転生とらぶる
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コードギアスR2
0620話
『ご覧下さい! ゼロの集団が……いえ、黒の騎士団がエリア11から逃亡して……ではなく、国外追放されていきます。海氷船に乗った無数のゼロ達が、今エリア11から永遠に姿を消すのです! ですが、これはナナリー総督の狙い通りだったのでしょうか? それは分かりませんが、少なくてもエリア11から反政府組織が消滅したのは間違い無いようです!』
アナウンサーの興奮した声がTVを通じて響き渡る。それを俺は……いや、俺達は新国家になる陽光の首都、光明にある建物の中で聞いていた。
この場にいるのは、星刻、麗華、オデュッセウス。そしてその配下として働くべき星刻が選抜した有能な者達。……そして、俺。
ここにいる殆どの者が豪華な衣装を身に纏い、若干緊張した面持ちで部屋の中にあるTVへと目を向けている。この部屋の中にいる者で緊張していないのは、俺と星刻。そして……
「ナナリーは大丈夫だろうか。彼女はとても優しい娘なんだよ」
「そ、そうですか。オデュッセウスさんも妹さんが心配なんですね」
マイペースなオデュッセウスに話し掛けられ、これから起こる事を予想して緊張の余りガチガチになっている麗華が言葉を返す。
本来の歴史では政略結婚の相手としてオデュッセウスに恐怖すら覚えていた麗華だったが、この歴史では同じ象徴という意味もあってそれなりに親しく付き合っている。麗華にすれば、頼れるおじさんといったところか。それにしてもさすがにブリタニア第1皇子というべきか、この後に何をするのか理解している筈なのに全く緊張した様子が無い。
「星刻、そろそろ出番だぞ」
「ああ、分かっている。天子様、オデュッセウス殿、そして皆。……私達が立ち上がるべき時です。行きましょう」
星刻の言葉に皆が頷き、部屋の外へと出て行く。
一応この街はそれなりに大きく都市と呼んでもいいような規模だ。その都市を支配していた大宦官の関係者を都市の民衆達の蜂起に協力して排除したのが10時間程前。
時間の調整上NジャマーⅡを使用していたおかげで洛陽へ連絡しようとした通信は全て妨害され、同時に脱出しようとした者達は光明の周辺に展開していたメギロートによって全てが捕獲されるか、あるいは撃破されている。
もちろんこんな状況がいつまでも洛陽に伝わらないとは思っていない。何よりもTVの電波を受信する為、既にNジャマーⅡは展開していないので、恐らく既に誰かの手により洛陽に連絡は行っているだろう。この光明と星刻が名付けた都市が武装勢力により占拠されたと。そしてなるべく早く鎮圧軍を送って欲しいと。
……その全てが、こちらの予定通りであるとは思いもせずに。
「さて、どれだけの者が餌に飛びついてくるか……」
「ふっ、餌としては極上も極上。何しろ洛陽からいつの間にか連れ去られていた天子様、ブリタニアの第1皇子であるオデュッセウス殿、そして何よりも中華連邦の土地を切り取って建国する新国家だ。大宦官共の面子をこれ以上ないくらいに潰しているし、更にはそれを世界中に放映するのだからな。出せる戦力を最大限に出してくるだろう。奴等は無能の割にプライドが高いからな」
俺の言葉に星刻が口元に笑みを浮かべつつ答える。
「まあ、この面子がいるのを見ればEU以外は黙っていられないだろうな。ブリタニアなんかは貴族社会なだけに見栄やプライドも高いだろうし」
それに……ブラックリベリオン以降行方不明になっていたコーネリアの存在や、その騎士ギルフォード。そして親衛隊とも言えるグラストンナイツの姿もある。
そして、俺という存在。それを見た者は余程の事が無い限り未知の力を求めてこの陽光へと攻め込んでくるだろう。まさかいきなり俺達の存在を認めるような者はいない筈だ。何しろ俺達の主権を認めれば、こちらの情報1つ入手するにも面倒臭い手順を踏まなければいけないのに対し、占領してしまえば俺達という戦力全てが手に入るのだから。
特に大宦官共は身の程を知らずに踊ってくれるのは間違い無い。
そんな風に考えている間にも歩を進め、やがて建物から出て今までいた政庁とも呼べる建物の前へと到着する。
大宦官の手の者が使っていた建物だけに、見た目に関しては立派である。……中には色々と悪趣味な絵や壺とかのいかにもな物で満ちあふれていたが。没収したあれ等に関しては、星刻は後程裏のルートで売り払って国の資金とするとか何とか言っていたな。
「星刻様だ! それにあの子供はもしかして……天子様!?」
「本当か!? いや、ちょっと待て。それよりも、天子様の近くにいる男に見覚えが……」
「おいおいおいおい、嘘だろ!? あれってブリタニアの第1皇子のオデュッセウスだぞ!?」
「は? 待て待て。何でブリタニアの皇族が俺達の新国家にいるんだよ!?」
「つーか、最後の1人には全く見覚えが無いんだが……」
姿を現した俺達を見て、建国の瞬間をその目で見たいと集まってきた住民達が騒ぎ出す。特に大きな騒ぎになっているのは、やはりオデュッセウスだろう。本来であれば天子である麗華という存在が最も注目を集めるのが当然なのだが、ブリタニアの第1皇子という意外性は天子の衝撃に勝ったらしい。
「……皆様、用意が整いました。どうぞ」
これからの陽光を動かしていく役人達の中の1人が、政庁前の広場に用意された壇上の用意が整ったと俺達へと声を掛ける。
その声に従い、壇上へと上がっていく俺達。
天から降り注ぐ太陽に、雲一つ無い青空。まさに陽光という新国家の樹立を宣言するにはこれ以上無い程のシチュエーションだろう。
壇上は国家の樹立宣言を行う場所という事もあり、長さ10m、高さ1m、奥行き5m程のそれ程大きくない舞台が用意されている。
大きさ自体はそれ程でもないのだが、舞台に使われている木はかなりの高級木材であり、相応の金が掛かっているのは明らかだった。
その舞台の上でマイクが設置されている演説台の上に星刻が立ち、その後ろにある椅子に麗華、オデュッセウス、そして俺が座る。
「……アクセル」
チラリと俺へと視線を向けてきた星刻の問いを受け、小さく頷き……持っていたスイッチを押す。すると次の瞬間、政庁前の俺達がいる場所の近くにある巨大なTV画面に星刻の顔が映し出された。そして同時に、この映像は中華連邦、EU、ブリタニア……このギアス世界の全てへと放映されている筈だ。もちろんこんな真似が出来るのはレモンを始めとする技術班のおかげなのだが。更にこの映像が映し出されたその瞬間、陽光が中華連邦から切り取り予定の地域では民衆が蜂起し、その地の支配者である大宦官縁の人物へと攻撃を始め、あるいはそれを防ごうとするガン・ルゥを始めとする軍隊に対してはシャドウミラーから派遣された部隊と星刻の組織した部隊が合同で対処に当たる事になる。ちなみに星刻の部隊が使っているのはレモンが改良したミサイルランチャー付きのガン・ルゥ。それと腕の立つ者達はヴィンセント・ウォードとガレスが与えられている。
そう、今まで俺達がギアス世界で暗躍してきた成果が今ここで現れているのだ。
そんな、大宦官共にとっては阿鼻叫喚といってもいいような事態が進行している中、星刻は壇上のマイクを前にして口を開く。
「初めまして、世界の皆さん。私の名前は黎星刻。つい数日前までは中華連邦の軍人をしておりました。ですが、今の私の立場は中華連邦の軍人ではありません。それは……中華連邦内においてこれ以上大宦官共の専横を我慢出来無い者達と共に作りあげた新国家、陽光の執政官としてこの地位にいるからです」
ここまで言い、一端言葉を止める星刻。今言った内容が放送を見ていた者達の中で理解されるのを待っているのだろう。そして再び口を開く。
「今日、今ここに新たに建国された陽光。その名の通り、暖かな太陽の光を大地へと降り注ぐような国にしたいと思い、付けられた名前です。そう、実り多き畑を食い散らかす大宦官という害虫を駆除する為に、恵みの光で国民を癒す為に私達は立ち上がりました。……まずは、陽光の代表者達を紹介しましょう。まずは蒋麗華様。皆さんご存じの方も多いでしょうが、中華連邦の天子様です。かつては大宦官の専横に苦しめられていたのを私と……そして、後に紹介しますが、協力者の手によって救出されてここにいます。天子様は陽光という新国家においては何ら政治的な実権を持ちません。ですが、国の象徴として陽光という国の行く末を見守って貰いたいと思います」
そこまで言うと再び黙り込む星刻。同時に、座っていた麗華が立ち上がって一礼する。
大宦官によって籠の鳥として育てられてきただけに、優雅な所作とはとても言えない。だが、それでも一生懸命だというのは誰にでも分かる一礼だった。
民衆がざわついている中で麗華が椅子へと座り、再び星刻が言葉を発する。
「次に、陽光の代表となったオデュッセウス・ウ・ブリタニア殿。この名前でオデュッセウス殿がどのような素性の人物かは分かるでしょう。本来であればブリタニアの第1皇子であった方です。ですが現在はその皇位継承権を放棄し、陽光という国の代表として活動して貰います。……尚、それでは陽光がブリタニアの配下にあるのではないかと心配する方もいらっしゃるかと思いますが、オデュッセウス殿に関してはあくまでも陽光の代表という立場であり、天子様と同様実質的な権限は何1つ無いとここで断言させて貰います」
星刻がそこまで言って、再び黙り込む。
同時にオデュッセウスが椅子から立ち上がり、一礼して再び席に着く。
この辺、長年第1皇子として暮らしてきただけあって麗華と比べるとかなりスムーズな動作だった。
そして、再び星刻が言葉を発する。
最後にして、最大の衝撃を放つ言葉を。
「最後に……詳しい事情は後にするとして、まずは紹介を」
呟き、俺へと視線を向けてくる星刻。
その視線を受け取った俺は、椅子から立ち上がる。ただし前の2人と違うのは、その場にいるのではなく星刻の隣まで移動した事だ。
これまでのやり取りとは明らかに違う為だろう。星刻の話を黙って聞いていた周囲の住民達もまた、小さくざわめく。
「彼の名は、アクセル・アルマー。私達の新国家陽光の同盟国の頂点に立つ者です。そして……世界と世界の狭間にあるという、次元の狭間。そこに本拠地を持つ国家シャドウミラーを率いている者。シャドウミラーというのは、数多の異世界……あるいは平行世界を自由に行き来している特異な国家の事です」
シンッ、とした静寂に包まれる民衆達。
それは恐らくこの放送を見ている世界中の者達もまた同様だろう。
ちなみに、こうも色々な世界と関わりを持っている以上俺達が1つの組織だと体裁が悪いという事や、ホワイトスターという並みのコロニーよりも大きい本拠地を持っている事から、対外的には俺達シャドウミラーは組織ではなく国家の体裁をとるという風に決まっていた。
……まぁ、実際は部隊としてのシャドウミラーの時と大して変わらないんだけどな。対外的な名称が組織から国家に変わっただけで。それもどちらかと言えば俺を頂点に置いた軍事国家みたいな感じなんだろうし。
「では、シャドウミラー代表、アクセル・アルマー殿からお言葉を頂きたいと思います」
星刻がそう言い、今まで喋っていた場所を俺へと譲って数歩後ろへと下がる。
それを確認し、たった今まで星刻が喋っていた演説台の前へと立つ。
「……さて。まずは陽光の皆に新国家の成立をおめでうと言う言葉を贈らせて貰う。また、この放送を聞いている世界中の者は、先程の星刻の言葉を聞いて何を馬鹿な事をと思っているだろう。実際、この世界の技術レベルでは俺達の存在に関しては概念上の理解は出来ても、きちんと理解出来るとは思っていない。……故に、まずは俺が異世界の存在であるという証拠を見せようと思う。これを見れば、少なくても俺がこの世界の存在ではないと理解出来るだろう。……では、シャドウミラー代表である俺、アクセル・アルマーからの陽光という新国家が建国された祝いの出し物だ。十分に楽しんでくれ」
呟き、そこで言葉を止めて俺の言葉を聞いている皆の注意が俺へと向けられるように仕向ける。目の前にいる無数の民衆だけではなく、恐らく世界中でこの放送を見ている者達の意識が今の俺には集まっているのだろう。もっとも、その殆どが異世界という言葉を信じているとは思えないが。だが……それも俺の次の行動で変わる。常識外の存在によって。
皆の注意を更に集める為、わざとらしく手を真横に薙ぎ払うようにして振り、呪文を口にする。
『我と盟約を結びし者よ、契約に従いその姿を現せ!』
その呪文と共に俺の背後の空間に見て分かる程の穴が開き……
「ガアアアァァァァァァッッッッ!」
雄叫びを上げながらその存在が姿を現す。
下半身が竜、上半身が鷲。更に角が後頭部から2本前に伸びており、背中には鷲の翼とドラゴンの羽が1対ずつの合計4枚生えている幻想種。本来であればこの世界には絶対に存在していない筈の存在。
「……紹介しよう。俺と召喚の契約を結んでいるグリフィンドラゴン」
「グルルルォォォォゥゥッ!」
俺の言葉に応えるかのように雄叫びを上げるグリ。久しぶりに俺に呼び出されてはしゃいでいるらしい。……まぁ、普段はネギま世界の魔法界にいるんだから、違う場所に出て来てはしゃぐのは無理も無いか。
「ご覧の通り、グリフォンとドラゴンの合いの子といってもいい存在だ」
そう言いながらグリへと手を伸ばすと、鷲の頭部を俺の方へと寄せてきてスリスリと擦りつけてくる。その様子に笑みを浮かべながら角の根本をコリコリと掻いてやると、グリは竜の尾を振り回しながら気持ちよさそうな声を上げる。
その声がシン、と静まり返った政庁前へと響き渡り、この場にいる俺以外の全ての者……そして恐らくはこの映像を見ている世界中の者達の意識をこれ以上ない程に引きつけているのだろう。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:0
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:509
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