天上院明日香に話をしておかないとな」
なぜかは知らないが恵と同室の生徒は原作ヒロインの天上院明日香なんだよなぁ。
恵は社交的じゃないから俺がお願いしておかないといけないのたが……たしか人気者だったし、話し掛け辛いなぁ。
たしか声優は……
「私に何か用なの?」
そうそう、確かリリカルなのはのリインフォース・アインスと同じ人だったな。
声を聞いたら思い出した……って。
「うおっ!?」
振り返るとそこには淡い栗色の髪の毛にそれと同色の瞳の少女がいた。確かに騒がれるだけのことはある美少女だ。
原作キャラその二との邂逅で少々観察してしまっていた。そして訝しげな天上院明日香の声で我に返る。
「……なに?」
「あー、すまん。見惚れてた」
そういうことにしておこう。……なぜか恵身じろきをしたけど。
「……そう。で、私の名前を呼んでいたけれど何か用事でも?」
俺がイケメンじゃないのは知っていたし、別に天上院明日香に惚れたとかじゃないのだが、こうもあっさりと流されるのはなんかクるものがあるな。
「天上院さんは自分の同室の人って知ってるか?」
軽く咳ばらいをすると本題に入る。
「ええ。確かレイン恵さんと言ったかしら。あと私のことは明日香でいいわよ?」
「じゃあ、お言葉に甘えて。恵……レイン恵なんだが朝がとても弱くてな」
そう言って眠っている恵の頭を軽く二、三回ポンポンとはたく。
その手に釣られて明日香が恵を見た。彼女が?と首を傾げてきたので頷く。
「こんなことを初対面の人に頼むのはどうかと思うが面倒を見てやってくれないか?」
「まあ……いいわよ」
流石に厳しいか、と思ったがやはりアニメの主人公組。とても広い心をお持ちのようである。
「ただ、条件があるわ」
……と思ったけどそんなことは無かったぜ。
どんな無茶振りをされるのか内心ビクビクしながらその条件を聞くと……
「私とデュエルしなさい。第三席入学の尾上逢魔君?」
遊戯王って目と目があったらデュエルを仕掛けられるようなポケモン的世界だったっけ?
†††
時は流れてデュエルアカデミアに到着。荷支度もそこそこにデュエルアカデミアにあるデュエルゾーンに連れて来られた俺。
有名人である明日香がデュエルするとのことで、まだ入学式を迎えていないのにも関わらず、観客席はかなりの人数がいた。しかもアウェー。こちらの味方は恵となぜかいたエアーマンしかいない。
「じゃあ、行くわよ」
「……いつでもどうぞ」
「「デュエル」」
「先攻は私が貰うわね。ブレード・スケーターを攻撃表示で召喚。カードを一枚伏せてターンエンドするわ」
「俺のターン、ドロー」
攻撃力1400のバニラを攻撃表示で出すとか……。俺の手札にサイクロンのようなバック割りカードがあったらどうするつもりなのだろう。……ないけど。
「サイバー・ドラゴンを攻撃表示で特殊召喚」
「なっ……サイバー流!?」
サイドラを出した瞬間、周囲のザワザワが大きくなる。サイドラ出しただけでサイバー流だと判断するとかアホなの?バカなの?死ぬの?
「まあ、似て非なるものだな」
確かにほとんどがサイバーデッキだがメインカードは違う。
そう考えつつ、俺は隣に浮かぶエアトスに目をやる。
「マスター、頑張ってください!」
……心配だ。
「サイバー・ドラゴン・コアを通常召喚。効果でデッキからサイバー・リペア・プラントを手札に加える」
なんか校長が目を見張ってるのを発見した。……もしかしてコアとか持ってない……迂闊。まあ、いいや。邪魔ならバーンとロックで叩き潰す。
「バトル、サイバー・ドラゴンでブレード・スケーターを攻撃。エヴォリューション・バースト」
「くっ……トラップカード発動、ドゥーブルパッセ! これでお互いにダイレクトアタックをすることになるわ」
明日香
4000→1900
逢魔
4000→2600
「守ったか。ならサイバー・ドラゴン・コアでブレード・スケーターを攻撃する」
「なっ、攻撃力はこちらの方が上なのに!?」
2600→1600
明日香のフェイバリットカード、サイバー・ブレイダーは相手フィールド上にモンスターが二枚あるとき攻撃力が4200まで上昇するからな。一応防御札はあるが、抑えておくに越したことはない。
「これで手札のサイバー・リペア・プラントが発動できる。効果でデッキからサイバー・エルタニンを手札に加える。カードを一枚伏せ、ターンエンド」
悪いが速攻でカタを付けさせてもらう。本来はエクシーズを使うこのデッキ。ライフ4000だとすぐ死ぬし。
「私のターン、ドロー!……サイバー流。しかも私の知らないカードたち。悪いけど本気で行かせてもらうわ!」
今までは本気じゃなかったんかい。
「手札から融合を使うわ。フィールド上のブレード・スケーターと手札のエトワール・サイバーを融合!……来なさい、私のエースモンスター、サイバー・ブレイダー!」
まあ、強いは強いんだが……少々痒いところに届かないお方が登場した。
あー……うん。微妙。
「そしてコマンド・ナイトを召喚するわ。これでフィールド上の戦士族モンスターの攻撃力は400ポイントアップする! これでサイバー・ブレイダーの攻撃力がサイバー・ドラゴンの攻撃力を上回った」
せやね。でも別に上回らなくても問題なくライフを削り切れたと思う。それにこちらのモンスターが一枚の時、サイバー・ブレイダーは戦闘によって破壊されないから一方的にやられたはず。
「バトルよ! サイバー・ブレイダーでサイバー・ドラゴンに攻撃!」
「それは流石に許せないな。手札の虹クリボーの効果発動。サイバー・ブレイダーの装備カードとなり、装備モンスターは戦闘を行うことができなくなる」
周りから手札からカードを使ったことで驚愕の声があがる。……お前らクリボーと虹クリボー、クリフォトンに謝れ!
「……させないわ! 手札からサイクロンを使って虹クリボーを破壊! 戦闘続行よ!」
1600→1200
突破されたかー。わー、ヤバイ(棒)
「これでトドメね。コマンド・ナイトでダイレクトアタック!」
「墓地の虹クリボーの効果発動。相手モンスターの直接攻撃宣言時、このカードを特殊召喚できる。ただし、この効果で特殊召喚した場合、フィールド上から離れる時はゲームから除外される」
「くっ……コマンド・ナイトの攻撃は続行。虹クリボーに攻撃するわ」
墓地からはい出てきた虹クリボーがコマンド・ナイトに切り裂かれ、再び消えていく。
「倒し切れなかったけれどこれであなたのフィールド上はガラ開き。コマンド・ナイトはサイバー・ブレイダーがいる限り攻撃対象にできないわ。……次で終わりね」
確かに次のターンで終わるな。
俺の勝ちで。
「そうだな。……俺のターン、ドロー。アームズ・ホールを発動。通常召喚権を放棄する代わりにデッキから装備カードを一枚手札に加えることができる。そして、デッキトップを墓地に送る」
手札に加えたのは後のお楽しみということで。
墓地に落ちたのはサイバー・ドラゴン・ドライか。まあまあだな。
「通常召喚を放棄してまで装備カードを手札に?フィールド上にモンスターがいなければ意味ないじゃない」
なぜか周りから嘲笑があがる。明日香は落胆の様子だ。
……いや、このデッキはあまり通常召喚を使わないからなんだが……。
「墓地のサイバー・ドラゴン・コアの効果発動。自分フィールド上にモンスターが存在せず相手フィールド上にのみモンスターが存在する場合、このカードをゲームから除外しデッキからサイバー・ドラゴンとなのついたモンスターを特殊召喚できる。よって俺はデッキからサイバー・ドラゴンを特殊召喚」
「そんな効果まで……でもサイバー・ドラゴンの攻撃力は2100。サイバー・ブレイダーの攻撃力、2500は越えられないわ。装備カードを付けたとしても私のライフ、1900ポイントを削り切ることなんてできない!」
装備カードなら巨大化辺りがあるな。
まあ、違うけど。というかサイバー・ドラゴンを召喚したのは召喚対応罠の有無を確かめたのと、攻撃力の底上げが目的だし。
「自分フィールド上、墓地に存在する機械族・光属性モンスターをすべてゲームから除外し、サイバー・エルタニンを特殊召喚する。このカードの攻撃力と守備力はこの召喚のためにゲームから除外したモンスターの数かける500ポイントとなる。除外したのはサイバー・ドラゴン二体、サイバー・ドラゴン・ドライの三体。よって1500ポイントとなる」
「……攻撃力が下がったわよ?」
首を傾げる明日香。いや、攻撃力守備力だけじゃなくて効果も読めよ……。
「サイバー・エルタニンが特殊召喚された時、このカード以外のフィールド上に表表示のモンスターをすべて墓地に送る」
サイバー・エルタニンがまばゆいばかりの閃光を放つとサイバー・ブレイダーとコマンド・ナイトは空気に溶けるように消えていった。
「なっ……」
なぜ驚く。この程度、よくあることだろうに。
「手札からガーディアン・エアトスを特殊召喚。このモンスターは自分の墓地にモンスターが存在しない場合手札から特殊召喚できる」
「ふふっ、マスター。僕、頑張りますからね」
残念だがトドメしか仕事がないぞ、お前。
「……攻撃力……2500……」
「オーバーキルは基本だよな」
「え、ええっと……」
冷や汗をかく明日香。OCGのLP8000で計算するとあと6100ほどあるからな。削り切るレベルで頑張る。
「装備魔法、女神の聖剣-エアトスをガーディアン・エアトスに装備。ガーディアン・エアトスの効果発動。装備魔法を墓地に送って相手の墓地のモンスターを三体ゲームから除外し、一枚につき500ポイントアップする」
これで攻撃力が4000ポイントになった。女神の聖剣-エアトスの効果が使えなかったのは残念だが……まあ、どちらにせよ倒せるか。
「バトル、サイバー・エルタニンとガーディアン・エアトスでダイレクトアタック」
「やあっ!」
無駄に凛々しい掛け声とともにエルタニンが減らして少ししか残っていなかった明日香のライフポイントをエアトスが削り切った。
1900→400→-3600
「ドヤッ」
口に出すな口に。あとエアトス、お前はトドメを刺しただけだろうが。
・ブレード・スケーター
通常モンスター
レベル 4
属性 地
種族 戦士族
攻撃力 1400
守備力 1500
・サイバー・ドラゴン・コア
効果モンスター
レベル 2
属性 光
種族 機械族
攻撃力 400
守備力 1500
このカードが召喚に成功した時、デッキから「サイバー」または「サイバネティック」と名のついた魔法・罠カード1枚を手札に加える。
また、相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「サイバー・ドラゴン」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。
「サイバー・ドラゴン・コア」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
このカードのカード名は、フィールド上・墓地に存在する限り「サイバー・ドラゴン」として扱う。
・サイバー・リペア・プラント
自分の墓地に「サイバー・ドラゴン」が存在する場合、以下の効果から1つを選択して発動できる。
自分の墓地に「サイバー・ドラゴン」が3体以上存在する場合、両方を選択できる。
「サイバー・リペア・プラント」は1ターンに1枚しか発動できない。
●デッキから機械族・光属性モンスター1体を手札に加える。
●自分の墓地の機械族・光属性モンスター1体を選択してデッキに戻す。
・ドゥーブルパッセ
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動可能。その相手モンスターの攻撃を直接攻撃とし、攻撃対象となっていた自分のモンスターで相手プレイヤーにダイレクトアタックできる。
・サイバー・エルタニン
効果モンスター
レベル 10
属性 光
種族 機械族
攻撃力 ?
守備力 ?
このカードは通常召喚できない。
自分のフィールド上・墓地の機械族・光属性モンスターを全てゲームから除外した場合のみ特殊召喚できる。
このカードの攻撃力・守備力は、このカードを特殊召喚するためにゲームから除外したモンスターの数×500ポイントになる。
このカードが特殊召喚に成功した時、このカード以外のフィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て墓地へ送る。
・エトワール・サイバー
効果モンスター
レベル 4
属性 地
種族 戦士族
攻撃力 1200
守備力 1600
このカードは相手プレイヤーを直接攻撃する場合、ダメージステップの間攻撃力が600ポイントアップする。
・サイバー・ブレイダー
融合・効果モンスター
レベル 7
属性 地
種族 戦士族
攻撃力 2100
守備力 800
「エトワール・サイバー」+「ブレード・スケーター」
このモンスターの融合召喚は、上記のカードでしか行えない。
相手のコントロールするモンスターが1体のみの場合、このカードは戦闘によっては破壊されない。
相手のコントロールするモンスターが2体のみの場合、このカードの攻撃力は倍になる。
相手のコントロールするモンスターが3体のみの場合、このカードは相手の魔法・罠・効果モンスターの効果を無効にする。
・コマンド・ナイト
効果モンスター
レベル 4
属性 炎
種族 戦士族
攻撃力 1200
守備力 1900
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分フィールド上に表側表示で存在する戦士族モンスターの攻撃力は400ポイントアップする。
また、自分フィールド上に他のモンスターが存在する場合、相手は表側表示で存在するこのカードを攻撃対象に選択する事はできない。
・虹クリボー
効果モンスター
レベル 1
属性 光
種族 悪魔族
攻撃力 100
守備力 100
「虹クリボー」の以下の効果はそれぞれ1ターンに1度ずつ発動できる。
●相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
このカードを手札から装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。
この効果でこのカードを装備しているモンスターは攻撃できない。
●相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。
このカードを墓地から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。
・アームズ・ホール
通常魔法
自分のデッキの一番上のカード1枚を墓地へ送って発動する。
自分のデッキ・墓地から装備魔法カード1枚を手札に加える。
このカードを発動するターン、自分は通常召喚する事はできない。
・サイバー・ドラゴン・ドライ
効果モンスター
レベル 4
属性 光
種族 機械族
攻撃力 1800
守備力 800
このカードが召喚に成功した時、自分フィールド上の全ての「サイバー・ドラゴン」のレベルを5にできる。
この効果を発動するターン、自分は機械族以外のモンスターを特殊召喚できない。
また、このカードが除外された場合、自分フィールド上の「サイバー・ドラゴン」1体を選択して発動できる。
選択したモンスターはこのターン、戦闘及びカードの効果では破壊されない。
このカードのカード名は、フィールド上・墓地に存在する限り「サイバー・ドラゴン」として扱う。
・巨大化
装備魔法
自分のライフポイントが相手より少ない場合、装備モンスターの攻撃力は元々の攻撃力を倍にした数値になる。
自分のライフポイントが相手より多い場合、装備モンスターの攻撃力は元々の攻撃力を半分にした数値になる。
・女神の聖剣-エアトス
装備魔法
装備モンスターの攻撃力は500アップする。
このカードがフィールドから墓地へ送られた時、自分フィールドの「ガーディアン・エアトス」1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力は、除外されているモンスターの数×500アップする。
後書き
VS明日香デッキ
初期明日香はなんと形容していいのかわからない……。この先どうするか悩みますね。氷軸にするか……。
今回の主人公のデッキは私の完全オリジナルデッキ。サイトとかにもなかったし、多分。
サイバーエアトスデッキですね。基本はサイバーデッキの動きをします。サイドラやドライだして簡易融合からのランク6のエクシを狙います。ほぼ特殊召喚なのでアームズ・ホールのデメリットがあまり気になりません。ラストアタックはエルタニンで墓地をすべて除外のエアトス。聖剣付けてサイク起動のワンキルですね。完全にファンです、はい。
ちなみに主人公の伏せカード、あれはトラップスタンです。
エアトスは次元デッキが多く、その効果が使いにくいんですが、まあ、頑張って運用しましょう。スピリットと組み合わせるか……と思ってたら先客がいましたし。
ページ上へ戻る