転生とらぶる
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コードギアスR2
0632話
目の前にあるのは、俺が見慣れたバルシェム生成チャンバーを数倍程に大きくしたような代物だった。それでいて機能的には大きく劣っているというのだから、以前にこれを見たレモンが微かに眉を顰めたのも無理は無いだろう。
いや、技術力の差を考えれば当然なんだけどな。
「では、コーネリア殿下。ジェレミアを覚醒させます」
「……アクセル、本当に構わないんだな?」
周囲に10人近くいる研究者達を代表してバトレーがコーネリアに尋ねるが、そのコーネリアは最後の確認をするように俺へと尋ねてくる。
その言葉に無言で頷くと、コーネリアもまたバトレーに頷き、それを見て周囲の技術者達は作業へと入る。
一応バトレーとしてはギアス響団から助けられた事で、俺にも感謝はしているみたいなんだが、やっぱり近くにブリタニア皇族がいるとそちらに忠誠を誓ってしまうらしい。
まぁ、俺に若干厳しく当たるのはそれだけが原因ではないらしいが。
若干厳しい顔付きでコーネリアの左手の薬指に嵌っている指輪へと視線を向けたバトレーを見れば、大体理由は理解出来るだろう。
勿論バトレーがコーネリアに横恋慕をしているとかそういう意味では無い。純粋に、ブリタニア皇族のコーネリアが俺の恋人であるのが気に食わないのだろう。バトレーの忠誠心は原作でジェレミアをもってしても尊敬すると口にした程のものなのだから。
「コーネリア殿下、ジェレミアが目覚めます」
その言葉と同時に、チェンバーの中にいたジェレミアが目を開く。
その左目には既にギアスキャンセラーが備わっているのだろう。特徴的な飾りが付けられていた。
バルシェム生成チャンバーであるのなら手術着を着た状態でも問題無いのだが、ギアス世界の技術ではチェンバーの中に異物を入れるというのは許容出来ないらしく、素っ裸の状態だ。その状態で目を覚ましたジェレミアは周囲を見回し、見える景色がギアス響団のものと違うのに気が付いたのだろう。忙しく周囲の様子を確認し、コーネリアへと視線を向けて動きを止める。
「いいか、ジェレミア。今からそこから出すが、暴れるなよ」
こちらの声も聞こえているのだろう。バトレーの言葉に微かに頷き、それを確認した技術者達が機械を操作するとチェンバーの中に入っていた液体は排出されて排水溝へと流される。
そしてジェレミアは、しっかりとした足取りで技術者の開いた扉からチェンバーの外へと姿を現す。
「コーネリア殿下……何故このような場所に」
「いいから、まずはこれを着てこい。いつまで裸でコーネリアの前にいるつもりだ」
溜息を吐き、近くにあったバスタオルと手術着を放り投げてやる。
「お前は確か……アクセル・アルマー?」
「質問は後回しだ。まずはいいから着替えてこい」
コーネリアも俺との生活で男の裸を見て悲鳴を上げる程に純情な訳では無いが、それでもいい気分がしないのは事実だ。
数分程で身体を拭いて手術着を身につけたジェレミアが俺達の前へと戻って来る。そして、どこか不思議そうな表情を浮かべてコーネリアや俺を見ているが……もしかして陽光の件を知らないのか? 陽光建国以来、星刻や麗華、オデュッセウス共々俺の顔がTVに出ない日は無いんだし。
もちろん俺の情報がある訳では無いので、基本星刻達だが……それでも、アクセル・アルマーという人物がブラックリベリオン以前にブリタニア軍に所属していたというのをどこかから調べてきた者がいたらしく、その辺の情報はオープンになっている。
だが、今こうして見る限りでは、ジェレミアがその件を知っている様子は無い。となると、最終調整とやらが行われたのは陽光の建国宣言前だったのか?
一応確認の為に聞いて見るか。
「ジェレミア、ジェレミア・ゴットバルトだな。俺の名前を知っていたようだが?」
俺のその問いに、不思議そうな顔をしつつもしっかりと頷くジェレミア。
「当然だろう。お前はコーネリア殿下直属の部下としてエリア11のブリタニア軍でも有名だったからな。……その、私は色々あって直接話す機会は無かったが、それでも遠くから顔を見た事はあるし、KMFとは違う設計思想の機体を使っているというのは噂で聞いていた」
「コーネリアについてはどこまで聞いている?」
「……どこまで?」
「ああ。ブラックリベリオンの時の記憶はあるんだろう? それ以降のコーネリアの足取りをV.V.から聞いていないのか?」
V.V.。その言葉が出た瞬間、ジェレミアの動きが一瞬だけ止まるが、すぐに何かを考えるように小さく首を傾げてから口を開く。
とにかく自分の質問は後回しにする事にしたのだろう。この辺、ジェレミアが有能な証だよな。オレンジと馬鹿にはされているが、そもそも有能でなければ基本的に実力主義のブリタニア軍で純血派のリーダーになるのは不可能だろうし。
「ブラックリベリオン後は行方不明になったとしか聞いていないな。だが、ここにコーネリア殿下がおられるという事は、ギアス響団に?」
そんなジェレミアの言葉に首を左右に振る。
「いや、ここはギアス響団じゃない。陽光という国の首都、光明だ」
「……陽光? 光明? どちらも聞いた覚えの無い名前だが」
やはり知らないか。となると、これで決まりだな。
単純に最終調整に入った時はまだ陽光が建国されてなかったのか、あるいは敢えてV.V.が情報を教えなかったのか。どっちもありそうだが、別にどっちでも構わないというのも事実ではある。ジェレミアが俺達の事を知らないというのは事実なのだから。
「そうなると、最初から説明が必要だろうな」
呟き、バトレーの方へと視線を向けると、こちらもまた興味深そうに俺へと視線を向けている。まぁ、ギアス響団に缶詰になっていたんだから、この陽光にやってきて大まかな事情は知ったのだろうが、正確な情報は知らないのだろう。
「まず、ここは元々中華連邦と呼ばれていた土地だ。そこを俺やコーネリア、あるいは元中華連邦の黎星刻という奴等が奪い取って国を建国した訳だ」
そう言い、陽光の概略やメンバーを説明していく。
さすがに名目上とは言ってもオデュッセウスが国の代表、御輿的な役割をしていると聞き2人共驚いてはいたが、その後も説明を続けて行く。
そして10分程が経ち……こっちの事情を大体は知っているバトレーはともかく、ジェレミアは唖然とした視線を俺へと向けていた。
「アクセル・アルマー、お前があの不死身のV.V.を殺したというのか?」
さすがに不死身だというのは知っていたらしいジェレミアの言葉を聞き、空間倉庫からV.V.の石像を取り出す。
何も無い空間からいきなり現れた石像に驚愕の目を向けていた2人だったが、それがV.V.であると知ると、その驚愕は更に大きなものになった。
「これは……V.V.!?」
「正解だ。別にV.V.をモチーフにした石像という訳じゃないぞ。正真正銘、本物のV.V.だった存在だ。俺の力で石像にした。この石化能力は、使用者である俺にも解除は不可能だからな。V.V.は死んだと言ってもいいだろう。あるいはまだ石化の状態で生きている可能性もあるが、この状態だともし生きていてもその方が辛いだろうな」
俺の言葉が信じられないのか、あるいはそれよりも驚きの方が勝っているのか。2人は俺とコーネリアの見ている前でV.V.の石像を触ってその存在を確かめている。
そのまま数分が過ぎ、ようやく目の前の石像がV.V.であると納得したジェレミアへと視線を向ける。
「さて、ジェレミア。お前には現在3つの道がある」
「3つだと?」
「ああ。もちろん正確には他にも取るべき道はあるかもしれないが、俺が提示出来るのは3つだな」
その言葉を聞き、ジェレミアが小さく頷き俺へとじっと視線を送ってくる。
そんな視線を受けながら、まず示すのは第1の道。
「1つ目。それはバトレーや他の研究者達と共に異世界の火星へと出向き、テラフォーミング作業を続ける事だ。この選択肢の利点は、ギアス響団に属していたとしても向こうの世界にはその件を知っている者はいないし、それを知っても特に驚かれない事。何しろ魔法とかが普通に存在しているからな。他にも闘技場や賞金稼ぎ、トレジャーハンターとかがあるから、腕に覚えがあれば金や名誉に困る事はないだろう。また、向こうの火星はテラフォーミング作業をやっている関係や、手付かずの広大な大地がある関係上、他の世界からの移住者が多いというのも人によっては利点だろう。欠点は、向こうの世界に行った以上そう簡単にこの世界に戻って来られないといったところか」
俺の話を聞き、納得したように頷く。ジェレミアの身体の事を考えれば、この世界のサクラダイトがないと色々と拙い事にもなりそうだが、その辺はバトレーを始めとする技術者がいればどうとでもなるだろうし、あるいは魔法でどうにかなる可能性もある。
「2つ目。陽光、あるいは俺達シャドウミラーに所属する。この利点はまず何と言っても戦力だろう。説明した通り、俺達の技術力はこの世界の遥か先をいっている。数で相手を圧倒する為の無人量産機ですらKMFでいえばナイトオブラウンズ専用機でもある第8世代KMFと同等の力を持っているしな。他にも、ここにいるコーネリアはシャドウミラー所属だ。ブリタニア皇族に対して高い忠誠心を持っているお前としては望むところの筈だろう? 後はシャドウミラーである以上、他の世界と比較的自由に行き来出来るという違いもあるな。欠点としては、この世界ではブリタニアを含む戦いに繰り出されるだろうし、あるいは他の世界で巻き起こると思われる戦いにも当然参加して貰う。陽光に所属するとコーネリアとオデュッセウスの違いはあれど、ブリタニア皇族に対する忠誠を尽くせるのは同じだな。ただし、使用機体がシャドウミラーの物ではなくKMFがメインになるというのと、他の世界の戦いに参加しなくても構わないという違いはある」
真面目な顔をして頷くジェレミア。
そんなジェレミアを眺めつつ、最後の選択肢を口にする。
「3つ目。最後の選択肢。それは黒の騎士団に合流する事だ」
「ブリタニアではなく、か?」
ピクリと身体を僅かに動かした後、そう尋ねてくるジェレミア。
「そうだ。黒の騎士団と因縁の深いお前が合流するのは難しいだろうが、それに関しては俺の方で手を打とう。お前が気にしているゼロ。……いや、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアに関しても少しだけだが伝手がある」
ルルーシュと伝手があるという言葉に、再び反応を示すジェレミア。この辺は忠義云々じゃなくて複芸が苦手な証だろうな。いや、俺も人の事は言えないんだが。バトレーも同様に驚愕の表情を俺へと向けている。
「この選択肢の利点はお前がルルーシュと会える事か。色々と聞きたい事があるんだろう?」
「それは……」
「いや、別に無理に聞こうとは思わないさ。ただ、正直この選択肢は余り進めないがな」
「……その理由を聞いても?」
「まず間違い無く俺達と戦う事になるからだ。黒の騎士団は中華連邦の庇護にいるようなものだから、援軍の要請をそう何度も断る事が出来ないだろうし、ゼロにしてみればギアス響団に関しての資料やら研究データやらも欲しい筈だ。他にも、かつてブラックリベリオンを失敗に導いたV.V.の身柄とかな。だが、それら全てをこちらが……というよりも、俺が握っている。そんな状態で俺達と手を組もうとは思わないだろうし、あるいはゼロがそれを主張しても他の幹部達が何と言うかだな」
それに、こちらとしても黒の騎士団は計画の要といってもいい存在なのだ。そう簡単にこちらに尻尾を振って貰っては困るというのもあるし、何より黒の騎士団と組んだりしたらメリット、デメリットで考えれば圧倒的にデメリットの方が高い。高い技術力はそれなりに魅力的だが、技術力の差を考えれば欲しいのは輻射波動関係の技術くらいか? それにしてもあればいいという程度でしかない。
飛翔滑走翼はテスラ・ドライブの技術がある以上特に目新しい者ではないし。となると残るは戦力としての黒の騎士団だが、数名の個人以外はメギロートよりも圧倒的に劣っている。カレンと藤堂くらいの腕なら欲しいとは思うが。
そして、何よりもコーネリアの問題がある。幾ら先の放送でユーフェミアの汚名を雪いだとは言っても、結局ユーフェミアにギアスを使用したのはルルーシュなのだ。そんなルルーシュが率いる黒の騎士団と同盟関係を結んだとしたら……どんな事態が待ち受けているのか想像するのはそう難しい話ではない。
それに鵬法璽によってこちらのメンバーにギアスを使用出来ないようにはしてあるが、ルルーシュの能力を思えばどんな抜け道を見つけ出すか分かったものではないしな。
「……さて。色々と言ったが、結局俺に提示出来る道はこの3つだ。個人的にはこのままシャドウミラーに所属して欲しい所だが……選択を聞かせて貰えるか?」
俺のその問いに、ジェレミアは間髪入れずに1つの選択を口にするのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:120
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:533
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