| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

蒼の使い魔は悪魔で召喚魔剣士

作者:蒼鈴六花
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

ギャンブラー

舞踏会にて

俺はタバサと踊ってる最中、窓の外に灰色の伝書フクロウが飛んでるのが見えた。

「タバサ、どうやら依頼が来たようだ」

俺が小声で伝え、一瞬窓を見ると、タバサは窓を見て少し嫌そうな顔を一瞬した後すぐにコクリと頷く。

俺たちは不自然さが無いように緩やかにすばやくダンスを終わらせ、フクロウの近くにより、フクロウから書簡を取り上げた。異変に気がついたシルフィードこちらにやってきたと合流しバルコニーに行って、シルフィードは竜に戻り、俺たちを乗せて飛んだ。



そしてプチ・トロワにて

タバサを見たイザベラはにやりと笑みを浮かべ、タバサの衣装について話すがタバサは黙って、命令を待つ、その様子にイザベラは物憂げに書簡を放ってよこす。

それを受け取って小さく一礼をして出ようとするタバサをイザベラは止め、タバサの衣装は盗んできたんじゃないか?と聞くとタバサは母様のお下がりと言うとイザベラは少し怯みすぐ取り繕って、今回の任務の予行練習でもしようじゃないかとコインを取り出し、これで表裏当てたら金貨百枚、負けたら服をもらうと言い始めたが。

タバサは首を振り、その様子を見てほっとしたような顔でイザベラは笑い、タバサを臆病で能無しだの騎士の任務が務まるかだの言って笑っていたがタバサの目を見て、少し黙り任務の説明を始めた。

今回の任務はベクトールという街に賭博場ができ貴族から金を巻き上げているという、色々合っておおっぴらに取り締まれないから、タバサが賭博場を潰せということらしい

そして軍資金をもらい、タバサは賭博場にてド・サリヴァン伯爵家の次女、マルグリットと名乗るように言われた。



そしてベルクートの街にて

白いお仕着せを着て革靴を履いたシルフィード、青い乗馬服に膝丈のブーツそして大きなシルクハットという貴族の間で流行ってるらしい男装姿のタバサ。

そして俺はシンプルな執事服を着ている。

「お姉さま、今日はとってもかわいい!お兄さまもいつもと違う雰囲気、でもかっこいい!なんだかシルフィも嬉しい!きゅい!」

楽しげにきゅいきゅい言うシルフィード。

「ありがとう、シルフィード」

そう会話しながら歩いていく。

「で、今度の任務はなんなの?街中でこんな格好するってことは、荒っぽい任務じゃないみたいね。きゅい」

タバサは無言なので代わりに説明する。

「そうだな……、今回の任務は頭脳戦になる。いつもの戦いとは違う戦いになるな、だが荒っぽいことが必ずおきないとは限らない任務だ」

「きゅい?そうなのね。頭脳戦ならこの古代種のシルフィに任せるのね!きゅい!」

そこでタバサに杖で叩かれる。

「痛いのね」

そういうやり取りをしながら一軒の宝石店につく。

綺麗なもの好きなシルフィードがガラスに張り付き大騒ぎする。

「うわあ!とっても綺麗なのね!シルフィも欲しいのね!きゅいきゅい!」

「ほら、シルフィード中に入るぞ」

俺はシルフィードを促し中に入る。
タバサはすでに店の店員と話をつけていた。そして俺たちは奥に通される。

そしてカウンターにてタバサは杖を預けることになり、預けた。

賭博場に入ると商人の娘と間違えられたり、支配人のギルモアが現れ、謝罪し、この賭博場の説明をし、タバサに名前を聞いた後、どのゲームで遊ぶか聞くとタバサはサイコロ賭博を選んだ。

タバサに数枚のチップを分けてもらい俺もやることにした、シルフィードもやると言ってもらってやっていたようだが、ルールをよく知らず、すぐにすってはタバサのところか俺のところに来た。

俺が何をやったかって?主にポーカーとかだな、いかさまはしてないぞ、そんなもん無くても勝てる。

ポーカーで適当に稼ぎ、次にルーレットにいって勘だけでぼろ儲けできてしまった。色々回って見たが、結構稼げた。大体数千エキュー、タバサと大体同じかそれ以上か。

なんでそんなに勝てるか?街で色々教わったしな、そういうの得意なやつとかに。
それに元々俺は賭け事に強かったし、街で軽い賭けに誘われても負けたことなかったしな……

そんな感じでタバサの元に戻ると、一人の若い男がタバサに話しかけていた。

「お嬢さん、すごいじゃないですか。何かお飲みになりますか?」

周りの貴婦人たちが、不満の声をあげている。どうやら人気の給仕のようだ。

「お客様お相手係のトマと申します。どうかお見知りおきを……」

シルフィードは胡散臭げにトマを見て。

「お姉さま、この男、お姉さまに色目使ってるのね」

「色目を使っているわけではありませんよ。このお嬢さまに妙に惹かれるものを感じて、お近づきになりたいと思った次第」

タバサはトマのほうを向きもせず、短く注文する。トマはかしこまりましたと下がっていく。

シルフィードはお姉さま!とタバサの頭をかき抱き、ぶんぶんと振った。

「お姉さまはお兄さまのことが好きだったんじゃなかったのね!?あんな男にちょっと色目を使われただけで興味を持つなんてだめなのね!あの男いけない香りがぷんぷんするのね!あんなのと少しでもかかわり合いになるだけで、お姉さまきっと不幸になるのね!」

「落ち着けシルフィード」

「お兄さま!お姉さまをあんな男に取られていいの!」

「あのな、シルフィード……」

タバサはシルフィードを無視して賭けを続けようとすると、隣のテーブルから怒声が響く。

「どうなっているんだ!このワシをバカにするのも大概にしろ!」

中年の貴族がぷるぷる振るえ激昂していた。

「どうなさいました?旦那さま」

支配人のギルモアがやってくる。

「どうなさっただと?あの場面で、フォー・ファイアがそろうなんてできすぎもいいところだ!イカサマだ!」

ギルモアはこの店では魔法を使っているものはいないといい、なんならディテクト・マジックも使っていいとまで言い切った。

魔法を使わないイカサマだと言われても、カードを切り配ったのはのは貴方だと、公平さ誠実さを示すためにそうしていると、低姿勢だが小ばかにしたような口調で言う。

貴族の客は大またで出て行ったと思ったら、杖を持ってまた現れ火の玉をギルモアにぶつけようとしたが、給仕のトマがすばやくギルモアを助け、さらに魔法を使おうとした貴族の懐に飛び込み左手の袖の隙間から出した短剣で杖を切り、貴族の右手を握り、のど元に短剣を突きつけた。見事だな……と素直に思う。

そして貴族の客を帰らせた。他の貴族の客は苦い顔していたが、平民の客から拍手が飛んだ。そしてその拍手に優雅に一礼するトマ。

「あの人、すごいのね。口がうまいだけじゃないみたいね。貴族をやり込めちゃうなんて。でもお兄さまには敵わないのね。きゅい」

驚きつつそういうシルフィード。俺はタバサの様子に気がついたが、今は勝負に集中しなければ負けるので、俺はなにも言わず別の場所に行くことにした。



見るとタバサのところに人だかりができていたので覗き込む。
ぼろ儲けしていた。あ、大勝した。
そこにギルモアが揉み手してやってくる

「お嬢様……。これはこれは大変な大勝でございますな。さて、そろそろ夜もふけてまいりましたが……」

「続ける」

タバサは即答する。

「申し訳ありませんが、このテーブルは、シューターが体調を崩してしまったので、お開きとさせていただきます。さて、そろそろ小さな賭けにも飽きた頃ではございませんか?」

タバサは頷く。俺はきゅいきゅい喚き始めたシルフィードを止めるために人ごみをすり抜ける。

「おねえさま!勝負は引き際が肝心なのね!きゅい!」

「おやおや、お連れさまは乗り気ではないようですな……。どうなされます?」

「きゅーーむぐ!」

俺はシルフィードを止める。

「シルフィ、少し落ち着こうか」

ギルモアは俺を見た。

「おや、貴方は、このお嬢様と同じくらい大勝していた……。このお嬢様のお連れの方でしたか。そういえば入り口あたりで一度、お嬢様といる所を見かけましたね」

「なかなか楽しませてもらったよ。面白いくらい勝てたしな……」

「それはそれは、では貴方はどうしますか?話を聞いていたのでしょう?」

「主であるマルグリットお嬢様が続けるのであれば俺はやめておこう」

俺はタバサを見るとタバサが頷く。

「続ける」

「ありがとうございます。お嬢様がたのようなお強いお客と、ゲームができることは、カジノを経営するものとしてこの上ない喜びです。どうぞご遠慮なく、勝っていってくださいませ」

心にも無いお世辞言いつつ一礼した。

「ではお席をご用意させていただきます」

タバサは首を振る。

「おや、お気持ちが変わってしまわれましたかな?」

「少し休みたい」

俺たちには豪華な部屋が用意され、タバサはイスに座り本を読む。シルフィードはきゅいきゅいと言いながら。

「まったく……、勝ってるうちが華だというのね」

などと言い始め、タバサは一言だけしゃべる。

「勝ちにきたわけじゃない」

「負ける勝負なんかしちゃだめなのね!」

タバサはこちらを見る。

「分かった。俺が言おう」

俺はシルフィードに小声で話す。

「今回の任務はこの賭博場を潰すことだ」

「きゅい」

「確実にイカサマをしているはずだ。それを見つけ、客に教える。それでこの賭博場は潰れる」

なるほど、と頷く。

「で、お姉さまとお兄さまは早速そのきっかけを見つけたってわけね?」

「俺は念のために勝ってただけだがな」

「ちゃっちゃと任務終わらせて、勝ったお金でシルフィにお肉買うのが裏の任務なのね。忘れちゃだめなのね」

「ほんと肉が好きだな……」

「では、シルフィがイカサマとやらを見つけてあげるのね!きゅい!」

「……このゲームでイカサマを見つけることは、いつもの戦いとまったく違う」

「シルフィだって、お役に立ちたいのね」

「気持ちだけもらう。おとなしくしてて」

それを聞いてシルフィードはあきらめた様子。

「なによなによ。つまんない!ちょっと散歩でもしてくるのね!」

シルフィードは出て行ってしまった。俺はシルフィードを追いかけることにする。

「タバサ、俺は別の方面からイカサマを探して見る。支配人のほうは任せた」

タバサはコクリと頷く。

「勝負事では熱くなった方が負けだからな。気をつけてくれ」

そうして俺は部屋を出てシルフィードを追う。



そして俺はシルフィードに追いつく。

「きゅい!お兄さま」

「シルフィード、タバサの役に立つために行動するぞ」

「ど、どういうことなのね?」

「タバサは支配人とこれから勝負する。だが、確実に負けるよう仕組まれてる。イカサマはやってる側では確実に気がつかないものかもしれない。だから俺たちが外からそれを調べる」

「きゅい!そういうことならがんばるのね!でもどう調べるのね?」

「俺はずっとここのイカサマについて考えていたが、ここでは魔法は使っていない、では、
魔法をつかわない技でやっているのか、見たところそれも違うようだ」

「それじゃあ、イカサマはどうやってやってるのね?」

「特殊な魔法の可能性もあると思う。そうだな……先住魔法でばれずにイカサマできないか?」

「もちろんそのくらいのことならできるのね。でも先住魔法をこんなことに使うなんて普通はしないのね」

「普通じゃない状態にされて無理やり先住魔法を使わせるってこともあるだろう。一応探して見るか」

「分かったのね!」

俺たちは行動を開始した。

その後すぐにシルフィードが何かに反応する。

「!?お兄さま!誰かが助けを呼んでいるのね!」

「俺には聞こえないが。特殊な声のようだな……急ぐぞ!」

助けを呼ぶ声を頼りにシルフィードは走り俺もその後を追う。そしてとある部屋にて。
籠に小さないたちのような生物が入っていた。

「この子が助けを呼んでいたのね。それにしてもなんてことを……」

「この子を人質に親にでも先住魔法を使わせて立ってことか。シルフィードこの子を連れて急いでタバサのところに向かうぞ!もう勝負を始めているはずだ!」



一方タバサはアル達が行った後、トマがやってきて話をした、トマはほんとはトーマスをいい父親がオルレアン家に仕えていた。父と同様トーマスもオルレアン家を慕い続けており、タバサに忠告に来たのだ。
そしてこの賭博場についてと自分について話をし部屋を出た。



そしてタバサは勝負を開始していたが窮地に追いやられていた。
チップも無くなり服もかけ始めもう後が無い状態だった。

そこに

「待つのね!」

廊下から素っ頓狂な声が響く。

タバサは振り返ると、シルフィードとアルが立っていた。一斉にシルフィードとアルに視線が集まる。

「お姉さまへの狼藉、許せないのね!」

「おやおや、お連れ様ではございませんか。今は大事な勝負の最中です。水を差さないでいただきたい」

「でも、もっと許せないのは、こっちなのね!」

シルフィードは後ろ手に持った籠を突きつける、するとギルモアの顔が変わる

「貴様!それをどこで!」

「あんたたち薄汚い人間が、どこで悪さをしようとも、この古代s……、いや、もとい、とっても偉いシルフィードにはすべてお見通しなのね!助けを求める声が聞こえたのね!ええ、シルフィにしか聞こえない、大いなる意思によって作られた言語で、助けを求める声がなのね!」

シルフィードの持った籠から、一匹のいたち……がひょこっと姿を見せたその瞬間、タバサたちの使っていたカードが一斉に同じいたちのような生き物に姿を変えた。

「これはエコー!偉大なる古代の幻獣なのね!そのエコーの持つ精霊の力を利用して、あくどい金稼ぎの片棒を担がせるなんて、大いなる意思への侮辱も甚だしいのね!」

カードに化けていたエコーたちは澄んだ声で鳴きながらシルフィードに近づき纏わりついた。

「こんなかわいいエコーたちの子供を利用して、大人のエコーに言うこと聞かすなんて!お前見たいなのは、このシルフィードがじきじきに成敗してやるのね!」

シルフィードがそういって飛びかかろうとしたとき、その後ろにいた客たちがギルモアに飛び掛った。

しかしそんな連中の前にトマもといトーマスが立ちふさがる。そして袖から剣を抜き放ち。

「ギルモアさまには手出しはさせん」

そしてトーマスの実力を知ってる客たちが止まった瞬間、袖から何かを取り出し口で先端を引きちぎると激しい煙が巻き起こり、客はパニックに陥り煙が晴れた時、トーマスとギルモアの姿は消えていた。



そして抜け道にて俺たちはギルモアたちの前に立ちふさがる。

「貴方さまは、もしや政府のお役人ですか?」

などと地面に頭をすりつけ我らは義賊だの貧しい人たちのためにやっていたとギルモアが言うが。シルフィードがエコーからすべて聞いたといったとたん、ポケットから小型拳銃を取り出し立ち上がって。

「当たり前だ!誰が貯めた金を配るような、まねをすると思っている!トマ!こいつらをやってしまえ!」

トーマスは切なげな表情を浮かべた後、ギルモアを守るように、前に出た。

「トーマス」

タバサは言うがトーマスは首を振る。
うすうす分かっていたとでも、ギルモアは恩人だと、タバサに王政府の人間か聞いたあと、なぜ王政府にタバサが協力しているか分からないと言い、シャルロットお嬢様、どうして?と言ってもタバサは私はもうシャルロットじゃないというだけだった。

トーマスが戦闘準備をし、タバサに最終警告する。だがタバサは黙ったまま。
そして戦闘は始まった。

トーマスはナイフを投げタバサは魔法でそれを防ぎ、先ほどのナイフは囮でトーマスは煙幕弾を使い視界を奪う。
メイジは視界確保を普通先に行うのだが、タバサはトーマスの真正面に現れ、トーマスが反応するより速く杖でみぞおちを突く。そして勝負は決まった。
トーマスが地面に崩れ落ち、タバサは悲しそうに目を瞑る。

俺とシルフィードはギルモアからすばやく銃を奪い、無力化していた。

その後、ギルモアの金が貯めてある貸金庫の鍵を取り上げ、魔法でトーマスとギルモアを眠らせ、町外れにある宿屋に預け、任務は終了した。別に犯人捕縛しろなんて言われてないしな。



そして俺たちはシルフィードに乗りながら学院へ帰った。



タバサ SIDE


今回は盲点だった。人間には先住魔法は仕えないと先入観を持ち、先住魔法を使う生き物を利用するなどの方向に考えが廻らなかった。

シルフィードから聞いた話ではアルはそのことに気付いたらしい。彼はこの先入観を持っていない、だけどあったとしても気付いていたんじゃないだろうか。と思う。
彼の実力は底知れない。



SIDE OUT



今回は裏方だったな。まあ楽しかったしいいか。

そういえばフーケの時にしたいやな予感はなんだったのか……今のところ何も無いが。気のせいだったか……?





************************************************
今回裏方なアルさん。彼は街で色々なことやってそうですが、気が向いたら外伝にて書きます。

では、誤字・脱字・感想・アドバイス等お待ちしております。


 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧