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魔法をもらって

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第六章

 その名前を聞いて頷いてだ、遥と菫礼もそれぞれ名乗った。そこから遥が二人を人目のある受付のところから人のいない喫茶コーナーに案内してもらった。
 そしてそこでだ、ひっそりと問うたのだ。
「お二人は今お相手は」
「彼女ですか?」 
 乾が遥の問いに応えてきた。
「そのことですか」
「はい、そうした方は」
「いないです」
「私もです」
 三原も答えてきた。
「そうした相手は」
「ではお二人共今はフリーですね」
「残念ですが」
「そうなります」
「そうですか、では今度お茶でも」
 遥は必死の勇気を振り絞って乾を見つつ言った。
「どうでしょうか」
「はい、何時でも」
「あの、刑事さん」
 菫礼も必死な顔でだ、草加に言った。
「私、まだ子供ですけれど」
「お嬢ちゃんは幾つかな」
「十一です」
「それなら後七年待ってくれるか」
 草加は優しい声で菫礼に言った。
「そうしたらまた来てくれ」
「七年ですか?」
「俺は独身だがな。ついでに言うと二十五だ」
 草加は自分の年齢も話した、外見よりは若い様だ。
「あと七年経ってお嬢ちゃんがまだ俺を好きでいてくれたら」
「その時にですか」
「また来てくれ」
 こう言うのだった。
「そうしてくれるか」
「私はまだ結婚出来ないからですね」
「小学生と付き合ったら犯罪だよ」
 草加は苦笑い、サングラスを外してそのきりっとした目をそうさせてそのうえで言った。
「だからそれは出来ないよ」
「それじゃあ私が結婚出来る歳になってから」
「来てくれたら嬉しいな」
「わかりました」
 菫礼は素直なところがある、それで草加の言葉に頷いて答えたのだ。
「七年後、けれど」
「けれど?」
「その間刑事さんを見ていていいですよね」
 その七年の間だというのだ。 
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