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殺し屋:鷹の目の悲しい恋 - Little light in the darkness -

作者:紅雨
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第1話 - 過去 -

 
前書き
どうか温かい目で見てやって下さい。

ご感想、評価をお待ちしております。 

 
綺麗な満月が出ている真夜中―――

ある廃ビルの屋上に一人の少女がいた。

12歳ほどの少女だろうか。

腰まである艶やかな白髪。

磁器の様に美しく、透き通った白い肌。

まるで絵から飛び出て来たかのように可憐で、妖艶さもあった。

満月の夜空が背景になって、少女をより引き立たせていた。

だが、この場に場違いな物があった。



少女が構えている狙撃銃。



少女は狙撃銃の照準器(スコープ)に目を近づけ、ある一点に狙いを定めていた。

その目はまるで獲物を狙う鷹のようだった。

少女は僅かに目を細めると、ゆっくりと引き金を引いた―――



side - 鷹の目 -

「……依頼完了。」

私は今回の依頼に使った狙撃銃、L96を肩に担ぐ。

狙撃の際、ライフルを持ち込むのにケースは使わない。

楽器や専用ケースに銃を格納するとかさばるし、目立つからである。

よくアニメや漫画等でスコープを覗く際、片目をつぶるが現実は違う。

スコープをつけない方の目をシェイドやアイ・パッチで覆い隠すのが普通だ。

片目をつぶると顔面に余計な力が入り、狙撃に支障をきたすためだ。

スポーツ射撃の選手は皆、シェイドを付ける。

だが、私…鷹の目は違う。

私は両目を開いて射撃する(・・・・・・・・・・)

通常、両目を開け続けた状態であると、視野が広いがために必要以上のものが見えてしまい、
精密な狙撃の際は邪魔になる。

ピントもずれやすく、最悪視力の低下を引き起こす可能性もある。

だが私には関係ない。

何故なら私は…………



人間の領域を超えてしまった人間(・・・・・・・・・・・・・・)なのだから―――



四方から機関銃で撃たれてもすべて避けられる。

何故なら見える(・・・)からだ。



私は物心もついてなかった赤ん坊の時、様々な薬品を父によって混入された。

私の父は狂科学者(マッドサイエンティスト)だった。

私の身体にはいった薬はなぜか適合した。

私の父は超絶的な頭脳を持つが、それゆえに自身の失敗を疑わない人だった。

最初は予防接種などと言われ、少量の薬品を取り込んだだけだった。

だが私があらゆる毒薬などにも適合するのが分かると私を手術台に縛り、
次々と毒薬を混入された。

そのせいか私の身体は人間とはかけ離れてしまった。

まず髪の毛の色素が抜けた。

次に五感が発達した。

それも異常なほど。

さらに身体能力も上昇した。

飛来してくる銃弾を目で見て躱す事が出来る。

ほかにも様々な事が出来るようになった。

だがある日、父が急病で亡くなった。

母は私を産んですぐに他界した。

父はずっと家の地下にある実験室で研究をするためだろう、
類縁とも縁を切っていた。

もう私には行くところが無かった。

そんな時私が出会ったのはある事件だった。

銀行強盗だ。

その強盗は手に拳銃を持っていた。

私はその拳銃を見てある考えが浮かんだ。

裏の世界で生きるという事。

父が地下で私に人体実験をしていたと言う事が警察にバレればただ事じゃなくなるだろう。

このご時世だ、面倒な事が起こるに違いない。

だが裏の世界ならどうだ。

誰も手を差しのべてくれない。

だが逆に考えれば誰も私に気付かないという事。

無論裏の世界に入れば警察に追われるだろう。

だが逃げ切ればいいだけの話だ。

私にはそれだけの力がある。

そうしよう、生き残るために―――



そう決意してから何年経ったであろう。

あの時私は6歳だった。

そして現在は12歳。

つまりあれから6年経ったのか。

あの時から必死に裏の世界で頑張った。

今では『鷹の目』という二つ名までついたぐらいだ。

だがその代償に感情を失った。

無口で無表情キャラに人の心を持たないのが私だ。

最初の頃は人を殺めることに戸惑いもあった。

だが今は何も感じない。

何も心に響かない。

それにこの世界にいると表の明るい世界の暗黒部分が見えてしまう。

表で生きている者には分からない闇の部分。

この世界でいろんなものを見てきた。

そしていつも思う。



あぁ……世界は残酷だ…………と。 
 

 
後書き
つたない文章ですみません。

見切り発車です。ご了承下さい。 
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