万華鏡
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第七十話 大晦日その十二
「結構」
「私達の場合はお家でよね」
「だよな、そうなってるな」
美優はこう琴乃に答えた。
「というか相当違うな」
「お雑煮ってお味噌だったりお吸い物だったりね」
「だよな、変わるよな」
「私お餅は大好きでお雑煮も好きだけれど」
里香も食べつつ話してきた。
「作るとなるとやっぱり」
「白味噌なのね」
「それも京風で」
「味が薄いのね」
「そうなるのよ」
「じゃあ私のところのこのお雑煮よりも味が薄いのね」
景子がここで里香に問うた、そのお雑煮を食べつつ。
「そうなのね」
「絶対にそうだと思うわ」
「うちは結構味が濃いと思うわ」
「そうね、実際ね」
今度は味噌汁を飲みながら言う里香だった、味わう顔になっている。
「濃いわね、うちのよりも」
「やっぱり里香ちゃんのお家は薄味なのね」
「そうなのよね」
「お餅ってそもそも何にでも合うのよね」
彩夏はその餅を食べつつ言う。
「お雑煮だけじゃなくてね」
「そうよね、本当にお餅って何にでも合うわよね」
琴乃も彩夏のその言葉、餅は何にでも合うということに同意して応えた。
「きな粉にもお醤油にも」
「あんこにもね」
「他にも色々とね」
「お豆腐みたいにね」
豆腐も何にでも合う、だから最近はスイーツにも使われている。
「合うのよね、何でも」
「無色なのよね、お餅って」
ここでこう言ったのは里香だった。
「だから何でも合うのよ」
「きな粉でもあんこでも」
「お醤油でも」
「そう思うわ。じゃあお雑煮を食べて」
「ええ、またね」
「頑張りましょう」
こう話してだった、そうしてだった。
五人は巫女姿のまま頑張っていく。そうして元旦の仕事を頑張るのだった。
第七十話 完
2014・2・23
ページ上へ戻る