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万華鏡

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第六十七話 秋の味覚その九

「そういうのも用意しているらしいぜ」
「お餅もなの」
「それでそっちはわんこそばか」
「あんた達と一緒ね」
「よし、じゃああらためてね」
「健闘を祈るっていうのね」
「頑張れよ、そっちもな」 
 ここでやっとエールを送ってきた男組だった、こうしてだった。
 男子と女子の軽音楽部はそれぞれ別れてだった、そのうえで。
 女子軽音楽部の面々もわんこそば大会に参加する、ここで今度は副部長が部員達に対して言ってきた。
「いい?これは余興だからね」
「イベントですね、つまり」
「勝ち負けじゃなくて」
「そう、勝ち負けのことじゃないから」
 だからだというのだ。
「こだわらなくていいから」
「特に、ですね」
「何杯食べろとかはないんですね」
「私達はプロレスラーじゃないから」
 この場合は女子プロレスラーだ、こちらもよく出る。
「だからね」
「それで、ですよね」
「今回は」
「無理をしないことよ」
 そうして楽しめというのだ、要するに。
「そこは覚えておいてね」
「目標は八十でもですか」
「いかなくてもいいんですか」
「目標っていってもなんですね」
「確かに目標だけれど」
 それでもだというのだ。
「勝ち負けじゃないから」
「八十いかなくてもですね」
「いいんですね」
 一年生達も納得した、そして二年生もだった。
 お互いにだ、顔を見合わせてから同年である副部長に言った。
「じゃあ気楽に?」
「気楽に参加していいのね」
「それでおそばを好きなだけ食べればいいの」
「私達のペースで」
「そうよ、今回はね」
 まさにその通りだというのだ。
「だから楽しんでいきましょう」
「楽しんで食べて」
「そうすればいいのね」
「そう、勿論私もね」
 副部長自身もだというのだ。
「食べるから」
「楽しんでよね」
「そうして」
「それで参加するのね、あんたも」
「気持ちよく」
「そうよ、楽しく気持ちよくね」
 まさにだ、そうするというのだ。
「私もね」
「じゃあ私達もね」
「そうして」
「そうよ、私だってね」
 ここで部長も言ってきた、最後はやはり彼女だった。
「楽しく参加するからね」
「あんたの場合は食べそうね」
「百杯いきそうね」
「それこそね」
「百杯でも」
「ええ、食べるわ」
 実際にそう考えているというのだ、部長も。 
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