万華鏡
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第七十一話 おとそその六
「こうしてね」
「ええ、確かにね」
「お酒も美味しいしおせちもね」
「かなりいいわね」
「そうだよな」
五人も里香に応えてだ、そうして。
飲んでいく。そうして言うのだった。
「ついつい飲んで食べて」
「お箸進むわね」
「お酒の方もね」
「幾らでもいけるよな」
「私こんなお正月はじめてよ」
にこにことして言う里香だった。
「最高よ」
「それで明日どうするよ」
美優もおせちを食べて飲みつつだ、四人に問うた。
「元旦じゃないけれど初詣行くかい?」
「そうね、明日でもいいわよね初詣」
「お正月だし」
「それじゃあね」
「行きましょう」
四人は美優の提案に笑顔で応えた、そしてだった。
二日に初詣に行くことが決まった、五人はそのことを決めてだった。
さらに飲み食べる、そしておせちが全くなくなったところでだ、景子は四人に言った。
「じゃあ今日はうちに泊まる?」
「今日もじゃない」
笑ってだ、琴乃は景子の今の言葉に突っ込みを入れた。
「昨日もだったじゃない」
「あっ、そういえばそうね」
「ずっと起きてるから実感ないけれどね」
「そうね、何か大晦日から元旦はね」
ここでも神社の娘として言う景子だった、その顔はいささか真剣な色もある。
「神社はずっと起きてるから」
「徹夜は身体によくないけれどね」
「まあ皆時々仮眠取ってたから」
これは忘れていなかった。
「一睡もって訳じゃないけれど」
「やっぱり寝た方がいいから」
このことについてだ、里香はかなり真面目に述べた。
「絶対にね」
「身体によくないのよね」
「精神的にも」
「そうなの、寝ることと食べることはね」
この二つのことはというのだ。
「忘れたらいけないから」
「大切に、よね」
「そう、だからね」
それでだとだ、里香は琴乃に話す。
「少しでも寝るべきなの」
「一睡も、っていうのは身体に悪いのよね」
「私もそれなりに寝てるから」
「里香ちゃんもなのね」
「そうなの、さもないと後できたりするから」
「じゃあ一日二時間とか三時間とかしか寝ないって人がいるけれど」
彩夏が里香の話を聞いて彼女に問うた。
「それは駄目なのね」
「絶対に駄目」
「短過ぎるのね」
「ええ、睡眠時間がね」
こう真剣に語った、彩夏に対しても。
「何かちょっとしたことで倒れるわよ」
「身体壊しちゃうのね」
「そう、だからね」
「睡眠時間はそれなりに、なのね」
「そういうことなの」
「じゃあ今日は食べ終わったら」
景子がここで語る。
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