とある3人のデート・ア・ライブ
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第一章 精霊
第2話 出発
前書き
いきなり自己解釈が多くなります。
とある空港
ここに絶対と言ってもいいほど、原作で一緒に会うことはないだろう3人が集まっていた。
上条当麻
佐天涙子
一方通行
何故集まったかというと、3人は最近学園都市の外で起こっている空間震の調査しに向かうのだ。
理由は学園都市でも起こる可能性があるからである。
ここで一方通行が疑問を口にした。
一方「ンで?上条は分かるが、なンで佐天がここにいるンだァ?」
佐天の方を見ながら言う。一方通行から視線をもらった佐天は笑顔でこう言った。
佐天「私の所にも封筒が届いたからに決まってるじゃないですか!」
そんな満面の笑みを向けられた一方通行は舌打ちしながら明後日の方向を向いた。
上条「でも、なんで闇と関わりのない佐天さんが呼ばれたんだろうな?」
一方「ヤツらの思惑は分からンが……それよりテメェの耳に付けてる通信機みたいな物は何だァ?」
一方通行が言っているのは佐天が耳につけているもののことだろう。
佐天「これは『演算補助装置』ですよ」
上条「演算補助装置?」
佐天「どうやらここのボタンを押すと1日30分だけですけど能力が使えるんですよ。それでここのボタンをもう一回押すと能力は使えなくなるんです。幻想御手の改良版らしいです」
佐天は演算補助装置のボタンを示したがら言う。
佐天「この装置を使うと一時的にLevel4並の力が出るんですよ」
一方「ほォ…そりゃ便利だなァ…。俺のチョーカーと似ているな」
佐天「でも一方通行さんのチョーカーとは少し違うんですよ」
一方「ン?どういうことだ?」
簡単に説明すると、一方通行のチョーカーは電波でチョーカーが妨害され、能力を使えなくなる可能性はあるが、充電すれば、例えば残り12分しか使えないのも再びフルにリセットできるのだ。
だが佐天のは通信機に見えるのは見せかけで、ボタンを押すと、演算を補助する音楽が流れる。なので電波で妨害される心配はないのだが、一方通行のチョーカーみたいに充電しても、例えば残り12分しか使えない場合、充電しても12分のままなのだ。
何故そうなってるかというと、30分以上使うと、佐天の脳がパンクするからで、30分経てば強制的にスイッチが切れる仕組みになっている。
ちなみに、これは佐天専用の装置で、佐天以外の人が使うと土御門が魔術を使った時のように血まみれになる仕組みになっている。
どうやってこんなものを作れたかというと、佐天の授業の1つ、能力開発の時に佐天の脳の脳波を調べて、徹底的に解析したらしい。
上条「なるほどね…。それでどんな能力なんだ?」
佐天「風力操作らしいです」
一方「ベクトル操作と似てやがる…」
佐天「まあ、簡単に言えば、ベクトル操作の風だけバージョンですからね」
と2人が言ってるが上条はチンプンカンプンな顔だ。
上条「え〜と……風力使い(エアロハンド)とは何が違うんだ?」
上条はまるでテストで基本問題が分からなかった時のようなマヌケな顔をした。
一方通行が面倒くさそうに簡単に説明する。
一方「簡単に言えば風力使いは風を生み出すことは出来ンだが、風力操作はそれができねェ……その変わりに風力操作は風力使いより応用の幅が広いンだよ」
ま、その分演算が面倒なンだけどな、と、一方通行が補足する。上条はまた、分かったような分からないような曖昧な顔をした。
一方「それより、ここに迎えが来るとか言ってたンだが……一体いつになったら来るンだァ?」
佐天「確かに遅いですね」
と言っても今待ち合わせ時刻になったのだ。一方通行と佐天と上条は少し早めにきていたからそう感じるのも無理はない。
上条「ん?あれじゃないのか?」
と上条が指差した方向を2人も見る。すると3人の若いスーツ男がこちらにやってきた。その1人が3人に向かって言う。
「上条様と佐天様と一方通行様ですね?私が今から向かう町田市まで案内するものです。あ、荷物はお持ちしますね」
と、言って3人の荷物を受け取る。3人は旅行カバンを1つずつ持って、それを渡す。
何故そんなに大荷物なのかというと、泊り込みでやるらしい。上条と佐天に至っては転校することになっている。もちろん一時的にだ。
しばらく歩くと今風のデザインの車があった。その後ろに荷物を3人のスーツの男が置いている。
チラッと見えたがトランクには何やら機械がいろいろ置いてあった。
上条「(何だあの機械?)」
佐天「(学園都市の外かぁ…久しぶりだなぁ…)」
一方「(長引いたら打ち止めに絶対怒られるなァ…)」
と、多種多様な思いを持ちながら、車に乗り込んだ。
運転席にさっき話しかけてきた若い男、助手席に一方通行、後ろに佐天と上条が乗る形になった。他の2人は乗らないらしい。
こうして3人を乗せた車は出発した。
一方「オイ、運転手さんよォ」
運転手「なんですか?」
運転手は運転しながら答える。
一方「後ろに乗せてあった機械はなンだ?」
運転手「あれが空間震を調査するための機械ですよ」
と言って、運転手はついでだからとあの機械の使い方を説明書してくれた。と言っても実物がないのでザックリとしか説明しなかった。
着いた時に詳しく説明してくれるらしい。
運転手「どうやら、あなたがこの中で一番しっかりしてそうなのであなたにいっておきますね」
まあ、佐天と上条は後ろでなにやらギャーギャー騒いでる。運転手がそう思うのも無理はないだろう。一方通行はそう思い、運転手に耳を傾ける。
運転手「空間震を起こしているのは精霊なんですよ。」
一方「精霊だァ?」
運転手「えぇ…そしてその精霊はとても強いので気をつけてくださいね」
一方「ハッ……誰に言ってやがる。俺は学園都市最強だぜ?精霊だか何だかしらねェが、そんなの俺にかかれば一瞬で決着がつくに決まってるだろォが」
運転手「それは安心です」
と一方通行は言ったが、正直、精霊とやらに反射が効くかどうかわからないのだ。
そういえば、
一方通行の封筒には、今までの借金をチャラ、そして一方通行の周りの人の身を案じる代わりに精霊の調査をしろというものだった。
あの2人はなんでこんなことを受けたのか……。少し考えたらすぐに1つの答えに辿り着いた。
どうせ、奨学金でもあげるとでも言われたんだろう……と。
しばらくして、町田市に着いた。
ここが彼らが調査を行う場所でもある。
そして、″彼ら″が住む住宅に着いた。
佐天「って3人で一緒に住むんですか!?」
一方「今更何言ってやがるンだ?」
佐天「2人はなんで女の子と暮らすっていうことに平気なんですか!?」
一方「何でって言われてもなァ…」
上条「そりゃ免疫があるからな」
佐天「え!?」
上条と一方通行は佐天に一緒に住んでいる女の人のことを話す。
佐天「……」
佐天は空いた口が塞がらなかった。
上条「じゃ、さっさと誰がどの部屋使うか決めますか」
佐天「私…生きていけるかな……」
佐天は弟がいるので年下なら免疫があるのだが、年上なら話は別だ。
上条「大丈夫だって!1日もすれば慣れるさ!」
佐天「そんな簡単に言わないでくださいよ〜…」
と佐天は半分涙目だが一方通行は気にせず部屋に入る。
リビングに自分達の荷物と空間震の調査用の機械があった。
機械っていってもそこまで大きくなく、電子辞書を少し大きくしたぐらいの大きさだ。
この家は4LDKの2階建てで2階には部屋が3つある。
部屋は適当に決まり、大体の道具の場所を把握して、今日はこの町を探索することになった。
3人は適当な服に着替えて外に出る。
念のために、空間震の調査用の機械も持っていく。もちろん佐天も『演算補助装置』を持っていくことにした。
佐天「さて、今日の夕飯は何にしようかな?」
上条「そうだな〜……一方通行はいつも何か作ってるのか?」
一方「俺が作ってるように見えンのかァ?」
佐天「そのギャップがいいんですよ!」
佐天は笑顔で答えたが、一方通行は豆鉄砲を食らったような顔を一瞬したが、すぐにいつもの不機嫌そうな顔に戻る。
一方「チッ…まあ俺は嫌いな食べ物とかねェから、夕飯に関してはテメェらに任せるわ」
上条・佐天「「りょーかい!」」
ちなみに、一方通行が杖をつきながら歩いているので、他の人から注目を浴びていることに3人は気づいてなかったりする。
一方「なンとなくだが、なんでこのメンバーになったか分かったわ」
佐天「どうしてですか?」
一方「外では能力を使ったらなンて言われるか分からんからなァ…。上条は言うまでもなく無能力者、俺と佐天は機械を使わなければ能力が使えない…つまり普通の状態なら無能力者って訳だ」
上条「それなら浜面でも良かったんじゃないのか?」
一方「佐天には空間震の調査と『五河琴里』っていうガキの監視が含まれてるンだろ?そいつは14歳で女だ。なおかつ無能力者の中で俺たちの面識のあるのが佐天ってことだろ?」
上条「そういや俺にも『五河士道』ってやつの監視の役があったな」
一方「ま、俺は監視などねェけどなァ」
なんでですかー!?という佐天の抗議も虚しくスルーされた。
ちなみに一方通行が監視する人がいないのは単に監視する人がいないだけでなく、学校に通ってないので、学校に溶け込めないと判断されたからだ。
数分歩くと、
警報が鳴った。
アナウンスが何か言っている。
次々と人々が避難していき、建物が地下に埋まる。
佐天「今……空間震って……」
上条「恐らく、これが空間震の警報だろうな」
一方「佐天、能力の準備しとけ」
佐天「わかりました!」
そう言うと、一方通行はチョーカーに手を、佐天は演算補助装置のボタンに手をかけ、上条は右手を出す準備をしている。
そして、
紫色の球体がこちらに向かってきた。
佐天・一方・上条「「「!?」」」
と、佐天が咄嗟に前に出て、右手を後ろに引いた。すると右手の周りに風の渦ができて、それを右手を前に出すと同時に風の渦が放出された。
佐天「絶風破!」
風の渦は紫色の球体に向かって一直線に突き進む。
しかし、
紫色の球体には当たったが、ビクともしない。
佐天「きいてない!?」
一方「佐天!テメェは上条の後ろに隠れてろ!」
佐天「は、はい!」
上条「ってお前まで隠れるのかよ!?」
一方「しかたねェだろ!佐天の能力がきかねェんだ!俺の反射がきくとも限らねェ!」
上条「くそ!」
上条はそう言いつつも右手を出す。
紫色の球体が上条の数m前で爆発した。
これは異能の力によるものらしく、幻想殺しが反応し、上条のいたところは無傷で済んだ。
佐天「危なかったぁ…」
上条「しっかし、すげえ爆発だなぁ…」
上条のいたところ以外は爆発の衝撃で石や塵しか落ちていない。
上条「ん?一方通行、どうしたんだ?」
佐天「一方通行さん?」
一方通行は目を瞑ってブツブツ何か言っている。
そして目を開けて、
一方「逆算完了…」
と一言呟いた。
上条「逆算?」
一方「あァ。今の爆発の衝撃は俺の反射を通り抜けた。俺の反射は俺が知ってるベクトルを反射できねェからなァ……。空間震は俺の知らないベクトルだった。だから今の攻撃を計算し、俺の反射の設定に加えただけだ。」
佐天「え〜と…てことは次、空間震がきても反射できるってことですか?」
一方「ま、そォなるな」
上条「改めて思うけど、Level5ってすげぇ…」
一方通行はチョーカーのスイッチを切る。佐天は既に切っているようだった。
佐天「あれ?」
上条「どうした?」
佐天「いや…あそこに女の人が…」
クレーターの真ん中に女の人がいた。
一方「…何か手掛かりがあるかもしンねェ…。いってみるか」
と一方通行の言葉で3人は近づこうとした。
その時、
彼女は一瞬で消えた。
実際には消えたのではなく移動したのだ。
ある男の前に、
その方を3人は見る。
するとさっきの女が剣を持っていて、尻もちをついている男に剣を出している。
上条「あれはヤバイんじゃないか!?」
佐天「ちょっと待ってください。何か話しているようです」
?「……も……を……きた…」
一方「ここからじゃ聞こえにくい。少し近づくぞ」
と隠れつつも、2人の声がよく聞こえる所まで近づいた。
?「お前も私を殺しにきたのか?」
佐天・上条「「殺しにきた?」」
一方「……」
この言葉に少し違和感を覚えた。
だがその考えもすぐ中断される。
何故なら、
その女がこちらに顔を向けていたのだ。
?「お前達も私を殺しにきたのか?」
お前達と言ったところから3人いることがばれているだろう。そう判断し、3人はそれぞれの物陰から出てきた。
そして、女は顔を確認したのち、もう一度言う。
?「お前達も私を殺しにきたのか?」
悲しそうな表情で…
上条と佐天はしばらく無言でいた。
すると一方通行が突然口を開いた。
一方「テメェが精霊か?」
その言葉に女はピクッとした。
一方「どォやらそォらしいな。なら、この空間震ってヤツもテメェの仕業か」
佐天「え?そうなんですか?
一方「今はそンなこと気にせずに、ヤツから注意を逸らすな」
上条「……」
精霊「やはり…お前達も私を殺しにきたのだな…」
そう言うと、女は一気にこちらに向かってきた。
佐天・上条・一方「「「!?」」」
佐天と上条は右に、一方通行は左に避けた。
するとその女はすぐに止まり、一方通行の方に向かった。
上条「一方通行!」
一方「チッ!」
舌打ちしつつもチョーカーのスイッチをONにする。
彼女との距離は10mもない。彼女が右手で剣を振りかざしてきた。
剣が当たる前に、足を地面に叩きつける。
ベクトルを操作し、地面が爆発した。
大量の砂利が精霊に向かっていく。
だが、
精霊は左手を出し、シールドらしきものを展開させて、ガードした。
そして右手で振りかざした剣が一方通行に向かってくる。
肩にギリギリ当たる程度に左に避ける。
だが、
反射はきかなかった。
右肩が切り裂かれ、少し血がでる。
一方「(チッ…精霊に反射はきかねェか…。だがさっきの攻撃を逆算すれば反射に設定できる)」
そう考えていた。
一方「(ヤツが逆算するだけの時間をくれたらなァ…)」
その女は間を開けずにすぐに切りかかって来る。
一方通行はベクトル操作で、足のベクトルの向きを変え、距離をとる。
だが一方通行も闇雲に逃げている訳ではない。
誘導したのだ。
″幻想殺し″の右手を持つ上条の元に。
一方通行が下がると同時に上条が前にでる。
女は標的が変わったのを気にせず、上条に切りかかる。
上条は迷わず右手を前に出す。
そして右手と剣がぶつかった。
その頃、佐天は上条に言われ、男の避難を優先していた。
佐天「大丈夫ですか?」
?「あ、あぁ…ありがとう」
佐天「いえ…」
?「それよりお前達の連れは大丈夫なのか!?」
佐天「大丈夫ですよ。あの人達は強いですから」
と佐天は笑顔で答える。
士道「そういや名前言ってなかったな。俺は『五河士道』って言うんだ。」
佐天「私は佐天涙子っていいます。(この人が上条さんが監視する人なのかな?)」
佐天は頼りない人が監視の人なのか?と疑問を抱いていたが、
士道「え?あいつらはなんだ?」
士道が見上げて佐天も見上げる。
すると、武装した女の子数人が精霊の方へ飛んで行った。
士道「あの方向って…確か、佐天さんの連れがいる方向じゃ……」
佐天「(いや、狙いはあの2人じゃない……だとしたら精霊?)」
確証はないが可能性はある。
そして、その女達が武器を持っていることを思い出した。
佐天「(あんな悲しそうな顔をしている人を殺すの…?)」
佐天はそう思うと、足が勝手に動いていた。
そして、上条の右手と女の剣 がぶつかった。
その刹那、
剣がパリンっという音をたてながら粉砕された
精霊「……!?」
精霊は動きを止め、剣の方を見ている。
だが、一方通行も上条もその隙をわざわざ狙わない。
彼らの目的はあくまで空間震の調査であり、精霊を殺すことではないのだ。
すると女はすぐに、剣を元の状態に戻した。
一方「どォやらテメェの右手でも表面に触れた程度じゃ精霊の力を完全に打ち消すことはできねェみてェだな」
上条「恐らく核が存在するんだ。それに触れない限り彼女の力を完全に失わせることはできないな」
一方「だがその核に触れたらこいつ死ぬンじゃねェか?」
上条「なら、気をつけないとな」
精霊「……?」
女はこの2人の会話に少し疑問を持っていた。殺しにくるならその核を壊せばいい話なのに。
まるで、
自分を殺したくないような……
この時、一瞬だけ人間を信用した。
だが、それもすぐに終わる。
佐天「逃げてください!精霊を殺しにくるかもしれない人がこちらにきています!」
上条「マジかよ!なら精霊を助けないと……!?」
と上条は精霊の方を向くが、その時には精霊はいなかった。
一方「上だ!」
と3人は上を見ると、銀髪のASTと女が戦っていた。
上条「どうする?どっちに加勢する?」
一方「どうやら、ASTっ呼ばれた野郎はこっちに加勢するっぽいぜ」
佐天「でも……私は……精霊と戦いたくない…」
その言葉に上条がこちらを向き、一方通行は前を向いたまま耳を傾ける。
佐天「だって…私達は精霊と戦うためにここにいるんじゃないし……」
それにと佐天は言い、
佐天「あの人は…何だか悲しそうな表情をしていたから…」
この言葉に上条と一方通行は何も言えなくなる。
そして、3人がほぼ同時に上を見上げる。
精霊と銀髪のASTが1体1で戦っている。
上を見上げた直後、
剣と剣がぶつかりあい、辺りが一瞬白銀の世界に覆われた。
その光に本能的に目を瞑る。
目を開ける頃には、
精霊はいなかった。
ASTが空中に十数人いる程度だった。
士道と呼ばれた男は気絶していた。
何が起こったか分からなかったが、これだけは言える。
自分達はしばらく帰れそうにないと……
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