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魔法科高校の有能な劣等生

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演習

 
前書き
前回の続きです。
気になる事、脱字が確認されたらコメントを下さい。 

 
「準備は出来たか無月?」

歳月は右足に付けているCADを調整しつつ聞く。

「いつでもいい。」

無月も肩に掛けているCADを手に持ち強く握る。
モード、特攻型
魔法を瞬発的に発動を早め、威力の高い魔法を発動する。
それには少しばかり集中力と確かな腕が必要だ、無論、自分でもそれなりに備わっている
自信は有る。
だが、それは魔法の練習の時だけ、必ず出来るという保証は何処にもない。
失敗するかもしれない、発動しないかもしれない。
それでもやるしかない、この力、魔法は一体何なのか知るためには

「まさか自分から模擬戦に誘って来るとは
意外だったぜ。」

「そうか?
まぁ、前の授業の2人が言う何かを確かめるんならやっぱり実戦に近い方が
良いのかなって、
そう思っただけだ。」

無月、歳月、一条の3人は魔法科高校第三演習室に居た。
理由はただ1つ
前の授業の時、無月の体に纏っていたサイオンの光
それが何か確かめる為に歳月には実験相手となってもらっている。

本当に魔法が発動した時、無月の身体から黒いサイオンの光が出るのかを検証の為に
それなら普通に魔法を発動して検証すれば良いんじゃないかな?
そういう選択肢も合ったが、魔法を使って気づかなかったのに
また魔法を使ってもおそらく気付かないだろう。
謎は深まるばかり、それなら試しに模擬戦でもして試して見ては?
それが一条の提案だった。

自分で動き魔法を発動、演習相手の攻撃を避け相手の魔法も躱す
そして隙が有ったら無月も魔法を発動し応戦
実戦に近い模擬戦でしか解らない事も有る。
その言葉を信じ目の前の友達、歳月に模擬戦を頼み込んだ。
それを聞いた、歳月はすぐに納得してくれて模擬戦に参加してくれた。
無月はその言葉にありがとう、
そう返すしかなかった。

それを逆に歳月はこう答えてくれた。
友達だろ、気にするな気になる事が有ったら何でも相談に乗るぜ無月!

「じゅ、準備は宜しいでしょうか、お二人方?
急がないと誰か来ちゃいますよ。」

「なら、一条は来なければよかったじゃないか?
何でわざわざ来たんだ?」

実を言うとここ、第三演習室は誰の許可を得ずに勝手に使わせて貰っている。
無月はそれを
使ってやるんだから感謝しやがれ!

無茶苦茶な言葉を投げ捨て入って行った。
歳月はそれを詫びるかのように
すいません。すいません!!

普通なら鍵が閉まっており通常、滅多な事では使われないこの第三演習室
ここでは有る程度の魔法の耐性が有る特別な金属で出来ており
演習としては他に使う所が有りますか?
それ位の防御力である。
逆にこの第三演習室が壊れでもしたら、それは強力な魔法が発動されたか
それとも一斉に爆弾を設置し一気に爆発
そうでなければ決して壊れないそんな場所を何の断りもなしに使われて貰っている
訳だが、本当にこれで良かったのか?
それを一条の頭では行ったり来たりを繰り返し
挙句、答えは見つからないままである。
もう、成るがまま。
その息で一条もここ迄来ている。

「だ、たって、これを提案したのは
私ですし、一応、責任も有るような気がしてて、、、、、、」

「さって、始めるか?」

「おう、さっきも言ったが問題ないぜ。
いつでも行ける。」

2人とも私の言葉を聞いていない!?
軽く無視され心が痛みずつも今は無月の為にここ迄来ている!
それを思い出し、無視された事を気にせず告げる。

「では行きます。
よーい、ドーン!!!!!!」

それは妙に子供ぽい合図で始まった。
それを聞いた二人は苦笑いを一瞬しつつも顔はすぐに真剣な顔付きに変わる。

「おっりゃーーーーー!!」

先に動いたのは無月だった。
刀型CADを構え走り出す、それには自己加速術式は発動されておらず普通の走り、
だが、一般人ではけして走る事の出来ない早さで動く。

「おせえー!」

歳月も動き、
右足に付けているCADを起動させ、操作する。
そして歳月の足元には魔法の起動式が展開され、魔法が発動される。
足に光、新たな起動式が足に付く様にして現れる。

そして無月の後ろを取った。

「じ、自己加速術式!?」

後ろを取った歳月は体を回転させ、回し蹴り
その回し蹴りは自己加速術式を発動させた勢いにより目では追うことの出来ない早さに到達していた。
無月も手に持った刀を前に出し蹴りを防ぐ、が

あまりにも威力が有り過ぎて無月は吹っ飛ばせれ、体制を崩す。
それを見逃す歳月では無かった。

歳月はもう一度、右足に付けているCADに触れ起動式を展開
先程と同じ自己加速術式を自身に発動する。

自己加速術式
自身の体のスピードを上げる。
と言うよりは体に特殊な魔法を掛け常人、通常では、ありえない動きを可能にする。
口で言うならその場から消えたと錯覚する位の早さ、
実際に消えてはいない。
早すぎて目では追えないのだ、だが、動く瞬間の動作を見ればどう動くかは少しは
推測は可能、なのだが

「オラー!!」
またも蹴り、だが、先程の蹴りとは違い真っ直ぐに一直線に
それを無月はギリギリ刀で受け止める。
だが、あまりにも早すぎた一撃
止めるのが限界、しかも徐々に押されている。
このままではいつ吹っ飛ばされてもおかしくない。

「は、早ぇー、じゃねぇの」

「へ、あんがとよ。
まさか模擬戦中に話せる余裕があるとは、まだまだ行けそうだな無月?」

「ああ、まだ余裕だね。
後、その術式、自己加速術式じゃないな?」

無月は力を更に込めつつ刀を前に出しながら言う。
それを聞いた歳月は少し笑い言う。

「へぇ、気付かれたか。
これに気付くなんてやっぱり無月はすげぇな。」

「そりゃ、どうも!!」

歳月の蹴りを完璧に弾き、歳月は宙を舞う。
そして空中で体制を立て直し見事な着地、
お前は何処ぞの体操選手だよ!
そうツッコミたくなる位の着地

「でも、これは無月の為の模擬戦とは言え
俺も負けたくはない。
少し本気を出させて貰うぜ。」

「いいぜ。
俺もそろそろお前の鈍い蹴りに飽き飽きしてた所だ。」

二人は最悪の笑みをしつつもお互いを目視し合う。
お互いは完璧に次の行動を予想し観察、次にどんな行動をするのかを完璧に予測
それを見た一条は

「、、、、、、、、、、、、、、、」
何も言う事はない。
ただただ無言、それだけだった。


 
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