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VenusBlood-d×d-

作者:植物紳士
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エンブリオの五姉妹

「始まりましたか」
エネルゲイヤの独立宣言と同時に何かの波動が広がる、恐らく以前紹介されたリアスの眷属の吸血鬼君の神器でしょうね、リアスやソーナちゃんとその眷属の時間が止まっている。

「一体なんですか、今のは?」
「停止世界の邪眼だ、恐らくリアス・グレモリーの眷属の1人だろう」
「三大勢力の会談への襲撃、テロですね」
「ああ、恐らくな。ミカエル、お前は後ろの奴らの停止を解け。セラフォルー、お前もだ。ある程度使える奴から解いていけ」
「ララ、ルル、エナ、ジーオ、トゥリア手筈通りエンブリオを率いて迎撃に当たりなさい」
「「「「「は!!」」」」」
2人がそれぞれの仲間を解放しにかかり、私はララ達に命令を出してララ達は迎撃に会議室を出て行く、前もって会議が始まる前に護衛と称して会議室の外に武器やエンブリオを転送しておいたから心配は無いでしょう。そんな中でお兄様が話し始める。

「リーネ、アザゼル、その落ち着き様からして、ここを襲った連中を知っているのか?」
「まあな、俺はそいつ等を警戒して神器使いを集めてたんだが、そっちの引きこもり娘は勧誘でもされたか?」
「いいえ、けど優秀な子が情報を持って帰ってくれましてね、丁度良いので利用しようと思いまして」
微笑みながら私はそう言った。

「あのー、一体何が?」
声のする方を見るとリアスや眷属が復活して何が起きたか分からず困惑してる。

「テロだよ、外見ろ」
窓からあの子達が見え聞こえる。
動けない悪魔や堕天使や天使の護衛の代わりに渦の団と対陣するエンブリオ部隊。

「構え、・・・撃て!!」ババババババンンン
三女エナ率いるエーテルガンナ部隊は襲撃を仕掛けて来た渦の団に先制の銃撃を見舞い、エナ自身も迎撃を開始する。

「魔導石≪アルカナギア≫起動≪オープン≫、リフレクターシュート」
エナの右手に装着された魔導砲から高出力のレーザーが放たれ渦の団を打倒していく。

「ぎゃゃぁぁぁ」
「イタイイタイ」
停止結界を当てにしていたのか、いきなりの反撃に混乱したのか渦の団が取り乱し始めた。

「今だランス隊、突撃―――!!」
その隙を見逃すはずも無く四女のジーオ率いるジェッドランス隊が突撃を掛ける、凄まじい速度で渦の団に突っ込み敵を刺しながら前線を押し上げる。

「魔導石≪アルカナギア≫起動≪オープン≫、サウザントミサイル」
ランスに電撃を纏わせ演算能力フル活用して相手の動きを予測し正確無比な連続刺突を繰り出し渦の団を葬っていく。

「みんな~、私達も負けてられないよ~」
「トゥリア、油断しないで」
「分かってるよ、お姉ちゃん」
長女ララと末っ子トゥリア率いるエーテルブレイダー隊とエーテルガーダー隊がジーナ率いるジェットランス隊の右翼と左翼を固め背後を突かれないようにする。

「「魔導石≪アルカナギア≫起動≪オープン≫、グラビティサイズ、パワーストンピィ」」
同じ重力を操る力でララは力場を作り敵を押し潰す、トゥリアは鎌を作り出し敵を切り刻む。

「障壁だ、障壁を張れ!!」
何とかララ達の攻撃を防ぎたい渦の団は複数人で強力な障壁を作り出したけど、無駄よ。
ルル率いる遊撃隊のエンブリオジェネラルが渦の団を蹴散らしルルが障壁に肉薄する。

「魔導石≪アルカナギア≫起動≪オープン≫出力最大、バスターアックス」
ルルが持つエーテルアックスが専用の青い光を放ちながら叩き付け障壁を打ち砕く。



「外はエネルゲイヤに任せておけば大丈夫だろう、俺達は吸血鬼の救出だな、何か方法は無いか?」
「ギャスパーが!?一体何故?」
「さっきのはあいつの神器の能力だ。おそらく、テロリスト共がなんかしたんだろう」
「っ!?お兄様、ギャスパーの側には未使用の戦車が有ります!」
「そうか、キャスリングで、グレイフィア駒の術式をいじって転移人数を増やせるか?」
「二人が限界です」
向こうは大変そうね、グレイフィアが魔法陣を弄りながら答える。

「私が行きます!」
「なら、もう一人は赤龍帝だな。おい、赤龍帝。お前は禁じ手に至っているのか?」
「できるけど、1分位が限界で」
「なら、こいつを持っていけ。少しくらいなら禁手を延長できる」
アザゼル様が赤龍帝に指輪を渡す。

「ヴァーリ、お前も行け、白龍皇も出てくれば奴等も諦めてさっさと降伏するだろう、ただですらエネルゲイヤにボコボコにされてんだから」
「俺としては奴等よりエネルゲイヤの方とやりたいんだが」
「状況を考えろ、さっさと行け」
「分かった、禁手化」
白龍皇の登場ね、あの子達の被害が減るなら何でも良いのだけれども、コカビエルの時から変わらず好戦的ね、外へ飛び出して行ったわ。

「さて、先ほどの続きを聞こう。一体、襲撃者は何者だ?」
「渦の団≪カオス・ブリゲード≫だ」
「カオス・ブリゲード?」
「そいつらの目的は?」
「破壊と混乱、それだけだ。平和が気にくわない馬鹿共の集まりだ。かなり凶悪で、最大級に性格が悪い。トップは、無限の龍神オーフィスだ。神が恐れ、世界の始まりから最強の座に君臨している覇者」

『そう。彼が、我々禍の団のトップです』
床に魔法陣が浮かび、そこから声が発せられる。
あの紋章は、そう一部だけだと思ってたけどそうじゃないようね。

「そうか今回の黒幕は、グレイフィア2人を飛ばせ!!」
お兄様は今回の襲撃者が分かったようね、同時にリアスと赤龍帝が転送される。

「レヴィアタンの魔法陣、下っ端しか動かないと思ってましたが本命が来ましたか」
魔法陣から現れたのは旧四大魔王の1つレヴィアタン、その直系カトレア・レヴィアタン。

「ごきげんよう、現魔王のサーゼクス殿」
「先代魔王の血をひくカテレア・レヴィアタン。これは一体どういう事だ?」
「旧魔王派の者は皆、渦の団に協力することに決めました」
「っ!?ここにきてか」
「おいおい、悪魔も大変だな。新旧で対立かよ」
アザゼル様が他人事のように笑う、確かに他人事なのですが冥界でテロをされたら堕天使も笑ってられませんよ。

「カテレア、一体何故だ?」
「我々は、この会議の結論と逆の結論を導き出しました。神や魔王がいないのなら、この世界を変革すべきだと」
「オーフィスは、そこまで未来を見てんのか?」
「彼は象徴に過ぎません。力あるものを集結させるためのね。彼の力を借り、この世界を滅ぼし新しい世界を再構築します、新世界を、私達が仕切るのです」
「天使、堕天使、悪魔の反逆者が集まって新しい世界を作る、そして自分たちが世界を動かす・・・・・・オーフィスがその核か」
「カテレアちゃん!どうしてこんな!」
「黙りなさい、セラフォルー。貴方は私から『レヴィアタン』の座を奪っておいてよくもぬけぬけとそんな事を言えますね・・・正当なるレヴィアタンの血を引く私こそが相応しいと言うのに!」
「カテレアちゃん、私は・・・」
「安心しなさい、今日ここで貴方を殺して私が新たな魔王となります。オーフィスに新世界の神となって貰い、残りのシステム、法、理念等は私達が構築する。貴方たちの時代は、ここで終わりです」
「フフフフ、アハハハハハハハ」
「何がおかしんですか?」
カトレアの考えに私は笑止を得ない、たかが蛇如きが神?そしてそれにすり寄って世界を支配する?いろいろと頭が残念な方々しか居ない組織なのね渦の団って、お馬鹿さんすぎて笑いが止まらないわ。

「これが笑わずにはいられないわよ、蛇が神になり悪魔が神の下僕に成り下がる?カトレア貴方達が理想とする世界では悪魔は神の犬に成り下がるのかしら?だとしたら魔王の血筋も落ちたものね。誇りある悪魔なら神を殺す位の気概を持つべきだと思うのだけれども?」
「バカにしないで頂戴!!」
「ええ、バカにはしていないは思った事を言っているだけよ、でも冗談としては最高よ」
「どうやら自分から殺して欲しいらしいわね」
「ワンちゃんにできるのかしら、ほら良い子だから早くかかって来なさい」
「舐めるな―――!!」
「フフフ、犬さんコチラ、手の鳴る方へ」
そう言って私は外に飛び出しカトレアを誘い出す。

「リーネさま!!」
「「「ママ!!」」」
フィネガスやヨルム達が私を呼ぶけど大丈夫よ、心配無いわ。

「大丈夫よ、すぐに戻るから」
そう言って愛用の鞭を取り出し消滅の魔力をまとわせる。

「さあ、始めましょう」
「我々をバカにした事を後悔させてあげます」
そして戦いは始まったが正直言うと退屈ね、最初はカトレアが魔力弾を放ってきたけど私はそれを消滅の魔力をまとわせた鞭で防ぎ反撃に鞭を振るう。消滅の魔力をまとった鞭は触れた物を消滅させる、カトレアは防御結界で防ぐけど鞭は容易く防御結界を破って行く。
カトレアは鞭をかわしたけれど追撃を掛けないほど私は貴女に優しくないわよ、鞭を必死に回避するけどカトレアはまるで私が操る人形の様に踊る。

「こんなものなのかしら?真の魔王の血族と言うのは大した事無いわね」
「殺す、殺してやる!!」
余りにも一方的過ぎて私はカトレアを挑発する、すると散々バカにされていよいよ堪忍袋の緒きれたのかカトレアが懐から蛇が入った小瓶を取り出し蛇を飲み込む。するとカトレアから膨大な魔力が溢れて来る、オーフィスの蛇かしら、確かに強くなったけど他人の力を借りて魔王と名乗って恥ずかしくないのかしら?

「これで貴女を殺してあげるわ」
「あらそう、じゃあどうしましょ」
「命乞いでもしたらどうかしら、まあ今更命乞いをしても遅いわよ、私を侮辱した事を後悔しなさい」
「フフフ、面白い冗談を言うのね。ならお礼にエネルゲイヤの力の一部を見せてあげる、魔導石クイーン魔導石≪アルカナギア≫始動≪ドライブ≫、エクシーデゥブースト」
胸元のペンダンにはめられた私の髪色と同じ紅色の魔導石が光を放ち私の足元に巨大な魔法陣が展開される、それと同時に私の魔力が跳ね上がるオーフィスの蛇で強化されたカトレアを上回り、それでも魔力は上がり続ける。
「おいおい、どうなってんだ!?」
「リーネ、この魔力は一体!?」
「これが神を恐れぬ者達の力なのですか!?」
四大魔王、堕天使の総督、セラフの天使長それ以外の者達も驚愕の表情を浮かべながら私を見る。

「な、何なのよ!?至高の悪魔である私がオーフィスの蛇で強化されたのに、なんで偽りの魔王の妹の貴女が、私を超えるのよ!?」
「これが魔導都市の力よ、この魔導石は持ち主とこの魔導石と共鳴する魔導石の効力とその持ち主の力を引き上げる、冥土の土産に良い物が見れたでしょ、じゃあねカトレア」
ザシュ、ザシュ、カトレアの胸から光の槍がはえる。

「い・・や、きえ・・た・・く・な」
カトレアが消滅していく、そして完全消滅した後に残ったのは私と黒と白の光を放つ魔導石が付けられたブレスレッドを着けて光の槍を構え天使と堕天使の翼を広げたクピトとファレンクピトだけ。

「おい、ミカエル!!あれはお前のとこの天使じゃないのか!?」
「残念ながら神が居なくなってから天使は産まれていません」
「じゃあ、あいつ等は」
「そうでしょうね」
「無茶苦茶だろう、神を恐れないからってやりたい放題か、あの引きこもり娘」
天使や堕天使達が慌ててるようね、まあそれが2人を会談に連れて来た理由だし、お披露目としての目的は十分に果たしたわね、娘を見世物にする様な真似は気が引けたけど。さて後は。

「でどうするのかしら、裏切り者の白龍皇さん?」
私を見ながら笑みを浮かべている、今回の会談を密告して裏切り者を呼ぶ。

 
 

 
後書き
作者は五姉妹の中ではルルが一番好きです、一途ですし、ツンデレですし、可愛いですよね。
今まで主要キャラばっかり出して来ましたが、もう少ししたらモブのキャラも出そうかなと思っています。
今回もお読み頂いて有難う御座いました。↓ 
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