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蒼の使い魔は悪魔で召喚魔剣士

作者:蒼鈴六花
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危機と白い影 後編

ワープに成功した俺は、タバサの前に出てきた。

タバサ達を見ると皆疲れきっていてところどころに傷があった。
次に敵のほうを見てすぐにフォースフィールドを展開する。

「絢爛たる光よ、干戈を和らぐ壁となれ、フォースフィールド」

地面に魔方陣が浮かび上がり周りから青い光の壁ができた。これで少しはもつ。
ライザーはタバサ達を守ってくれてたのかボロボロだ。

「ありがとうライザー、タバサ達を守ってくれて。ゆっくり休んでくれ」

分かったというように電子音が聞こえ、俺はライザーを還した。
そしてタバサ達のほうに向く。

「すぐに治す。命を照らす光よ、此処に来たれ、ハートレスサークル」

タバサ達の下に魔方陣が浮かび上がり、三つの光の玉が円を描きタバサ達の真上でぶつかって弾け降り注ぎ、皆の傷を癒していく。

「さてこれからここを動くなよ。後は俺が何とかする」

そうタバサ達に言って敵の方を向くと後ろから声がした。

「私も、戦う」

振り返るとタバサが杖を握り締めて立っていた。
無言でこちらを見てくるがタバサの目は真剣だった。

「わかった。では、皆の護衛と後ろの敵を頼む」

そう言うと、かすかに嬉しそうな顔をしてコクリと頷いた。
そしてそれを聞いていたキュルケは立ち上がり。

「貴方達だけにやらせはしないわよ。私も戦う」

ギーシュはびっくりとした顔でキュルケを見上げていたが、すぐに立ち上がり。

「ぼ、僕も戦おうじゃないか。レディ達に戦わせて自分だけ戦わないのは貴族として……「はいはい、あんたも戦うんでしょ。アル、私達は全員まだ戦えるわよ」……言わせてくれよ」

皆、戦う決意を固めたようだ。根性のあるやつらだな。

「戦う意志があるなら止めはしない。……では、もうそろそろ結界の魔法が解けるが準備はいいか?」

皆、頷き杖を構える。そして、俺はフォースフィールドが解けるタイミングを見て息を吸い。

「行くぞ!!」

解けた瞬間、声をあげた。そして、それぞれが行動を開始する。
敵は、フロットGD、鬼忍衆、いたずら幽霊そして雪女だ。
なぜか雪女は一人しかおらず、強化版のような気配を漂わせている。どうやら親玉らしい。

それにしても……またはぐれ召喚獣か?あの神またやりやがったのか……どうやらもう一回しめに行くしかないようだ。

今はこんなこと考えてる場合ではないか、戦闘に集中するとしよう。

「解き放たれし不穏なる異界の力、目の前の邪悪に裁きを、ヴァイオレントペイン!」

俺の目の前に広がる地面が紫色になり、周りから紫色の光が伸び、真ん中に向かって曲がり地面に落ちた。敵はそれに飲み込まれ、一気に数を減らした。
なにやら敵が黒くなって消えていく。なんでだ?ただのはぐれと違うのか?

後、なんだかこの技パワーアップしてないか?若干違う術のような気がするが……まぁ敵が一気に減ったし気にしないでおこう。

でも、少し派手にやりすぎたかな?キュルケ達が驚いて、手が止まってるし。
今度は少し威力を落として。

「貪欲な暗塊ここに下り、邪を打ち砕かん、ネガティブゲイト!」

今度はほぼ黒に近い紫色の球が出現し、敵を次々に飲み込んでいく。
……どうやら俺の魔法は強くなってるらしい。なぜかはわからないが。

かなり敵を倒したと思ったが、どこからともなく出てくる。いったいどこから……
む、よく見ると雪女が召喚しているようだ。

?雪女は普通召喚は出来ないはずだが……それに一人でこれだけの数を召喚し続けるとは、異常だな。どうなっているんだ?
それに、召喚したやつらなんとなくだが奇妙な感じがする。黒くなって消えるし。

なんにしてもこれは、雪女を倒さない限り召喚は止まりそうにない。
やつを倒すしかないのだが……
俺は敵を倒しながらタバサ達のほうに向き。

「皆、今から敵の親玉を倒しに行くが、少しの間耐えられるだろうか?」

するとキュルケはこちらを少し向いて。

「大丈夫よ。耐えるくらいやって見せるわ」

それに続いてギーシュも。

「任せてくれたまえ。僕がレディ達をお守りしよう」

そして、タバサはコクリと頷き。

「何も気にしなくていい。他の敵は引き受ける」

「わかった。では手早く済ませてこよう」

俺は雪女の方に向いて道を切り開くための呪文を詠唱する。

「熱く滾りし炎、聖なる獣となり不道を喰らい尽くせ、フレイムドラゴン」

俺の前に赤く燃える球体が出現し、その中から炎の竜が飛び出し、一直線に敵を焼き尽くしていく。
そして雪女の所まで炎の竜が来ると雪女は手を横に振った。すると、巨大な氷の塊が雪女の前に出現し、炎の竜は氷にぶつかった。そのせいで出た、水蒸気で周りは一瞬で白くなった。

すぐに風の魔法で吹き飛ばし、雪女に向かって剣を抜きながら走る。
そして雪女に向かって剣を振り下ろしたが、氷で強化されたクナイで防がれたうえに氷を飛ばして攻撃してきた。

やはり普通の雪女ではなさそうだな。
さて、どうするか……早めに倒したいんだが、なかなか強そうだ。
時間があるならこのまま戦ってもいいが、今回は抜剣かモノシフトを使うか……強力な召喚獣は周りを巻き込むからな……魔法もそうか、だったらモノシフトかな。

よし、決まりだ。

そう決めた俺は雪女の攻撃を防ぎながら。

「悪いが、お前に時間をかけてる暇はない。本気でやらせてもらう!」

そして魔石の力を発動させると、前回と同じく赤い光に包まれ変身する。

変身が終わった瞬間、俺は剣を出し、敵に斬りかかった。
敵は変身に驚いていたがすぐに体勢を立て直し、氷の壁を作って俺の攻撃を防いだ。

さぁ、今回は何の技を使うか、実際使い始めるとディスガイアの技は威力が強すぎるから使い道に困るんだよな……他の技も使えないだろうか?

……なんか、できる気がするんだよな。FFTの技でも試すか?
モノシフトはあらゆる武器を使いこなすことがあの神いわくできるらしいし……

「……」

俺は攻撃を防ぎながら、試しに刀を取り出す。出てきた。

「……」

おい。ディスガイアの武器しか出せないんじゃなかったのか?
今、FFTの阿修羅が出るように念じたぞ……それなのに出てきた。

これは、FFTの技が使えるって事か?あの神いつの間にこんなことを……
まぁいい。出来るんならやろう。

俺は刀を構える。

「活殺自在、古今無双なる剣をかざせ 刀気放出!阿修羅!」

そして刀をかざすと赤とオレンジの光が刀に落ちてきた。その光が消えた瞬間、赤い光が敵の周りに現われ、敵を斬り付けた。

敵はモロに当たっていたが、あまりダメージにはならなかったようだ。

手に持っていた刀は砕け散ったのを見てから、次の武器を取り出す。
今度はナックル。

「大地の怒りがこの腕を伝う! 防御あたわず! 疾風、地烈斬!」

思いっきり地面を殴ると、かすかに地面が震え、地面から出てきた赤い光の衝撃が敵を襲う。
その間に槍を取り出し高く飛び上がる。そして敵の真上から槍を構えて落ちる。

敵は地烈斬でダメージを受けていたが、咄嗟に俺の攻撃をかわしてクナイを投げてきた。
俺は着地の瞬間に槍を振るいクナイをはじく。

そして武器を剣に変え、敵が投げてくるクナイに。

「ウエポンブレイク」

剣を振り下ろしクナイを砕く。
そしてその後すぐに剣を敵に向け。

「時間がないのでな、これで最後だ。大気満たす力震え、我が腕をして 閃光とならん!無双稲妻突き!」

俺は剣を振り下ろすと赤い光の刃が敵の真下から出現し、そこに雷が落ちた。

雪女は叫び声を挙げながら燃えていった。
最後には溶けて水となりそれも蒸発して消えた。

雪女が消えた瞬間、フロットGD達はきらきらと紫色の光を出しながら光になってポンッと消えた。

あれは普通の召喚獣ではなかったようだ。いったいどういうことか後で神に聞かないとな。
まぁ、それよりもタバサが心配だ。

俺は変身を解除して、タバサのほうを見た。

キュルケとギーシュは敵が消えてホッとしたのか座り込んでいた。タバサは立ってこちらをじっと見ている。

俺はタバサ達に近づき。

「大丈夫だったか?」

タバサはコクリと頷き、質問してきた。

「アル、さっきのは?」

「あれは、ゴウラ山で手に入れた力だ」

「説明」

「それはまた今度な、それより皆は怪我してないか?」

俺は皆に聞く。

「大丈夫です」

「同じく大丈夫よ、今度はかすり傷もないわ」

ギーシュとキュルケが答える。

「そうか、よかった」

少しホッとしたと同時に成長してるんだなとも思う。ギーシュなんて最初は戦い方すら知らなかったのにいつの間にか強くなったものだ。
タバサも元々歳のわりには強かったが、少しづつ強くなっている。

「さて、俺はそろそろ戻らないといけない。もう朝出しな」

どうやら、徹夜になってしまったようだ。若干眠い。

「そういえばアルはどうやってきたの?」

キュルケがふと疑問に思ったことを言う。タバサもそれが気になるようだ。

「自作のマジックアイテムを使った」

唖然と言った感じで、マジックアイテム作れたのなどと呟いている。
俺は懐から、薬の入った小瓶を何個か取り出してタバサに渡しながら。

「疲れたときや、傷を治すときに使ってくれ」

「わかった」

タバサが薬を受け取ってから俺は先ほど使ったテレポのしおりを取り出す。

「では、またなにかあったら呼んでくれ」

そう言ってテレポのしおりを発動させようとしたらタバサに止められ。

小さく小声で

「ありがとう。アル」

タバサはそれを言ってから顔を少し赤くした。

「どういたしまして。……テレポのしおり、発動」

そして俺は消えた。



タバサ SIDE

アルは微笑むと青い光に包まれて消えた。

今回はもうだめかと思った。
アルも助けにこれないと思っていた。

でも彼は来てくれた。

物語の勇者みたいにピンチの時に来て助けてくれた。

でも、彼は悪魔だ。

けど、優しい悪魔。

いつも私を助けてくれる。

イーヴァルディではないけれど。

彼は勇者を嫌うかも知れないけど。

私の勇者なのかもしれない。きっとそう。

彼は





私の優しい悪魔の勇者。




SIDE OUT



アルは
『タバサの心の勇者様』
の称号を手に入れた。




 
 

 
後書き
これでこの作品の移転は終了です。
最新話は近いうちに出す予定……

今度は時空を渡る精霊を移転します。

移転終わって最新話出したら、新しく書いた2次小説一気に投稿かな……?
投稿ペースはゆっくりになると思います。 
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