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万華鏡

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第六十九話 十二月になってその九

「さあ、クリスマスよ」
「はい、いよいよですね」
「今日ですね」
「そうよ、いよいよよ」
 そうなるというのだ。
「ワインとケーキの日よ」
「それでライブですよね」
「クリスマスライブですよね」
「その用意はもう出来てるから」
 事前に準備をしていて宣伝もしていた、それは既にだ。
「後はいいわね」
「はい、ライブですね」
「今回は学園のコンサート会場で、ですよね」
「思いきり歌うわよ」
 それこそだというのだ。
「じゃあいいわね」
「はい、頑張ります」
「やらせてもらいます」
 一年の部員達が応えた、そしてだった。
 皆コンサートを開くライブ会場に入った、そのうえで。
 それぞれ演奏をする、観客達も熱狂した。その後でだった。
 部長は笑顔でだ、また部員達に話した。
「じゃあ今年の部活はこれで終わりよ」
「後は自由行動よ」
 副部長も一年生達に話す、勿論自分と同学年である二年生達にもだ。
「ハメは外してもいいけれど破滅はしないでね」
「破滅はですか」
「するなっていうんですか」
「ええ、そうよ」
 まさにその通りだとだ、また言った副部長だった。
「お酒は飲み過ぎてもいいのよ」
「それでもですね」
「破滅はするな、ですか」
「お酒での失敗は厳禁」
「そういうことですね」
「お酒は楽しんで飲むものよ」
 副部長はクールは顔でこうも話した。
「それでお酒で破滅したら駄目でしょ」
「昔の芸人さんみたいにですか」
「そうなるなっていうんですね」
「そう、そういう人にはならないことよ」
 漫才師にもいた、確かに漫才は天才だったが酒と数々の騒動により破滅した。残念なことだったと言うべきであろう。
「年末年始、いいわね」
「わかりました」
「じゃあハメは外します」
「けれど破滅はしません」
「そうします」
「寮生の子は自宅でゆっくりね」
 今度は書記が話した。
「いいわね」
「ええ、広島に帰ってもね」
「岡山でもね」
 宇野先輩と高見先輩がそれぞれ書記に応える。
「飲むけれどね」
「それで終わらないから」
「じゃあまた来年ね」
 また言った部長だった。
「来年会いましょう」
「はい、それじゃあ」
「楽しんできます」
 部員達も応えてだ、そうしてだった。
 軽音楽部の今年の部活動は全て終わった。全員締めの一手で終わった。そしてその締めの一手の後でだった。
 プラネッツの面々は美優の家に集まった、そしてすることは。
「もうローストチキンの用意は出来てるからさ」
「あっ、今日ローストチキンなの」
「それなの」
「クリスマスだからな」
 それ故にだ、ローストチキンだというのだ。
「やっぱりそれだろ」
「そうね、確かに」
「クリスマスだしね」
「だからよね、ローストチキン」
「それなのね」
「しかも二つあるからさ」
 にこりと笑ってだ、美優は四人にその数も言った。 
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