万華鏡
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第七十一話 おとそその八
「教理としてはわかるけれど同性愛は人それぞれだって」
「気にしないでいいっていうのね」
「神父さん達も」
「だって。誰かが誰かを好きになることは当然あることだし」
「その相手が同性の人でも」
「あることだからなのね」
「そう、だからね」
それでだというのだ。
「そういうのはいいだろうって仰ってるのよ」
「そうなのね」
「そこはやっぱりそうなるのね」
「まあ私もそうした趣味はないから」
景子にしても、というのだ。
「今も気になるのならお布団出すわよ」
人数分、というのだ。
「そうする?」
「いや、いいわ」
「もうね」
四人は笑って景子に返した。
「変なことにはならないから」
「流石に」
「だからもうこのままね」
「寝ましょう」
「そうなの。それじゃあね」
景子は四人の言葉に応えてそしてだった。
この日は五人で寝た、そうして。
朝だ、痛む頭とだるい身体で起きてだ、四人に問うた。
「起きた?」
「うん、今ね」
「起きたわ」
「景子ちゃんの言葉で」
四人も起きた、五人共寝た時と同じジャージ姿だ。
その格好で起きてだ、景子に言うのだった。
「いや、ちょっとね」
「流石に辛いわね」
「予想してたけど」
「お酒残ってるな」
「だからね」
それでだとだ、景子は四人に言った。
「今から。いいわね」
「お風呂ね」
「それね」
「入ろう」
一言だった。
「そこでお酒抜いてね」
「復活して」
「そのうえで」
「お風呂熱くしてると思うから」
そのお湯をというのだ。
「だからね。熱いお湯で汗をかいて」
「それで冷たいお水のシャワーも浴びて」
「それを交互にやれば」
「そう、お酒が抜けるから」
だからだというのだ。
「お風呂入りましょう」
「だよな、やっぱり二日酔いにはな」
何かとだ、美優が死にそうな顔で景子に言ってきた。
「お風呂だよな」
「そう、それと身体も綺麗にしてね」
「今日をはじめるか」
「ええと、今五時半だから」
「昨日早く寝たからな」
「九時にはね」
皆寝ていたというのだ。
「寝ていたからね」
「そうだよな、早く起きたな」
「いや、まだ遅いかもよ」
こう返した景子だった、美優に。
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