万華鏡
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第七十二話 三学期その二
「だからね」
「ああ、だから今回もな」
「何かを考えて、って思う方がね」
「普通だよな」
「部長さんだからね」
最早これで通じることだった。
「あの人なら」
「奇策が好きっていうのかしら」
美優の右にいる景子はこう言った。三人共部室に入り扉を閉める。そのうえで三人もジャージに着替えだしている。
その中でだ、こう言うのだった。
「あの人は」
「人の意表を衝くこと好きだよな」
「それもかなりね」
「悪戯好きっていうか?」
「そんなところあるわよね」
「そうだよな」
こう話すのだった、部長について。
「あの人って」
「はっきり言ってね」
「悪戯好きよね」
「だよな、小柄で童顔だしな」
それで実は小学生に間違われることもある。ただ部長にしてjはそれはロリ萌え人気があるからいいというのだ。
「子供っぽいところあるよな」
「それでいてしっかりしてるからね」
「不思議な人よね」
「大人の心を持っている子供?」
「そんな感じよね」
「つまりこういうことね、部長さんって」
ここで里香が部長をこう評した。
「童心を持っている大人なのよ」
「それが部長さんなのね」
「あの人なのね」
「そう、子供の心を持っているけれど大人なのよ」
そうだというのだ。
「あの人はね」
「ご名答」
そしてここで、だった。当人の声がしてきた。その声が五人の耳に聞こえてきたと同時にだった。部室の中に。
部長が入って来た、そして部長は笑顔で五人にこう言ってきた。
「私はそれを目指しているのよ」
「童心を持っている大人ですか」
「そうした人になることがですか」
「そう、目標なのよ」
こう小柄な童顔で言うのだった。
「それって最高でしょ、ギャップ萌えで」
「そこでも萌え、ですか」
「そうなるんですか」
「ロリ萌えと一緒で」
「それもあるんですね」
「そうよ、学園の中の神社の娘さんで茉莉也ちゃんって娘がいるけれど」
ここで新しい名前が出て来た、部長の口から。
「その小柄なのよ」
「ああ、トライアスロン部におられるっていう」
「大酒飲みでセクハラ好きな先輩ですね」
「何か酔うと女の子の胸や脚を触ってくるっていう」
「あの人ですね」
「そう、その娘のお母さんもなのよ」
こう五人に話すのだった。
「小柄で童顔でしっかりしてるのよ」
「確か青木茉莉也さんですよね」
琴乃がその娘のフルネームを言った。
「巫女さんでもあるっていう」
「そうよ、その娘も小柄でね」
「あの人のお母さんも小柄で」
「童顔でしかもしっかりしててね」
童心も併せ持っているというのだ。
「そうした人になりたいんですか」
「ええ、なりたいわ」
こう五人に言うのだった。
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