魔法少女リリカルなのは 世界を渡りあるく者
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第二章 魔術師と英霊たちとの邂逅 〜冬木 第五次聖杯戦争〜
弓兵と魔法使い
あれからまた数日経った
日が過ぎるのは早いもんだなー、とか思いつつ俺は縁側でお茶を飲んでる
緑茶うめー
この間、ライダーが脱落した
夜にセイバーとライダーが激突して、その結果セイバーが勝ったのだ
あの時俺はその場にいなかったが、過去の情報を検索して何が起こったのかは知っている
セイバーの宝具とライダーの宝具とが激突。そしてセイバーがその競り合いに勝ったのだ
ライダーの宝具、真名メドゥーサの宝具は騎英の手綱
これはこれを付けて乗った乗り物、この場合は生物、を従わせることができる
さらには、その生物のステータスを全て1ランク上昇させるというものだ
そのライダーの愛馬は、幻想種が一つ、ペガサスだ
神代より存在するそれは、一部分では最強種である龍すら上回るほどだ
それを破ったのはセイバーの、アーサー王の約束された勝利の剣
星が鍛えた最強の幻想にして神造兵装
その前には流石の幻想種も勝てなかったのだ
そうして、初めての脱落者は決まったのだった
所変わって今現在、私はある人を探しにこんなところまで来ています
「あのバカはいったい何をしているんだ.....」
消えた、いや連れ去られた士郎を探しに遠坂達とここにきた
「本当にこんなところにいるの?」
「サーチしたらここで引っかかったから多分いると思う」
その場所とは、敵地
しかも、御三家が一つ、アインツベルンの本拠地だ
「シロウは大丈夫でしょうか」
「生きていれば問題無い。それよりバーサーカーだ」
以前交戦していたと聞いたので、その情報はもう調べてある
真名をヘラクレス
正直、めっちゃ大物出てきたと思って焦った
ただ有難いのはバーサーカーとして権限していること
これがもしもセイバーやアーチャーならば勝てなかっただろう
いや、正確には相打ちには持っていけるが....使いたくはないしなぁ
それに現状、セイバーは役に立たない
宝具を使った影響で、もう立っているのがやっとなのだ
本人の希望で連れてきてはいるが、本当は連れて来たくなかった
「承知しているさ」
アーチャーはもう実体化して、臨戦態勢をとっている
「とりあえずお前らその魔力を消せ。気づいてくださいと言ってるようなものだぞ」
まだ城にはいって居ないから良かったが、もしも入っていたらすぐにばれて計画がおじゃんになる可能性があるんで
「「でも!」」
「デモも製品版も関係ない.....と師匠は言っていたが。なんだ?士郎を殺したいのかお前らは」
バレたら最悪マスターが殺される。ちゃんと意味を汲み取ってくれた二人はうぐっ、と言っていたがちゃんと魔力を隠してくれた
よし、先ずは再度確認をしよう
センサーの類は.....魔力のみか、あれ?
「みんな、隠れて」
近くの茂みに隠れた
入り口から出て来たのは......えっと
「イリヤスフィールとバーサーカーなの?」
「そのようですね。どこに向かうのでしょうか」
「タイミングが良かったみたいだな」
「ああ。これで侵入はたやすくなった」
最悪の想定、バーサーカー陣営との戦闘は避けられそうだ
イリヤスフィールが見えなくなるのを確認し
「よし、できるだけ姿勢を低くしろ。物理的なセンサーも警備員もないが一応な」
三人が頷いたのを確認して、俺たちは城の内部に向かった
うんよく(というか常にサーチしていたから全部避けたのだが)敵と合わないで目的の部屋につけた
「よし、俺がここを見張ってる。お前たちは士郎を頼む」
俺は士郎がいると思われる部屋に繋がる廊下で、敵が来ないかを見張っていた
ーー意識を内面に持って行く
ーー深く 深く 深く
「準備ーー 完了」
それは自分を変える言葉
紡ぐと、自分の中に魔力が流れるのがわかる
それを使い、城の構造を読み解く
自分の周囲から、少しずつ範囲を広げていく
もっと もっと もっと
全て調べ終わり、なにもなかったのでホッとした
今思えば、万全を期すのなら魔法を使うべきだった
今回用いたのは解析魔術
そしてこの城は敵にとっては手足にも同然だ
それを忘れていたのだ
「帰りましょう、もうここには用はないわ」
遠坂がこちらの肩をたたきながらそういった
「了解だ。一応玄関までに人の反応はなかった」
「ありがとう。じゃ、急ぎましょう」
俺たちは急いでこの城を出ようとした
なんせこの城の周りは樹海なのだ。たとえ城から脱してもまだ歩かねばならない
まあ、途中で士郎が城に見とれてたりしてあまり急げなかったが
そうして、俺はこの世界でも後悔する羽目になった
「で、出口ってここ入り口じゃないのかよ遠坂!?」
玄関に到着するや士郎がそんなことを言ってきた
「?何当たり前のこといってるのよ。玄関って言うのはそういうものでしょう。入るときも出るときもここが一番てっとり早いんだから」
ごもっとも。というか早く出ようぜ
そう思いながら俺たちは階段を下りていく
降りたところにある通路の先の扉が見えてきた
「よし、ここまでくれば大丈夫。問題は森に出てからだけど、まあ夜だし、闇に乗じて国道まで出られるかな。イリヤスフィールが戻ってきて、士郎がいないって気がついたところで後の祭りよ」
遠坂さん。しゃべるより先に脱出しようぜ
「あいつが帰ってくるころには朝になっちゃってるしね・・・ってなによ士郎、その顔。いかにも不服そうだけど」
「いや別に。遠坂は大物だなって再確認してただけだ」
「おいてめぇら。はやくここから出るぞ」
長くなってきたので止めにはいった。さすがにこれ以上はまずい
「ま、そうね。帰り道は覚えてるし。さっさと帰りましょう」
そういい通路に降り立った瞬間。おれの背中に寒気がおそった
この感覚....まさか!?
「なんだ。もう帰っちゃうの?せっかく来たのに残念ね」
おれは城に入る前、直接イリヤスフィールとバーサーカーの姿を見たわけではない
そして、さっき使ったのは魔術。そしてここは相手の本拠地。だますことなど造作もない...!
笑い声が響き、全員が同時に足を止め振り返る
おそらくはおれ以外の人間はこの殺気にあてられ、俺は敵の姿を認識するために
「イリヤ.....スフィール」
遠坂の声は震えていた。無理もない、この状況いかに魔術師とはいえ正常な感覚を持っていればおそれてしまうだろう
それにしても、なんて威圧感なんだ。あの姿からは想像もつかない
「こんばんは、あなたの方から来てくれて嬉しいわ、リン」
ずいぶんと愉しそうな声をだす
「そして初めまして、ね。あなたのことは聞いているわ。なんでも生身でサーヴァントと戦えるとか」
俺には興味の目と最大の敵視を向けてくる。でしょうね、普通ならそんなことできないもんな
「初めましてイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。知っているかもしれないが俺の名は遠藤蒼炎だ。以後お見知りおきを」
俺の中でイリヤスフィールに対する警戒が上がっていく。最初はこの見てくれに惑わされたが、こいつはこの中で一番ヤバい
ほかのメンバーは.....だまりっぱか
さすがにこの威圧に耐えられないか
その沈黙が続くとイリヤスフィールが我慢仕切れなくなったようで
「どうしたの?黙っていちゃつまらないわ。せっかく時間を上げてるんだから遺言ぐらい残した方がいいと思うな」
もう勝ったつもりか?悪いがそんなことはさせない。俺がいる以上、そんな理不尽は認めてやらないぜ?
「じゃ、一つ聞いてあげるわ」
遠坂がイリヤスフィールの方に一歩踏み出す
その間におれはどうするべきかを頭の中で考える
ーー考えろ、もてるすべての思考回路をつかって
ーー全員を生かす、ただそれだけを考えろよーー!
遠坂とイリヤスフィールが話している間もずっとかんがえていた
だがどう考えても、俺一人ではかなわない
自分自身を犠牲にすれば問題ないかもしれない。だが、俺にはまだ果たしていない約束がある。そんなことは認められない
くそ、どうすればいいんだ
そんな風に考えていると、遠坂がこう言っていたのが聞こえた
「アーチャー、ここで一人で時間稼ぎしてちょうだい」
な....自分のサーヴァントに死ねと命令するのか
でも....もしもアーチャーと一緒なら...あるいは
「俺も残る」
そのわずかな希望にかけるのもありか・・・・
「な!?正気なの??いくらあなたでも!」
俺は顔だけ遠坂の方に向けて
「一つだけ教えといてやるよ遠坂」
これは、魔法使いから魔法を夢見るものへのアドバイス.....かな
「魔術と魔法が根本的に違う」
全回路準備------完了
「最後にみせてやるよ、魔法を」
さあ、いこうか
いまこそ使おう、みんなを守るために
顔をイリヤスフィールに向け、息を吸う
もう迷いはない。倒すべきは相手は.....決まった
「-----聞け、世界よ」
瞬間世界が、世界の源が振動する
「なに....あれ。止めて、バーサーカー!」
「させんよ」
こっちにつっこんでくるバーサーカーをアーチャーが迎撃する
「告げる、我は汝の管理者である。我が望む力を貸し与えたまえ」
俺が願うのは皆を守れる力、ただそれだけでいいんだ
「なんですか...これは。世界が....揺れてる?」
「今、ここに」
ラストだ
これで、完成する
「理は改変される」
"魔法発動 確認/バックアップの供給 弱で開始"
弱ではただ修正力が弱くなるだけだが、十分だな
「うそ...でしょ?」
「まさか....魔法なの?」
遠坂とイリヤスフィールは目の前で何が起こっているのかを正確に分かっているからこそ、空いた口が塞がらなかった
「魔法って、魔術とは違うのか?」
「全然違いますよシロウ。簡単に言えば魔法は不可能を可能にするものです。それに対し魔術は他の方法でも同じ結果が得られるものなのです」
「まじか...」
「さて、改めて名乗らせてもらおうか。第零魔法 世界の管理使用者 遠藤蒼炎」
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